総務を目指すか検討している人の中には、資格が必要か気になっている方が多いでしょう。実際のところ、総務に資格は必須ではありません。

ただし資格取得は総務で実務経験を積み重ねながら、将来のキャリアアップや転職を有利に進めるうえで重要な役割を果たします。

本記事では、総務に役立つおすすめ資格を紹介します。業務範囲が多岐に渡る総務に役立つ資格を探している人は参考にしてください。

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総務は資格なしでなれる?

結論からいうと、総務は資格なしでなることが可能です。
「資格がないと雇用してもらえない」という職種ではありません。

総務は会社の運営を裏方としてサポートする立場になるため、自身のスキルより人間性などを評価されやすい傾向があります。

ただし資格があれば、転職やキャリアアップをしやすくなるのは事実です。客観的なスキルの証明になるため、自身のスキルや専門性の高さをアピールしやすくなります。

【10選】総務に役立つ資格一覧

総務に役立つ資格のおすすめは下記のとおりです。

資格名特徴
衛生管理者会社の労働環境や社員の健康などの事業場全般の衛生を管理する国家資格
社会保険労務士労働社会保険に関する手続きに携わる国家資格
中小企業診断士中小企業の経営課題を診断しコンサルティングする国家資格
マイナンバー実務検定マイナンバー制度と手続きに関する専門的な知識を認定する検定試験
キャリアコンサルタント労働者の職業選びやキャリア経営についてアドバイスする国家資格
ビジネス・キャリア検定ビジネス(生産管理・営業・人事など)に必要な実務能力を評価する検定試験
メンタルヘルス・マネジメント検定労働者の精神面の健康管理に必要な知識習得を評価する検定試験
MOSMicrosoft社のOffice製品を操作する能力を認定する国際資格
日商簿記検定会社の財務・経理など簿記の知識を評価する検定試験
人事総務検定人事や総務部署の実務能力を評価する検定試験

衛生管理者

受験料6,800円 (非課税)
合格率42.7~56.3%
勉強時間の目安60~100時間

衛生管理者は、会社の「縁の下の力持ち」である総務に適した資格。

総務が衛生管理者に適しているのは、職場の労働環境の安全管理や労働者の健康管理などに日常から携わっているところです。

例えば職場の感染症対策は、総務部が中心になって健康管理に努めます。

業務インフラ(パソコンやネットワーク機器など)が故障した場合は、外部業者に代替品を手配することもあるでしょう。

衛生管理者には第一種と第二種があり、建設業や製造業などの危険を伴う業務に携わる場合は、第一種衛生管理者の資格が必要です。

社員数50名以上が常時在籍する企業では、必ず衛生管理者を選任しなければなりません。

そのため、法的にも重用される資格といえます。

社会保険労務士

受験料15,000円(非課税)
合格率6.0~7.0%
勉強時間の目安500~1,000時間

社会保険労務士は、会社の労働社会保険の手続きに関する知識を認定する国家資格です。

社会保険は、会社が労働者の生活を守るために欠かせません。労働者の福祉や労働災害時の対応など、正しく処理をするうえで専門的な知識が求められます。

社会保険労務士は、労働者の権利である社会保険に関する法的な対応に取り組む専門家として会社から重用されるでしょう。

合格率は6~7%と低く、勉強時間も最大で1,000時間ほど必要となる難関資格ですが、挑戦する価値は十分にあります。

中小企業診断士

受験料一次:14,500円(非課税)
二次:17,800円(非課税)
合格率18.3~19.4%
勉強時間の目安1,000時間以上

中小企業診断士は、中小企業の経営コンサルタントに匹敵する知識が認められる国家資格です。中小企業が抱える経営課題に対し、状況診断や助言をできます。

試験は一次試験と二次試験に分かれていて、どちらもクリアしなければ合格となりません。二次試験の合格率は18.3〜19.4%と、難易度の高い国家資格といえます。

総務職は会社全体の経営状況を判断しやすい立場なため、中小企業診断士の資格取得を機に会社の経営状況を診断する立場に昇進できる可能性もあるでしょう。

マイナンバー実務検定

受験料1級:11,000円(税込)
2級:8,800円(税込)
3級:7,700円(税込)
合格率非公開
勉強時間の目安データなし
※テキスト260ページのインプットが必要

マイナンバーに関する実務は、デジタル化が進むにつれて年々増えています。今では総務に欠かせない実務のひとつなため、これから需要の高まる資格です。

マイナンバーを取り巻く制度や環境は日々変化を続けており、企業は適切な資格をもった「マイナンバーの専門家」を求めています。

そして会社の庶務を担当する総務職の場合、マイナンバーを扱う機会が考えられるでしょう。取得しておくことで有利になる資格です。

キャリアコンサルタント

受験料学科:8,900円(税込)
実技:29,900円(税込)
合格率学科試験:21.3~83.6%
実技試験:57.7~74.7%
勉強時間の目安250~300時間

キャリアコンサルタントは、企業で働く労働者のキャリア形成や悩み相談などを担当する能力を認定される国家資格です。

キャリアコンサルタントを名乗る場合は、資格取得に必要なキャリアコンサルタント試験に合格しなければなりません。

総務部は、人事関連の業務も兼ねている場合があります。キャリアコンサルタントの資格取得は、人事のスペシャリストとして評価されることにつながるでしょう。

総務職としてキャリアの幅を広げたい方におすすめの資格のひとつです。

ビジネス・キャリア検定

受験料1級:12,100円(税込)
2級:8,800円(税込)
3級:7,920円(税込)
BASIC級:4,950円(税込)
合格率13~70%
勉強時間の目安120時間程度

ビジネス・キャリア検定は、会社で取り組むビジネススキルを評価する民間資格です。

検定を実施する中央職業能力開発協会はビジネスに必要なスキルを下記の8テーマに分類し、個々のビジネススキルの強化を計っています。

  • 人事労務分野
  • 経理財務管理分野
  • 営業マーケティング分野
  • 生産管理分野
  • 法務総務分野
  • ロジスティクス分野
  • 経営情報システム分野
  • 経営戦略分野

1級の場合、実務経験10年以上のキャリアが必要となるなど、総務で積み上げた実務経験を客観的にアピールしたい方におすすめです。

メンタルヘルス・マネジメント検定

受験料一種:11,550円(税込)
二種:7,480円(税込)
三種:5,280円(税込)
合格率10.8~21.3%
勉強時間の目安30~120時間

メンタルヘルス・マネジメント検定は、大阪商工会議所が実施する民間資格です。全国15か所の主要都市で年2回ほど試験が開催されています。

一種のマスターコースや二種のラインケア(上司による部下のケア)コース、三種のセルフケア(自己管理)コースと分類されており、全コースの同日受験も可能。

総務職は、労働者の健康管理も仕事のひとつとなっています。そのため資格を取得すれば、メンタルヘルスの知識を備えている専門性を評価されるでしょう。

MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)

受験料10,780円~12,980円(税込)
合格率60~80%
勉強時間の目安20~80時間

MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)は、Microsoft社のOffice製品(Word、Excel、PowerPoint)の操作スキルを評価する検定試験です。

評価レベルは「スペシャリスト」と上位階級の「エキスパート」の2つがあります。

MOSの難易度は60%〜80%と、あまり高くはありません。回答もマークシート形式なので取り組みやすい検定試験です。

総務部では、労務管理や顧客管理、備品・在庫管理などをExcelでまとめる場面があります。社内伝達・外部業者への通知の作成時は、Wordを使うこともあるでしょう。

MOSはOffice製品の操作スキルを客観的にアピールするうえで、取得しておいて損のない資格です。

日商簿記検定

受験料1級:7,850円(税込)
2級:4,720円(税込)
3級:2,850円(税込)
初級:2,200円(税込)
合格率1級:10.1~16.8%
2級:11.9~36.9%
3級:29.5~40.7%
初級:59.9~94.5%
勉強時間の目安50~600時間

日商簿記検定は、初級から1級まで4段階の知識レベルで分類された日本商工会議所や各地域の商工会議所が実施する検定試験です。

一般的に、日商簿記の初級や3級は簿記の入門的な基本知識を、2級や1級になると企業の経理・会計知識の専門性が認められるレベルと言われています。

企業によっては総務部が経理事務を担当したり、経営に関わったりする場合もあります。

日商簿記の試験勉強では会社の財務諸表を読み解くスキルが身につくため、総務職だけではなく転職する際に評価されるスキルとしても有効です。

人事総務検定

受験料1級:11,000円(税込)
2級:7,640円(税込)
3級:5,090円(税込)
合格率非公開
勉強時間の目安5~15時間

人事総務検定は、総務部で働く人のスキルを客観的に評価できる資格です。

1級~3級まで階級があり、転職活動の際にスキルをアピールすることが可能。すでに総務部で働いている人も、自身の能力を証明するうえで有効です。

合格率は非公開ですが、勉強時間が1級で15時間ほどとなっているため、比較的難易度の低い試験といえるでしょう。

総務が資格を取得するメリット

総務の資格取得には、下記のようなメリットがあります。

  • スキルアップできる
  • 転職で有利にはたらく
  • 手当をもらえる場合がある

スキルアップできる

総務が資格取得に向けて日々学ぶことは、総務の現場業務でも役立ちます。

例えばマイナンバー実務検定を取得した場合、マイナンバーの処理や管理をスピーディにできるようになり、会社の業務効率化に貢献することが可能です。

仕事を評価されて、結果的にキャリアアップにつながる可能性もあります。

転職で有利にはたらく

総務に従事している人が資格をもっている場合は、転職活動で有利にはたらきます。

総務は客観的にスキルを評価されにくい職種なため、書類選考や面接でうまくアピールできず不採用となる可能性は否めません。

しかし転職活動で資格をアピールできれば、客観的な評価を期待することが可能に。転職希望先の企業に、自身の専門性をアピールできるでしょう。

手当をもらえる場合がある

企業によっては、総務に関する資格取得者に手当を支給している場合があります。

直接的に収入アップにつなげられるため。どの資格を取得するか決断する前に資格手当の有無を社内規則でチェックしましょう。

総務に役立つ資格は独学できる?

総務に役立つ資格を独学で学ぶことは可能ですが、あまりおすすめはできません。

総務向けの資格には簡単なものもありますが、中には社会保険労務士や中小企業診断士のような合格率10%未満の難関資格も含まれます。

わからないことを誰にも質問できず、自身でモチベーション管理をしなくてはならない独学の環境では、途中で挫折する可能性が高いでしょう。

効率化するなら通信講座がおすすめ!

効率的に資格合格を目指したい方には通信講座がおすすめです。

通信講座には、合格に向けて最適なカリキュラムが用意されています。わからないことを質問できるため、知識定着に集中することが可能です。

アガルートでは衛生管理者や中小企業診断士の講座が用意されているため、興味のある方はチェックしてみてください。

まとめ

本記事では、総務におすすめの資格一覧を紹介してきました。

  • 衛生管理者
  • 社会保険労務士
  • 中小企業診断士
  • マイナンバー実務検定
  • キャリアコンサルタント
  • ビジネス・キャリア検定
  • メンタルヘルス・マネジメント検定
  • MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
  • 日商簿記検定
  • 人事総務検定

総務の仕事には、資格は必須ではありません。ただし、資格があれば実務能力を客観的にアピールしやすくなります。

転職やキャリアアップや大きな力になるため、積極的に取得するのがおすすめです。

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