IT営業は一般的な営業とは異なり、専門的なスキルが求められる職業です。

そのため、営業の成績アップやキャリアアップを目指し、資格取得を検討している方も多いでしょう。

本コラムでは、IT営業に活かせるおすすめの資格を紹介します。

資格取得のメリットも解説するため、資格を検討している方はぜひ参考にしてください。

資料請求でサンプル講義とサンプルテキストを「無料」でプレゼント

1講義30分前後でスキマ時間に学習できる

現役のプロ講師があなたをサポート

20日間無料で講義を体験!

IT営業とは?普通の営業との違いは?

IT営業とはIT製品やIT技術を提案し、顧客の課題解決をアシストする営業職のことです。

一般的な営業職とは異なり、モノや形のもたない「無形商材」を扱うケースが多い特徴があります。

主な仕事内容は、クライアント先の課題をヒアリングなどで深く理解し、ビジネス成功に向けて最適なITサービスを提供することです。

そのため、ITに関する専門的な知識はもちろん、高度なコミュニケーション能力や提案力が求められます。

各クライアントの課題解決をサポートする役割もあるため、論理的思考力や課題解決力も必要です。

【初級編】IT営業におすすめの資格3選

資格名特徴
ITパスポートITやビジネスに関する基礎知識を証明できる国家資格
基本情報技術者ITを活用する人材に必要な基礎的知識・技能を証明するITエンジニアの登竜門的資格
情報セキュリティスペシャリストサイバーセキュリティに関する専門的な知識・技能を証明できる国家資格

ITパスポート

ITパスポートは、2009年から導入されたITに関する基礎的な知識を証明する国家資格です。

国内では業界を問わずDX化が進んでおり、どのような職業でもITと経営全般に関する知識が必要不可欠となっています。

ITパスポートは、社会人やこれから社会人になる学生を対象とし、ビジネスで求められる必要最低限のITスキルを身につけられる試験です。

試験では、具体的に以下のような分野が問われます。

  • ストラテジ系(経営全般の知識、プロジェクトマネジメントなど)
  • テクノロジ系(ITの新しい技術・新しい技能の概要など)
  • マネジメント系(IT管理、ネットワークセキュリティなど)

出題形式は四肢択一式で合計100問、試験時間は120分です。

また合格率は例年約50%で、特に社会人の合格率が高い傾向があります。受験者の2人に1人が合格しているため、初学者でもしっかり対策すれば合格できるでしょう。

なお、ITパスポートで得られる知識は、IT商材を扱うIT営業職に必要な基礎知識です。

クラウドサービスやセキュリティソリューションなどを提案する際に、資格をもっていると知識の裏付けとなり、クライアントからの信頼度もアップします。

基本情報技術者

基本情報技術者は、ITを活用したサービス・製品・ソフトウェアを作る際に必要な基本的な知識・技能を証明できる資格です。

ITパスポートと同じ情報処理技術者試験のひとつであり、設計者や開発者を目指すITエンジニアの登竜門的資格といわれています。

試験で求められる技術水準は、IT全般に関する基本的な事項を理解し、業務に活用できるスキル、位者指導のもと、ソフトウェアを設計できるスキルなどです。

出題形式は四肢択一式で、試験時間は90分。

合格率は例年40〜50%で、約200時間の勉強で合格できるといわれています。

学習過程でプログラミングやコンピューターサイエンスを体系的に学ぶことができ、さらに論理的思考力を身につけられる資格です。

IT営業職の方が取ると、提案するIT商材を開発者目線から理解し、クライアントからの技術的な質問や相談にも応えられるようになります。

情報セキュリティスペシャリスト

情報セキュリティスペシャリスト(情報処理安全確保支援士)とは、サイバーセキュリティに関する専門的な知識・技能をもっていることを証明する国家資格です。

近年、IT化が進む中で、サイバー攻撃の増加や高度化により社会的脅威が急速に増大しています。

本資格は、各企業の重要課題となっているITセキュリティに対する知識や技能を身につけ、セキュリティへの責任を担える人材の育成を目的としています。

そのため試験では、情報システムおよび情報システム基盤の脅威分析に関する知識、セキュリティ対策に関する知識などが問われます。

合格するためには幅広い知識とスキルが必要で、実際の現場では専門スキルを活用してセキュリティ施策の指導や遂行ができる能力が求められるでしょう。

合格率は例年16〜19%と、初級編で紹介する資格の中でも低い値です。

難易度はやや高いですが、IT営業職の方が取得できるとITセキュリティに関する専門家としての活躍につながります。

【中上級編】IT営業におすすめの資格5選

資格名特徴
応用情報技術者ITエンジニアとしての応用的知識・技術を証明できる国家資格
ITストラテジスト事業の課題解決や最適化に役立つ高度なIT関連の専門知識を有していることを証明できる国家資格
システムアーキテクトシステム開発の上流工程に必要な知識・スキルが証明できる上級エンジニア向けの国家資格
ITサービスマネージャーITサービスを安定的に稼働するために必要なスキルを証明する国家資格
ITプランニングセールスIT技術を用いたソリューションセールス能力を備えていることを証明できるIT営業職唯一の資格

応用情報技術者

応用情報技術者は、ITを活用して製品などを作成するエンジニアに必要な知識・技能が応用的レベルを有していることを証明する資格です。

本資格は情報処理技術者試験のうち、ITパスポートや基本情報技術者などの基本レベルよりも上位の「高度試験(レベル3)」に分類されています。

さらに上位のレベル4への橋渡し的な役割をもっているため、資格取得できれば専門家一歩手前の現場スペシャリストとして活躍できます。

なお求められる技術水準は、ITを活用した戦略の立案に関するスキルやプロジェクトメンバーとして上位者指導のもと、予算・工程・品質の管理ができるスキルなどです。

ITエンジニア向けの資格であり、合格にはプログラミングの応用的な知識や技能が必要です。

試験は午前中に四肢択一式、午後に記述式の問題が出題される形式で行われます。

例年の合格率は20〜25%と難易度はやや高いですが、技術から管理・経営まで幅広い知識が身につくため、取得すれば営業の中心的存在として活躍できるでしょう。

ITストラテジスト

ITストラテジストの資格を取得できると、企業の課題の明確化や業務効率化、IT戦略の立案などを行う専門職に求められる高度なIT知識を得られます。

情報処理技術者試験のうち最も高度な知識が求められるレベル4に分類され、「高度情報処理技術者試験」に該当する試験です。

取得すると、経営戦略やITプロジェクトをリードする立場で活躍するなどのキャリアアップに期待できます。

試験では、テクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系などから、四肢択一式・記述式・論述式問題が出題されます。

IT関連の資格の中でもレベルが高く、合格率は例年約15%です。高度かつ幅広い知識を学ぶ必要があり、150〜200時間の勉強時間が必要といわれています。

難易度は高いですが、IT営業の方が取得すると経営層を相手に専門的な立場からの課題解決型営業をできるでしょう。

システムアーキテクト

システムアーキテクトとは、上級エンジニアに求められるシステム開発の上流工程(企画・要件定義・設計)での知識・スキルが証明できる資格です。

情報処理技術者試験のひとつであるシステムアーキテクト試験は、最も高いレベル4に属し、取得すると上級エンジニアとして認められます。

そのため、試験ではシステムアーキテクチャ・ネットワーク・ソフトウェア開発・プロジェクト管理など幅広い知識が求められます。

試験は午前Ⅰ・Ⅱ、午後Ⅰ・Ⅱの4つにわかれており、四肢択一式・記述式・論述式の問題が出題される難易度の高い内容です。

例年の合格率は約15%で、合格するためには約200時間の勉強時間が目安といわれています。

システムアーキテクトはシステムエンジニアとは担当業務が異なり、専門分野は開発プロジェクトの中の企画から設計までの上流工程です。

クライアントからの要望を聞きメンバーと話し合いながらプロジェクトを進めていくため、知識に加えて、実践力やコミュニケーションスキルも必要になります。

IT営業でも専門的な知識とコミュニケーションスキルを活かせば、技術的な提案力やクライアントからの信頼感アップにつながるでしょう。

ITサービスマネージャー

ITサービスマネージャーは、ITシステムやサービスの安定的稼働やトラブル解決に求められる知識・スキルを有することを証明する国家資格です。

ITシステムの開発・設計・運用に関する幅広い知識が求められる資格で、試験は情報処理技術者試験の中でも最も難しいレベル4に属します。

問われる内容は、安定した情報システム運用管理に関する知識や情報セキュリティに関する知識に加え、顧客に適したITサービスの導入に関する知識など幅広いです。

試験は午前Ⅰ・Ⅱ、午後Ⅰ・Ⅱの4つで、午前は四肢択一式、午後は記述式と論述式の問題が出題されます。

4つの試験すべてが合格基準点に達しないと不合格となるため、合格率は例年13〜15%と低い状況。合格に必要な勉強時間の目安は100〜150時間です。

社会人の方は2〜4か月をかけて勉強すると無理なく取得できるでしょう。

学習過程では、ITシステムの運用・保守に関する高度なエンジニア技術を身につけられるため、現場では品質の維持や障害発生時などに対応できる人材として活躍できます。

ITプランニングセールス

ITプランニングセールスは、ITを活用したソリューションセールス(提案型営業)能力があることを証明できる資格です。

資格を取得すると、ITの活用による経営課題解決策を提案する「企画提案型営業」の知識とスキルが身につき、顧客の成長を促す役割に従事できます。

一般社団法人日本経営管理協会 (JIMA)が主催する民間資格であり、IT営業のスキルを客観的に証明する唯一の資格です。

検定試験では知識試験とスキル試験が実施され、主に以下の分野から問題が出題されます。

  • ITPSの全体概要に関する知識
  • 市場把握力についての知識
  • 情報収集力についての知識
  • ヒアリング力についての知識
  • 課題解決力についての知識
  • 提案・企画力についての知識
  • プレゼンテーション力についての知識
  • 契約・フォロー活動についての知識

また、スキル試験は論述形式のため、提示される事例を分析し自分の意見を明確に述べる能力が求められます。

明確な合格率は公開されていませんが、IT系企業を目指す学生も受験対象者なため、他のIT資格と比べてあまり難易度は高くありません。

身につく知識やスキルはIT営業にすぐ活かせるものばかりで、営業職としてキャリアアップしたい方におすすめです。

【ビジネス編】IT営業におすすめの資格3選

IT関連の資格ではありませんが、身につくスキルが営業や就職・転職に活かせる資格を3つ紹介します。

資格名特徴
MOSWordやExcelなどのスキルが証明できる資格
セールススキル検定営業職に必要な知識やヒューマンスキルなどを客観的に測定する検定
TOEIC英語のコミュニケーション能力を測定する世界共通の標準テスト

MOS (マイクロソフトオフィススペシャリスト)

MOS (マイクロソフトオフィススペシャリスト)は、マイクロソフトがリリースするWordやExcelなどの利用スキルを客観的に証明できる資格です。

試験科目は、WordやExcelに加えて、PowerPoint・Access・Outlookの5つです。

また、レベルはスペシャリストレベル(一般)とエキスパートレベル(上級)があり、バージョンごとに区分がわかれています。

合格率は正式に公開されていませんが、一般レベルなら約80%、上級レベルなら約60%が目安といわれています。

ソフトを使った経験があれば、20〜40時間の勉強で合格を目指せるでしょう。

ほとんどの企業がマイクロソフト社製品を利用して業務を行っているため、MOSを取得すれば営業事務の作業時などに役立ちます。

また営業職の場合、PowerPointのエキスパートのスキルを活かせば、魅力的なプレゼンテーション資料を作成できるでしょう。

実用的な能力が身につく資格のため、転職する際にも有利に働きます。

セールススキル検定

セールススキル検定は、営業に必要な知識とスキルを測定し、スコア化してより正確に営業力を測定するための検定です。

検定で求められる能力は、「行動力」「顧客と仲良くなる力」「論理的なプレゼンテーション力」などが挙げられます。

社内からは見えづらい「顧客から好かれる人間的特性」「顧客が離れる人間的特性」なども測定できるため、営業人材のキャリア開発や人事考課などで検定が活用されています。

本検定には、1級・2級・3級があり、3級が基礎レベル、1級がセールスマネジャーとして十分なスキルと経験を備えていることが認められるレベルです。

問題は基本的に択一選択式、択多選択式となり、1級だけ記述入力式が出題されます。

また合格率は3級が60〜65%、2級が50〜60%、1級が約85%です。1・2級の2次試験は課題提出のため、各級の1次試験対策をしっかり行えば合格できる難易度でしょう。

すべての営業職を対象とした資格のため、IT営業職の業務でもスキルを活かせます。

TOEIC

TOEICは、英語のコミュニケーション能力をスコアで判定する世界共通の基準テストです。

テストでは、日常生活やオフィスシーンでよく使用される実践的な英語が多く、TOEIC対策で勉強すると、ビジネスでも使える英語が身につきます。

また、テストの結果は合否ではなくスコアで出るため、自分の英語力の把握や転職時のアピールに活用しやすいです。

スコアごとの評価が明示されているため、自分の実力と目標に合わせて目指すスコアを決めましょう。

TOEICは直接的にIT営業で活かされる場面は少ないのですが、顧客が外資系企業の場合は必要不可欠なスキルです。

高得点のスコアを取得しておくと、自主的に努力できる人材として評価されやすく、就職・転職活動で有利になる可能性も高くなります。

IT営業が資格を取得するメリット

IT営業が資格すると得られるメリットは、以下の3つが挙げられます。

  • 営業の説得力が向上する
  • 仕事の幅が広がる
  • 就職・転職活動に活きる

営業の説得力が向上する

IT営業に活かせる資格を取得すると、商品を提案する際の説得力向上につながります。

IT営業は多くの場合、無形商材であるIT製品・サービスを取り扱うため、クライアントに提案する際には製品や技術に関する専門知識が必要です。

資格があるとクライアントに対して客観的に専門性を証明できるため、信頼感や安心感をもたせて話を進めることが可能です。

また、学習過程で豊富かつ高度な専門知識が身につき、技術的な目線から論理的にIT関連商品やサービスの提案ができます。

資格は「スキルの証明書」のような役割を果たすことが多いですが、取得の過程で学んだ知識・スキルも営業活動に大いに活かせます。

仕事の幅が広がる

自分ができる仕事の幅が広がる点も、IT営業職が資格を取得するメリットのひとつです。

資格取得を目指すと学習過程で新たな知識を身につけることができ、新しい商材や専門性高い説明が必要な高度な商材などの営業に挑戦できます。

また、エンジニア向けの上位資格や情報セキュリティに関する資格などを取得すれば、営業以外の仕事まで幅を広げることも可能でしょう。

ただしIT系の資格は、それぞれ専門領域が異なります。

やみくもに取得してしまうとスキルを活かす機会がなかったり、自分がしたい仕事をできなかったりと、努力が無駄になってしまうかもしれません。

資格を選ぶ前には、「自分がこれからどんなキャリアを積んでいきたいのか」を明確にし、目的に合ったものを選ぶことが大切です。

就職・転職活動に活きる

IT営業に関連する資格を取得しておくと、就職・転職活動でのアピールポイントとして活用できます。

IT営業職に資格は必須ではありませんが、保有することで一定の専門性を採用担当者に証明可能です。

特に資格がいらない職業ほど資格保有者は少なく、ほかの応募者と差別化できるでしょう。

さらに自主的に学ぶ意欲の高い人材としてのアピールになることも期待できます。

まとめ

本コラムでは、IT営業に活かせるおすすめの資格を紹介しました。

分類資格名
初級編・ITパスポート
・基本情報技術者
・情報セキュリティスペシャリスト
中上級編・応用情報技術者
・ITストラテジスト
・システムアーキテクト
・ITサービスマネージャー
・ITプランニングセールス
ビジネス編・MOS
・セールススキル検定
・TOEIC

IT営業が資格を取得すると、信頼度がアップし営業の説得力向上につながります。

また、新しいスキルにより仕事の幅が広がり、就職・転職活動でのアピールになるでしょう。

営業職でキャリアアップしたい方や自分の強みや専門領域をもちたい方は、ぜひ資格取得にチャレンジしてみてください。

資料請求でサンプル講義とサンプルテキストを「無料」でプレゼント

1講義30分前後でスキマ時間に学習できる

現役のプロ講師があなたをサポート

20日間無料で講義を体験!