建設業界で飛躍するには、業界で求められる資格を取得することが有効な手段です。業界経験が短くても、転職やキャリアアップに活用できます。

とはいえ建設業に関する資格は多く、どれを取得するか迷っている方も多いでしょう。

本記事では、建設業の資格を分野別に厳選しました。資格を取得するメリットや勉強方法もまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。

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建設業のおすすめ資格9選

建設業で重用されるおすすめの資格は、分野別で9つあります。

資格名扱う分野
建築士建築
建築施工管理技士施工管理/施工
建築積算士測量/積算
建築設備士建築設備
土木施工管理技士土木施工
造園施工管理技士造園施工
CADオペレーターCAD
電気主任技術者(電験)電気工事
インテリアコーディネーターインテリア

なお、それぞれの資格に掲載した表の「難易度」の項目は、合格率20%ごとに★をひとつ付ける形で判定しています。

建築士

種別国家資格
分類一級建築士
二級建築士
合格率一級:9.9%
二級:22.3%~25.0%
難易度一級:★★★★★
二級:★★★★☆
受検資格一級:大卒、短大卒、高専卒、高卒、専修校(建築科目修業者)卒、二級建築士、建築設備士、国交省認定の外国大卒
二級:大卒、短大卒、高専卒、高卒、専修校(建築科目修業者)卒、または学歴なしで実務経験7年以上

建築士は、建築業界では最も知名度のある国家資格です。

試験で建築士法で定められた知識を認められて合格後に取得できます。

仕事内容は、建物の設計や工事監理になります。

二級建築士と上位資格の一級建築士があるため、目的に合わせて選択しましょう。

資格名特徴
一級建築士国土交通大臣により認定され、特定建設業の営業所専任技術者を目指せる
二級建築士都道府県知事により認定され、一般建設業の営業所専任技術者を目指せる

建築施工管理技士

種別国家資格
分類一級建築施工管理技士
二級建築施工管理技士
合格率【1級】
第一次検定:36.0%~51.1%
第二次検定:40.7%~52.4%
【2級】
第一次検定:前期33.3%~50.7%
      後期25.3%~49.4%
第二次検定:27.1%~53.1%
難易度【1級】
第一次検定:★★★☆☆
第二次検定:★★★☆☆
【2級】
第一次検定:★★★☆☆
第二次検定:★★★★☆
受検資格【1級】
第一次検定:19歳以上・実務経験不要
第二次検定:最終学歴以降3年~10年の実務経験、2級合格者で5年以上の実務経験、学歴なしで実務経験15年以上二級第一次検定:17歳以上・実務経験不要二級第二次検定:最終学歴以降1年~4年6カ月の実務経験または学歴なしで実務経験8年以上

建築現場の現場監督を目指す方は、建築施工管理技士がおすすめです。

建築施工管理技士は、建築現場における4つの部門を管理する役割を持っています。

  • 施工(工程)管理
  • 品質管理
  • 原価管理
  • 安全管理


建築士が建物を管理する役割に対して、建築施工管理技士は建築現場の工事全般を管理する現場統括のような立場といえるでしょう。

建築積算士

種別民間資格
合格率一次試験:52.9%~74.5%
二次試験:58.1%~71.8%
難易度一次試験:★★☆☆☆
二次試験:★★☆☆☆
受検資格17歳以上の学生や社会人

建設業の資格には、建築にかかる工事費用の見積りに特化した建築積算士があります。

建築積算士は、公益社団法人日本建築積算協会が認定する民間資格です。

資格取得により、建築工事費用や工事部材などの数量算出業務の専門職を目指せます。

建築設備士

種別国家資格
合格率一次試験:25.7%~33.3%
二次試験:41.4%~53.4%
難易度一次試験:★★★★☆
二次試験:★★★☆☆
受検資格最終学歴以降2年~6年の実務経験建築系資格保有から2年の実務経験学歴・資格に関係なく9年の実務経験

建築設備士は、建築設計を統括する建築士に設備面で専門的な助言を提供する国家資格です。

建築現場では、建築設備の高度化や複雑化が課題となるため、建築設備に特化した専門職が必要とされています。

建築設備士の資格を取得した場合は、建築技術者の中でも高度な技術保有者として法律的に認定される立場となります。

建築設備士は、現代の環境やエネルギーなどの社会課題をふまえた専門的な設備技術が求められる資格です。

土木施工管理技士

種別国家資格
分類一級土木施工管理技士
二級土木施工管理技士
合格率【1級】
一次試験:44.4%~60.6%
二次試験:28.7%~41.2%
【2級】
一次試験:42.9%~65.1%
二次試験:35.3%~62.9%
難易度【1級】
一次試験:★★★☆☆
二次試験:★★★★☆
【2級】
一次試験:★★★☆☆
二次試験:★★★☆☆
受検資格一級第一次検定:19歳以上・実務経験不要一級第二次検定:二級第二次検定合格者で3年~5年の実務経験と一級第一次検定受験予定者二級第一次検定:17歳以上・実務経験不要二級第二次検定:二級第二次検定合格者で3年以上の実務経験または一級第一次検定合格者で1年以上の実務経験

土木施工管理技士は、土木工事専門の施工管理に必要な資格です。

施工管理の国家資格として1級と2級に分類されています。

土木施工管理技士の仕事は、道路や橋など生活インフラの公共工事が主体。

災害時の復旧工事などにおいても重要な役割を持っています。

造園施工管理技士

種別国家資格
分類一級造園施工管理技士
二級造園施工管理技士
合格率【1級】
一次試験:42.9%~65.1%
二次試験:35.3%~62.9%
【2級】
一次試験:35.2%~44.0%
二次試験:39.6%~46.0%
難易度【1級】
一次試験:★★★☆☆
二次試験:★★★☆☆
【2級】
一次試験:★★★☆☆
二次試験:★★★☆☆
受検資格一級第一次検定:19歳以上・実務経験不要
二級第一次検定:17歳以上・実務経験不要

造園施工管理技士は、公園や道路緑化など環境保護などにも貢献できる国家資格。

道路だけではなく壁面や広場など、地域の生活環境に植物を取り入れた施工管理を提供する技術者です。

CO2削減や地球温暖化などが注目されている現代において、地域の緑化計画に貢献できる造園施工管理技士は有望な資格といえるでしょう。

CADオペレーター

種別民間資格
分類建築CAD検定准1級
建築CAD検定2級
建築CAD検定准2級
建築CAD検定3級
建築CAD検定4級
合格率准1級:0.0%~37.7%
2級:50.4%~67.7%
3級:61.5%~78.9%
4級:85.2%~93.5%
難易度准1級:★★★★★
2級:★★★☆☆
3級:★★☆☆☆
4級:★☆☆☆☆
受検資格准1級~3級は規定なし
建築CAD検定4級:高校生(団体受験のみ)

現代の建設業における設計図は、CAD(Computer Aided Design:コンピュータ支援設計)ソフトで作成することがほとんどです。

CADオペレーターは、CADソフトを使って平面図や立体図などの設計図を作成します。

仕事内容は建設事務所や建材メーカーなどで、デザイナーや設計士からの指示により図面を作成したり編集したりすることです。

CADオペレーターは、資格がなくても独学や実績などでも通用します。

ただし、関連資格の「建築CAD検定試験」を取得することで。CADオペレーターとしての専門性を客観的に証明できるでしょう。

電気主任技術者(電験)

種別国家資格
分類第一種電気主任技術者
第二種電気主任技術者
第三種電気主任技術者
合格率第一種:29.9%~30.8%
第二種:28.9%~35.2%
難易度第一種:★★★★☆
第二種:★★★★☆
受検資格第一種一次試験:なし・認定高卒業者(所定単位修得)または第二種電気主任技術者合格者は実務経験と申請で取得可能
第一種二次試験:第一種一次試験合格者・認定高卒業者(所定単位修得)または第二種電気主任技術者合格者は実務経験と申請で取得可能
第二種一次試験:なし・認定高卒業者(所定単位修得)または第三種電気主任技術者合格者は実務経験と申請で取得可能
第二種二次試験:第二種一次試験合格者・認定高卒業者(所定単位修得)または第三種電気主任技術者合格者は実務経験と申請で取得可能
第三種:なし・認定高卒業者は実務経験と申請で取得可能

電気主任技術者(電験)は、ビルや工場、変電所、発電所などの事業場に対して電気事業法により選任が義務付けられている国家資格です。

電気工作物の工事や運用などに高度な技術を求められます。

電気主任技術者の資格は、3つの専門分野ごとに分類され、それぞれに受験が必要です。

  • 第一種:全事業用電気工作が対象
  • 第二種:17万ボルト未満の電圧を扱う事業用電気工作が対象
  • 第三種:5万ボルト未満の電圧を扱う事業用電気工作が対象

※第三種の資格対象は5,000キロワット以上の出力で稼働する発電所を除外

インテリアコーディネーター

種別民間資格
合格率23.5%~25.1%
難易度★★★★☆
受検資格なし

インテリアコーディネーターは、建物内部の家具や照明器具、装飾品などを含めたインテリアを組み合わせ・調整する仕事に役立つ民間資格です。

住宅や事務所などのあらゆる空間に適したインテリアを提案します。

インテリアコーディネーターは、住宅メーカーや工務店、カーテン専門店、照明器具専門店などのインテリア相談員として活躍できる仕事です。

120分間の一次試験と180分間の二次試験を経て合格を目指します。

合格後は、資格取得を公益社団法人インテリア産業協会により認定されます。

建設業の資格を選ぶポイント

建設業の資格を選ぶポイントは、次の通りです。

  • 扱う分野で選ぶ
  • 仕事内容で選ぶ
  • 資格の将来性で選ぶ

扱う分野で選ぶ

建設業は、扱う分野が29業種で構成されています。

そのため、まずは自身が携わりたい業種に絞り込むことが先決です。

  1. 建築一式工事
  2. 土木一式工事
  3. 大工工事
  4. 左官工事
  5. とび・土工・コンクリート工事
  6. 石工事
  7. 屋根工事
  8. 電気工事
  9. 管工事
  10. タイル・れんが・ブロック工事
  11. 鋼構造物工事
  12. 鉄筋工事
  13. 舗装工事
  14. ガラス工事
  15. 塗装工事
  16. 防水工事
  17. 内装仕上工事
  18. 機械器具設置工事
  19. 熱絶縁工事
  20. 電気通信工事
  21. 造園工事
  22. さく井工事
  23. 建具工事
  24. 水道施設工事
  25. 消防施設工事
  26. 清掃施設工事
  27. 解体工事

※引用:国土交通省「建設工事の内容、例示、区分の考え方(H29.11.10改正」

わかりやすく分けると、建設業は「建築」「土木」「電気工事」「管工事」「造園」の5区分となるため、自身の携わりたい分野に活かせる資格を選びましょう。

仕事内容で選ぶ

建設業の仕事には、建物や道路、広場などを施工前のイメージとして再現する仕事があります。

例えば、設計や施工管理、CADオペレーター、測量・積算など、建築の土台を担う仕事内容での選択が可能です。

これらの資格は、建設業の内勤業務を希望する方におすすめします。

資格の将来性で選ぶ

建設業の資格は、将来性で選ぶことも必要です。

現在、建設業には技術者の高齢化やICT活用による機械化など、さまざまな変化が訪れています。

資格選びでは、時代の変化をふまえることも重要です。

特に建築機械にできる単純作業は、今後減り続けることが予想されます。建築現場の作業員ではなく、管理者としての役割を担える資格を取得しましょう。

建設業の資格を取得するメリット

建設業を続けていく人にとって建設業の資格取得は、次のメリットを期待できます。

  • 仕事の幅が広がる
  • 昇給・昇進につながる
  • キャリアアップに活かせる

仕事の幅が広がる

建設業では、資格を保有していないと携われない業務が存在します。

例えば、緑化に特化した造園施工管理技士や電気工事専門の電気主任技術者、設計を手掛ける建築士などは資格がなければ携われません。

建設業の資格は、実務経験を積み重ねることで受験資格を得られるものが多いです。

自身の業務実績を活かし、最適な資格取得のプランを立てましょう。

昇給・昇進につながる

建設会社や住宅メーカーなど会社勤務の人が資格を取得した場合は、仕事の幅が広がるだけではなく、昇給や昇進にもつながります。

特に難易度の高い資格の保有者は希少性が高く、持っているだけで自身の市場価値を高めることが可能です。

キャリアアップに活かせる

建設業の資格を積極的に取得することは、最終的に自身のキャリアアップ形成となります。

資格取得は、仕事の幅を広げ、昇進や昇給につながります。

さらに、社内だけではなく建設業界においても注目されるキャリアとして活かせるでしょう。

建設業の資格取得に向けた勉強方法

建設業の資格取得に向けた勉強方法は、3つあります。

  • 独学する
  • スクールに通う
  • 通信講座を活用する

独学する

建設業の資格取得に向けた独学の学び方は、参考書や過去問で勉強する方法です。

その資格を学ぶための参考書や過去問などの書籍を使った勉強法は、低コストで取り組めます、

ただし、独学の場合は学習スケジュールを自身で組まなければなりません。

また、参考書に書かれている内容で理解できない点がある場合でも、自身で解決する必要があります。

独学は、誰にも質問できずに立ち止まってしまうなど、困難が多い勉強法です。

建築業では、難関資格が多いため、あまりおすすめできない方法になるでしょう。

スクールに通う

建設業の資格を取得する勉強法では、スクールに通うこともひとつの方法です。

スクールに通う強みは、講師の直接指導を受けられること。

また、スクールによってサポート体制が充実している点が勉強方法としておすすめできます。

ただし、スクールの受講料は高額になる可能性があり、スクール所在地まで通学しなくてはなりません。

働きながら学ぶ社会人にとっては、通いにくさが課題になるでしょう。

通信講座を活用する

建設業の資格取得を働きながら学ぶには、通信講座がおすすめです。

通信講座では、講義動画やテキストを活用しながら学習できます。

通信講座なので、都合の良い時間に学べる点が大きなメリットです。

通信講座は、自主学習がメインになる一方で、学習方針を定めてもらうこともできます。

また、わからないことも質問できるので、ひとりでも知識を身につけやすい勉強方法と考えられるでしょう。

通信講座は、独学とスクールの良いところを備えた、もっともおすすめの勉強方法です。

まとめ

今回は、建設業におすすめの資格として次の資格を紹介しました。

  • 設計を手掛ける「建築士」
  • 建築現場を統括できる「建築施工管理技士」
  • 工事費用や部材などを見積もれる「建築積算士」
  • 設備面に携われる「建築設備士」
  • 土木施工をまとめる「土木施工管理技士」
  • 緑化計画に貢献できる「造園施工管理技士」
  • 内勤で図面を作成できる「CADオペレーター」
  • 法的に電気工事を管理できる「電気主任技術者(電験)」
  • 建築物のデザインに携われる「インテリアコーディネーター」

建設業の資格は、取得により仕事の幅が広がります。

仕事の幅が広がればその分の資格手当や役職手当などが期待できる昇給や昇進にもつながるでしょう。

さらに、取得した資格を活かして更なるキャリアアップも目指せます。

つまり、建設業界の転職にも有利に働くというワークライフプランの形成にもなるでしょう。

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