測量士補試験は受験者数が1万人を超える人気の資格。

測量に興味がある人、測量の仕事に携わっている人、ステップアップの足がかりとしてメリットが多いため、受験する人が多いです。

さらに土地家屋調査士を目指そうと人にとっては大きなメリットがあります。

それは試験の午前免除が受けれることです。

ここでは、取得のメリットを含め、測量士補とは?そもそも測量とはどんな仕事内容?何ができる?正式名称や読み方は?といったことを紹介していきます。

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測量士補とは?どんな資格?

測量とは?

測量とは、(あくまで簡易的に言うと)器具を用いて距離や角度を測定し、地表上のポイントを求め、ある部分の形状や面積を図示することです。

建築・土木工事など街中で三脚の上に何か器械を置いて作業着を着た人が覗き込んでいる姿を見たことがありませんか?

一部ですが、それが測量の仕事です。

測量士補とは?正式名称や読み方は?

測量士補とは、測量の仕事を行っていく上で求められる国家資格

これは略称ではなく、まさに”測量士補”が正式名称です。読み方は「そくりょうしほ」です。

名称に補と付く通り、測量士補の上位資格に測量士があります。

測量士が作製した計画に従って、測量業務を実施し、その補佐を測量士補が担っています。

測量士補試験とは

受験資格年令、性別、学歴、実務経験等に関係なく受験できます。
試験時間3時間(午後1時30分から午後4時30分まで)
試験科目(1)測量に関する法規(2)多角測量(3)汎地球測位システム測量(4)水準測量(5)地形測量(6)写真測量(7)地図編集(8)応用測量の8科目

配点と合格基準は、択一式の28問(1問25点)の700点満点で、450点以上で合格です。

つまり、28問中18問(約6割)の正解で合格となります。 

測量士補試験のスケジュール

  • 例年1月が受験申し込み受付期間
  • 例年5月中旬(日曜日)に測量士補試験
  • 例年7月上旬に合格発表

関連コラム:測量士補の試験日や試験内容など解説     

測量士と測量士補の違いは?

測量の国家資格には測量士と測量士補がありますが、測量法では、以下のように仕事内容が区分けされています。

測量士:測量に関する計画を作製し、又は実施する。
測量士補:測量士の作製した計画に従い測量に従事する。

測量士が作成した計画を基に仕事を進め、測量士補と協力し合いながら、土地の形状、距離、面積を測って土木・建築工事の土台となるデータを作成します。

現場に出て測量をし、事務所に戻ってパソコンでデータを処理するといった流れです。

測量士補の将来性は?

そもそも、なぜ測量が必要なのでしょうか?

皆さんの周りの橋・道路・鉄道・トンネルなどが社会の基盤となる公共インフラの礎となっているからです。

測量データを基に、建設工事の計画・設計・施工が行われます。

測量からすべてが始まります。これらは公共事業のため、業界の安定感が期待できます。

また、カーナビ、インターネットが提供している地図、スマホアプリなど工事以外の場面でも測量データが求められる場面が増えています。

測量士補の仕事内容・何ができるかについて

外業

屋外の現場で実際に器械を使って測量する作業です。

測量機器として距離と角度を同時に測定できるトータルステーションが有名です。

三脚に機器を据えて、土地の高さ、距離、面積に加え、周辺地形や道路との位置関係を測量します。

また、GPS技術の進化により作業の効率化は飛躍的に進歩しています。

近年では、ドローンの活用により作業効率だけでなく、人が入っていけないような場所でも測量することが可能になってきています。

内業

屋外で行う外業に対して、事務所でのデスクワークなどの作業が内業と呼ばれています。

内容としては外業にあたっての準備として、機材の調達であったり、測量の計画を行ったり、外業後の処理作業としてパソコンの測量ソフトを用いて測量図を作成したり、測量データの解析を行ったりします。

測量士補の合格率・難易度

測量士補の直近5年の合格率は以下となります。

年度受験者数合格者数合格率
令和6年13,633人4,276人31.4%
令和5年13,480人4,342人32.2%
令和4年12,556人5,540人44.1%
令和3年12,905人4,490人34.8%
令和2年10,361人3,138人30.3%
令和元年13,764人4,924人35.8%

測量士補の難易度は、関連した測量士や土地家屋調査士と比べると高くないといえるでしょう。

理由としては、平均の合格率は約30%以上あり、過去問を使って十分に勉強することで合格を狙うことができます。

測量士補の試験概要

測量士補の試験情報は以下となります。

受験申込受付期間例年1月中
受験手数料2,850円
受験地北海道、宮城県、秋田県、東京都、新潟県、富山県、愛知県、
大阪府、島根県、広島県、香川県、福岡県、鹿児島県、沖縄県
試験日例年5月中旬の日曜日
試験時間午後1時30分~午後4時30分
合格発表日例年7月上旬
受験資格受験資格はなく誰でも受験することができる国家資格となります。

測量士補と関連のある職種

最後に測量士補と関連のある職種について紹介します。

土地家屋調査士

土地家屋調査士は不動産の表示に関する登記をする専門家です。

土地家屋調査士試験には午前と午後の部があり、測量士補の資格を所持していると午前免除を受けることができます。

測量士は公共工事、土地家屋調査士は不動産登記と測量の目的の違いはありますが、業務をおこなっていく上で測量の知識は両方に活きてきます。

建築士

建築士は建築物の設計・工事管理をおこなう資格です。

計画・設計に入る前には土地の測量が入ります。

建築士の資格を持っていたら、敷地の測量・設計・工事管理を一貫しておこなうことができます。

施工管理技士

施工管理技士は土木・建築工事において工事管理・安全管理など工事全体に関する管理業務をおこないます。

測量は工事現場の基礎となる部分で、施工管理は現場全体を管理する業務のため、両方の資格を活かすことができます。

行政書士

行政書士は官公庁に提出する申請書や権利関係に関する書類を作成したり、それを提出する手続きをおこなう資格です。

業務の中で、開発許可申請など図面を作成しないといけないものがあります。

測量士などが作成した図面を添付しますので、一貫して仕事ができるようになります。

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この記事の監修者 中山 祐介 講師

中山 祐介 講師

独学で土地家屋調査士試験全国総合1位合格の同試験を知り尽くした講師。

「すべての受験生は独学である」の考えのもと、講義外での学習の効率を上げ、サポートするための指導をモットーに、高度な知識だけでなく、自身の代名詞でもある複素数による測量計算([中山式]複素数計算)など、最新テクニックもカバーする講義が特徴。日々、学問と指導の研鑽を積む。

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