業務独占資格・必置資格・名称独占資格・技能検定の違いとは?
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国家資格とは、国の法律に基づき、特定の分野において一定以上の知識・能力を持つ者だけに国が与える資格のことです。
しかし、一口に国家資格と言っても、以下の4つに区分されることをご存知でしょうか。
- 業務独占資格
- 必置資格
- 名称独占資格
- 技能検定
今回はこの4つの資格区分の特徴を整理していきます。
それぞれの資格の代表例もご紹介するので、「この資格はどの分類だったかな?」と迷うときにお役立て下さい。
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業務独占資格とは?
業務独占資格とは、その資格を持っている人だけが独占的に当該業務を取り扱うことができる資格です。
専門性が非常に高い、あるいは人命にかかわるような危険性が高い資格が、業務独占資格に選ばれています。
具体的に業務独占資格の1つである「行政書士」を例にみてみましょう。
行政書士には次の3つの独占業務があります。
- 官公署に提出する書類の作成
- 権利義務に関する書類の作成
- 事実証明に関する書類の作成
これらの業務は行政書士資格を有している人しか携わってはいけません。
もし資格を持っていないにもかかわらず業務を行ってしまうと、法律違反となり罰則が科せられます。
行政書士の場合、行政書士法第21条第2項の違反となり、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処されます。
このように、業務独占資格は有資格者以外が当該業務に携われないよう、法律で厳しく制限されているのが、大きな特徴です。
独立開業や転職の際に大いに役立つ資格といえるでしょう。
なお、独占業務資格は後述する「名称独占資格」も兼ねています。
独占業務資格の代表例一覧
- 弁護士
- 司法書士
- 行政書士
- 税理士
- 弁理士
- 社会保険労務士
- 通関士
- 宅地建物取引士
- 管理業務主任者
- 土地家屋調査士
- 測量士
- 陸上特殊無線技士
- 公認会計士
- 危険物取扱者
必置資格(設置義務資格)とは?
必置資格(設置義務資格)とは、事業を行う際、「その企業や事業場に必要な資格を有している者を最低1人以上置かなければならない」と法律で義務付けられている資格です。
例えば、「衛生管理者」という資格であれば、業種によらず、労働者が50人以上働く事業場では衛生管理者を必ず1人以上置かなければなりません。
もし、選任義務があるのにもかかわらず、衛生管理者を選任しなかった場合、法律違反となり罰則が科されます。
つまり、有資格者の設置義務がある企業や事業場においては、その資格を持っている人がいないと、当該業務を行うことができないのです。
必置資格は企業からの需要が高いため、就職や転職の際に大きな強みとなるでしょう。
原則、必置資格は「業務独占資格」または「名称独占資格」のいずれかとセットとなっています。
必置資格の代表例一覧
- 宅地建物取引士
- 衛生管理者
- 管理業務主任者
- 測量士
- 通関士
- 採石業務管理者
名称独占資格とは?
名称独占資格とは、資格を取得した人のみがその名称を名乗ることを認められている資格です。
資格を持っていない者が当該名称を名乗ることや、まぎらわしい名称を用いることは認められません。
例えば、「社会福祉士」という名称独占資格を取得した場合、「社会福祉士」の肩書きを名乗って仕事をしたり、名刺に資格名称を名刺に記載したりできます。
社会福祉士の資格を持たない人が「社会福祉士」と名乗って仕事をすることはできません。
ただし、名称独占資格は資格を持たない人でも、当該業務を行うことは可能です。
ここが無資格で業務を行うと罰せられる「業務独占資格」と異なるポイント。
先の社会福祉士を例に取ると、無資格者でも社会福祉士の業務の1つである「相談業務」を行っても問題ありませんが、「社会福祉士」と名乗って相談業務を行うことは違法行為にあたるということです。
無資格者でも同じ仕事につけますが、当該名称を名乗ることはできないのが、名称独占資格の特徴となります。
名称独占資格の代表例一覧
- マンション管理士
- 社会福祉士
- 介護福祉士
- 技術士
- 中小企業診断士
技能検定とは?
技能検定とは、働くうえで必要となる業務知識や技能などを評価する国家検定制度のことです。
法律で指定された団体が技能検定試験を実施し、その試験に合格すると合格証書が交付され「技能士」の称号が与えられます。
例えば、技能検定の1つである「ファイナンシャル・プランニング技能検定(FP技能検定)」であれば、厚生労働大臣から試験実施機関として指定を受けた「日本FP協会」または「金融財政事情研究会(きんざい)」が試験を実施。
試験に合格すれば、試験実施機関から合格証書が与えられ、等級に応じて「◯級ファイナンシャル・プランニング技能士」と名乗ることができます。
技能検定は資格を持っていなければ当該業務をできない、という資格ではありません。
資格がなくても、当該業務を行うことは可能です。
つまり、技能検定はその仕事に就いている人自身の技能の高さを示すもの。
資格を持っていない人と差別化を図れるメリットがあります。
技能検定の代表例一覧
- ファイナンシャル・プランニング(FP)
- キャリアコンサルティング
- 建築大工
- 機械木工
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