土地家屋調査士は、土地や家屋などの不動産に関する調査および測量を行う専門家です。

業務の内容から「副業として土地家屋調査士は向いているのか」など、副業について気になっている方は多いかもしれません。

本コラムでは、副業に興味がある方向けに「土地家屋調査士は副業にできるのか」について詳しく解説します。

副業にするための条件にも触れるため、土地家屋調査士の働き方について気になる方はぜひ最後までご覧ください。

土地家屋調査士は副業にできるのか？

土地家屋調査士を副業にすることは可能です。

土地家屋調査士は特に兼業が禁止されていないため、ほかの本業にプラスして土地家屋調査士の仕事ができます。

ただし、土地家屋調査士は、役所などでの手続きや取引先との連絡を取る機会が多いため、平日の昼間に稼働が多い仕事です。

土地家屋調査士として働く場合には、平日に業務を行うことができる柔軟な体制が必要になるでしょう。

以上を踏まえて、土地家屋調査士の副業ができる状況についてパターン別に2つ紹介します。

• 会社勤めをしながら副業を行う場合
• 本業をほかの士業にして副業を行う場合

会社勤めをしながら副業を行う場合

土日休みで平日働く一般的な会社員の場合、時間的要因により土地家屋調査士を副業にすることはたいへん難しいでしょう。

土地家屋調査士の主な業務である測量は、天候や立会人との日程調整が難しいなどの理由でスケジュール通りにいかないことが多いです。

平日8時間勤務を行う会社員をしながら、土地家屋調査士の副業ができる人はかなり絞られるでしょう。

しかし、一定の条件下であれば、会社員と土地家屋調査士を兼業することは可能です。

例えば、フレックス制度が整っている会社で、平日でも柔軟に勤務時間を変えられる場合であれば、副業ができる可能性はあります。

本業がほかの士業にして副業を行う場合

本業が司法書士や行政書士などの士業の場合、土地家屋調査士と相性が良いため副業がしやすいでしょう。

司法書士は、登記を中心とした書類作成や申請などが主な業務です。

司法書士と土地家屋調査士を兼業すれば、不動産に関する登記などをワンストップで代理できるメリットがあるでしょう。

また、行政書士は、官公庁に提出する書類の作成や代理申請が主な仕事です。

行政書士との兼業であれば、開発許可の代理申請や遺産分割協議書の作成なども行うことができ、土地家屋調査士が関わる分野との親和性があります。

本業の士業と副業である土地家屋調査士をうまく区別しながら仕事をしていけば、理想的な環境が実現できるでしょう。

ただし、士業と土地家屋調査士を兼業するためには、時間の管理や法的な規制の理解が必要になります。

土地家屋調査士を副業にするための4つの条件

土地家屋調査士を副業にするためには、以下の4つの条件を満たさなければなりません。

• 平日の昼間に電話に出られる環境がある
• 役所や法務局の開庁時間に対応できる
• 測量のために柔軟にスケジュール調整ができる
• 初期費用と毎月かかる経費を払える

それぞれ詳しく解説します。

平日の昼間に電話に出られる環境がある

副業として土地家屋調査士の仕事を行うためには、平日の昼間に電話に出られる環境が必要です。

土地家屋調査士は、登記に関する業務のほかに、不動産の現場に行って調査や測量も行います。

関連業者やクライアントなどとやり取りする機会も多く、測量日の日程調整なども行うため、平日の昼間に電話対応を行う場面が多いです。

また、登記の申請に関連して役所から電話が来ることも頻繁にあるでしょう。

土地家屋調査士の仕事をスムーズに行うためには、平日の昼間に電話対応ができる環境は大前提の条件になります。

役所や法務局の開庁時間に対応できる

土地家屋調査士として副業を行う際には、役所や法務局の開庁時間内に対応できなければなりません。

土地の測量を行う役所の資料調査や土地・建物の登記を行う法務局の資料調査に関しては、インターネットで完結できることが多いです。

インターネットでわからない点に関しては、電話での問い合わせに応じてくれることがほとんどになります。

また、登記の申請もオンラインや郵送で完結可能です。

ただし、インターネットで入手できない書類や公共用地と境界の調査などの申請を行う場合、役所や法務局に直接行って手続きを行わなければなりません。

頻度は低いですが、窓口までいかなければならない事案が発生するため、土地家屋調査士として働くためには開庁時間に行ける体制が必要です。

役所や法務局の開庁時間は、基本的に平日の8:30〜17:00になります。

しかし、開庁時間は各役所や法務局により時間が異なるため、注意が必要です。

測量のために柔軟にスケジュール調整ができる

土地家屋調査士として仕事を行うためには、測量のために柔軟なスケジュール調整ができることが条件になります。

現場での測量は天候に左右されることも多く、急に日程が変更になるケースも多いです。

また、境界を定める際にはクライアントや隣地の方の立会いが必要になります。

そのため、立会人の都合に合わせなければならず、相手の都合で日程が何度も変わることもあるでしょう。

副業として土地家屋調査士を選択する場合には、柔軟にスケジュールの調整ができることが重要になります。

初期費用と毎月かかる経費を払える

土地家屋調査士の副業を行うためには、初期費用と毎月かかる経費を払える経済力が必要になります。

土地家屋調査士の仕事を始める際には、以下のような機器・機材などを用意しなければなりません。

• 図面を描くためのCAD
• トータルステーション
• プリンター複合機
• 作業用具（ミラー、ダブルスコップ、ピンボールなど）
• 現場用の車両

さらに、土地家屋調査士会の入会金や毎月支払う会費もかかります。

土地家屋調査士の事務所を設ける場合は、事務所の賃料などもかかるでしょう。

なお、土地家屋調査士として独立するための初期費用の目安は、300万〜400万といわれています。

加えて、毎月の諸経費を支払う必要があるため、副業でも継続して仕事を行う必要があります。

かかったコストより稼げるかどうかをしっかり見極めてから、副業を始めることが大切です。

土地家屋調査士の単発バイトもあり

「副業として土地家屋調査士の仕事は難しい」と感じた方は、単発バイトがおすすめです。

土地家屋調査士の仕事には単発でできるアルバイトがあり、「副業で少しだけ稼げれば良い」という方にピッタリな内容になっています。

単発バイトの場合、日当約10,000円もしくは時給約1500円での募集が多いです。

また、「週1日からOK」の条件で募集してる求人もあるため、会社員の方でも本業と両立できます。

単発のアルバイトに興味がある方は、「土地家屋調査士　アルバイト」などのキーワードで検索し、求人サイトなどを見てみると良いでしょう。

また、地域の土地家屋調査士会が日当でアルバイト募集をしていることもあるため、気になる方はぜひ自分が住む地域の土地家屋調査士会について調べてみてください。

まとめ

本コラムでは、土地家屋調査士は副業にできるのかについて解説しました。

以下、コラムのまとめを紹介します。

• 土地家屋調査士を副業にすることは可能
• 平日の昼間に業務を行うことが多いため、会社勤めをしながら土地家屋調査士の副業を行うことは難しい
• 司法書士や行政書士などと相性が良いため、本業の士業をしながら土地家屋調査士の副業を行うことは可能
• 土地家屋調査士を副業にするためには、平日昼間に電話対応ができる・役所や法務局の開庁時間に対応ができる・柔軟にスケジュール調整ができる・初期費用と毎月の諸経費が払えるの4つの条件を満たさなければならない
• 土地家屋調査士の副業が難しい場合には、単発のアルバイトがおすすめ

一定の条件を満たせば、土地家屋調査士の仕事と本業を両立することが可能です。

土地家屋調査士を取得して、できる仕事の幅や副業のチャンスを広げましょう。

土地家屋調査士に興味がある方、短期間で資格を取得したい方は、通信教育での学習がおすすめです。

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