測量費用の相場はどれくらい?確定測量やその他の測量の費用の違いを土地家屋調査士が解説
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自分や親が土地を持っていて、価値をある程度知っていても、その土地を測量すると費用はいくらかかるかまではわかりませんよね。
しかし、いずれ測量が必要な時期は来ます。すぐに来るかもしれません。
「測量が急に必要になったけど、いったいいくら費用がかかるの?」
「土地を売るには測量が必要と言われたけれど、費用はどのくらい?」
こんなときに困らないように、測量の相場や目安をまとめてみました。
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測量費用の相場は?現況測量と確定測量の費用の違い
一般的な住宅用地の場合、現況測量なら約10~20万円です。
土地の売却時に必要な確定測量なら約40~50万円、道路など役所の立会いが必要ならばプラス10~30万円必要です。登記など、ほかにも必要なことがあればさらに上乗せされます。
これでは何のことかわかりませんよね。もう少しくわしく説明しましょう。
「測量」とは機械で現地を測ることが測量かな?と思う方が多いようです。
現地で測ることはもちろん重要ですが、それは測量のなかの一部です。
測量は、現地を測ることのほかにさまざまな作業が行われます。
現地を測るイメージだけで金額を見ると驚くでしょう。
ですが、金額だけでなく理由や内訳、必要性まで知っておくと、納得し安心できますよね。
測量費用の相場は、条件によって大きく異なります。
- どの程度まで測量が必要か
- その土地の特徴(大きさ、地域、隣地など)
1は具体的に言うと、現況測量・境界測量・確定測量のどれを適応するかということになります。
それぞれの違いを見ていきましょう。
現況測量・境界測量・確定測量の違いとは
測量は、必要に応じて3種類に分けられます。
(1)現況測量:その土地の状況をありのままに測量すること
(2)境界測量:境界を調査・測量して、境界の位置を特定すること
(3)確定測量:隣地の所有者に立会いと同意をいただき、境界を確定させること
費用の差は、(1)現況測量 <(2)境界測量 <(3)確定測量 の順です。
なぜなら、(2)境界測量を行うときは(1)現況測量も、(3)確定測量を行うときは(1)現況測量と(2)境界測量も行うからです。
土地の状況だけ測る場合は(1)現況測量です。
建物新築や外構工事の時に、設計のため形状や間口などを測量します。
新築の時は「現況測量図」として図面が建築確認申請に必要です。
(2)境界測量までの例は、あまり多くないでしょう。
まわりも全部自分の土地ならよいのですが、ほとんどは隣地の所有者は自分以外ですので、境界を確定させる(3)確定測量まで必要です。
土地の売却時などに必要な確定測量は、一般的な住宅用地なら約40~50万円です。
土地が市区町村の道路や水路などに接していると、約50~60万円です。
国道などに接していると、約60~80万円です。
そのほかにも、その土地の条件によって費用が増えることもあります。
まれに100万円を超えることも。
納得と安心が欲しいのは、土地を買う側も一緒です。
売り手と買い手がお互いに納得すれば、取引はスムーズに進みます。
納得するためには、「確定測量」が必要です。
(1)土地の面積が確定している
(2)境界標が確定している
(3)すべての隣接地の同意が確定している
買い手が望むこの3つをすべて確定させるのが「確定測量」です。
確定測量は、売り手が済ませておく必要があります。
確定測量を済ませておけば、売れやすい土地となります。
売却にかかる費用として、測量費用も考慮しておくとよいでしょう。
測量費用の相場や目安にばらつきがある理由
「相場や目安に幅があるのはなぜ?」
「ケースによってそんなに費用が違うの?」
そう思われる方もいると思います。
土地によって事情が違うので、単一価格にはできないのです。
事情によって必要な作業が増えるほど、費用が高くなります。
違いが出る例をならべてみました。
土地の面積
面積に多少の差があっても、50坪~100坪以下であれば現地測量費には大きく反映はしません。
ただし100坪以上など、土地の面積が大きく増えると現地測量費が増えます。
なぜなら面積が大きいとそれだけ隣地の所有者の数や種類などが増えるので、費用が高くなりがちになるからです。
土地の形状
四角くで見通しのよい土地と、入り組んでいて見通しのわるい土地とでは、費用に差がでます。
土地が入り組んでいると現地測量、隣地の所有者の数、境界点などが増えるので、費用が高くなります。
隣地の所有者の数や種類
隣地の所有者の数が増えれば作業や労力も増えるので、費用が高くなります。
隣地の所有者は個人ばかりではなく、会社、団体、役所などのときもあります。
それぞれに違った対応が必要なので、費用も高くなります。
地域性
例えばA市では、その土地が面している道路の境界確認を申請すると、A市役所が測量業者に道路の測量を委託し、費用もA市役所が負担してくれます。
一方B区では、道路の測量も申請者側が負担しなければなりません。
隣地の所有者が数名の共有となっている共有地の立会いと境界の同意は、C市では共有地の代表者から立会証明書に署名捺印をいただければ済みます。
一方D区では共有者全員から境界確認書に署名捺印をいただく場合があります。
要は、地域によって必要なことが大きく違うので、そのぶん費用にも大きく差が出ます。
その他
これらの他にも費用に差が出ることはたくさんあります。
まずは土地家屋調査士や測量士、不動産会社などに相談してみてはいかがでしょうか。
測量費用の内訳と流れ
測量の専門家は、土地家屋調査士や測量士です。
しかし、測量士は道路や河川などの公共測量が業務なので、一般人が所有する土地を測量できるのは土地家屋調査士だけです。
専門家ですから、公平で正確な測量をしてもらうことができます。
測量は、土地家屋調査士事務所に依頼しましょう。
ここでは、土地家屋調査士事務所が一般的な住宅用地を確定測量する例として、測量費用の内訳と流れ以下の順でみていきます。
- 土地家屋調査士に相談・見積もり・依頼
- 資料調査
- 事前現地調査
- 現況測量
- 境界測量
- 境界立会い
- 確定測量
1.土地家屋調査士に相談・見積もり・依頼
相談料が無料の事務所もあれば、1時間あたり3,000円~4,000円の相談料がかかる事務所もあります。
最初の時点で聞いておきましょう。
2.資料調査
法務局や役所から多くの種類と枚数の資料を閲覧・取得します。
調査費は3万円~に加え、資料の実費がかかります。
調査期間は数日から一週間程度です。隣接地の所有者に引っ越し、不明、相続などがあれば、その調査に1~数ヶ月以上かかり、費用が増えることもあります。
3.事前現地調査
測量をする前に、現地の状況を把握します。土地の大きさ、形状、境界標、隣地、接道、障害物、構造物などをチェックします。調査費は3万円~、調査期間は通常だと1日です。
事前調査の結果によっては、さらに資料収集して役所での確認作業、再度現地調査となることもあります。
4.現況測量
公図などの資料をもとに現地を測量します。土地の大きさや形、構造物や障害物によりますが、通常の費用は10万円~で、期間は早ければ1日で終わります。
接している道路の種類や地域性により、広い範囲の道路測量や道路を挟んだ先の土地まで測量が必要なこともあり、費用も時間もかかる場合があります。
5.境界測量
現況測量の結果と調査資料を照らし合わせて、境界点を推定します。
境界標が残っていて調査した境界点と合っていれば境界とし、境界標が不明もしくはズレている場合は仮境界杭を設置します。
費用は4万円~、期間は照合と杭設置で3日~1週間程度です。
6.境界立会い
依頼主・隣地の所有者・土地家屋調査士が同時に境界を確認します。境界の位置に同意を得られたら、立会確認書に署名捺印をいただきます。
費用は民間地なら1点1隣接者あたり1万円~、公用地なら1点1ヶ所あたり2万円~。
期間は全隣接者が同時に立会っていただければ1日ですが、それぞれの都合により何日かに分かれることもあります。
役所は立会ったらさらに役所に持ち帰り協議確認するので、その結果が数か月後になることもあります。
7.確定測量
すべての隣接地から同意を得られたら、仮杭を永久杭に打ちかえ、または既存の境界標が正しい位置に有ればそのまま境界点とし、確定測量を行います。
この境界点は座標値化し、座標から面積計算を行い、詳細な図面を作成します。
費用は図面作製も含めて5万円~、境界復元1点1万円~です。期間は1週間程度です。
このほかに役所との協議や申請、確認書の費用も加わることもあります。
これらをトータルすると、前に述べた測量費用の相場や目安となります。
期間は最短で1ヶ月、役所や隣接地所有者の状況によっては数ヶ月かそれ以上かかります。
細かいところも書きましたが、何となくわかっていただければ大丈夫です。
このようにプロがしっかりと調査測量・境界確定してあるならば、買い主も安心です。
測量費用は少なくない額ですが、確定測量をしておけば売却価格が上がる可能性が増します。
出来るうちに早めに測量をしておくことをオススメします。
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