土地家屋調査士の登録について!流れや方法、登録費用など解説
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晴れて試験に合格した後も、土地家屋調査士として働くには知っておきたいポイントが多々あります。
本記事では土地家屋調査士として働くために必要な登録作業や、試験合格後の大まかな流れなどを解説しています。
試験合格後の手続きについて、詳しく知っておきたい方はぜひ参考にしてください。
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土地家屋調査士として働くには試験合格後に登録が必要
土地家屋調査士法8条には、以下の内容が記載されています。
第八条 調査士となる資格を有する者が調査士となるには、日本土地家屋調査士会連合会(以下「調査士会連合会」という。)に備える土地家屋調査士名簿に、氏名、生年月日、事務所の所在地、所属する土地家屋調査士会その他法務省令で定める事項の登録を受けなければならない。
つまり、土地家屋調査士になるためには登録が必要です。
そして、上記の条文の「調査士となる資格を有する者」については、同法第4条1項2項に以下の通り記載されています。
第四条 次の各号のいずれかに該当する者は、調査士となる資格を有する。
一 土地家屋調査士試験に合格した者
二 法務局又は地方法務局において不動産の表示に関する登記の事務に従事した期間が通算して十年以上になる者であつて、法務大臣が前条第一項第一号から第六号までに規定する業務を行うのに必要な知識及び技能を有すると認めたもの
つまり、土地家屋調査士試験に合格した段階では、あくまで「調査士となる資格を有する者」になっただけであるということです。
その後「登録」を受けなければ正式に「土地家屋調査士」となることはできません。
基本的に、調査士試験を受験する人は調査士「になる」ことを目標の一つとしているかと思います。そうした人にとっては、調査士としての「登録」が必須なのです。
土地家屋調査士試験合格後の大まかな流れ
ここでは、土地家屋調査士試験の合格(発表日)から、正式に土地家屋調査士になるまでの大まかな日程を見ていきましょう。
なお、以下の日程はあくまで例年の傾向であり、正式な情報については公式サイトなどで確認してください。
2月 最終合格発表
土地家屋調査士試験の最終合格発表は、例年2月に行われます。
試験に合格していた場合、予備校を活用していたのならば、合格特典を得られることもあります。
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また、各予備校で合格祝賀会が開催される場合もあります。同じ合格者など、今後の良いコネクションにもなり得る人たちと交流できる機会にもなるため、積極的に参加してみても良いでしょう。
2月~3月 合格証交付式
土地家屋調査士の合格証は、郵送などではなく合格証交付式にて交付されます。
合格証を受け取るには、交付式への参加が原則とされています。ただし、法務局での受け取りといった代替措置もあり、申し出をすれば他の法務局での受け取りも可能です。
例えば、千葉県民の中でも市川市・松戸市民などはより近い東京法務局を選ぶ人が多いという話もあります。
なお、合格証交付式は最終合格者の発表から10日後程度で開催されているそうです。
式は約30分で終わり、その後に調査士会の先輩などから業務内容やアドバイスを聞ける場合もあるとのこと。
なので、今後調査士として実務をする際に重要になり得るコネクションづくりのためにも、基本的には参加した方が良いでしょう。
3月〜 地域の土地家屋調査士会に入会・登録する
前述の通り、調査士として働き始めるには土地家屋調査士会への登録が必須です。
「土地家屋調査士法 第3章 第8条」にも、土地家屋調査士として活動するには「土地家屋調査士名簿」に氏名や事務所などの登録をしなければならないと定められています。その登録は、各地域の土地家屋調査士会にて行います。
登録費用や必要な書類など、登録の流れ・詳細については次の章で解説します。
6月〜 新人研修に参加する
土地家屋調査士会への登録が終わったら、次は新人研修会に参加しなければなりません。
新人研修会は日本土地家屋調連合会が行なっているものです。新人研修は2泊3日の泊まり込みでの研修となっており、例年6月頃に開催されています。
なお、日本土地家屋調連合会に電話で問い合わせたところ、当該新人研修は「参加必須」とのことでした。
なぜなら調査士の仕事は専門用具を必要とするため、未経験でいきなり働き始めるのは困難だからです。
新人研修の終了後には交流会などの催しが行われることも多いので、業務の実態などを知る良い機会となるでしょう。
土地家屋調査士の登録について詳しく解説
登録・入会に必要な書類について
土地家屋調査士の登録に必要な書類は以下の通りです。
- 登録申請書
- 証明写真
- 身分証明書
- 履歴書
- 資格証明書
- 誓約書
- 住民票
- 戸籍謄本
また、土地家屋調査士会への入会に必要な書類は以下の通りとなります。
- 印鑑届
- 入会届
登録・入会などの費用について
土地家屋調査士の登録・入会にかかる費用は以下の通りです。
- 登録手数料:25,000円
- 入会金:50,000円
- 会館維持管理資金:50,000円
- 名札プレート:2,000円
- 登録申請書費用:30,000円
初期費用だけでも合計157,000円の費用がかかります。
登録申請書を提出する前に、金額等の確認をしておくことをおすすめします。
登録・入会手続きの流れについて
①必要な書類を揃え、記入も済ませる
まずは調査士登録を行うために必要な書類を揃えましょう。
書類に不備があった場合は、再提出となってしまうので注意してください。
なお、書類の中には各都道府県の土地家屋調査士会に問い合わせることでデータを入手できるものもあるため、事前に確認しておきましょう。
②提出する土地家屋調査士会に事前連絡する
必要書類の準備が完了したら、まずは提出する日程を決めましょう。
日程が決まったら各都道府県の調査士会へ事前に連絡し、アポイントをとってください。
いきなり調査士会に出向いても書類を提出できないこともあります。そのため、事前に連絡しておくことをおすすめします。
③調査士会に提出する
日程を決めてアポイントを取ったら、当日に必要な書類と費用を持参して調査士会へと出向きましょう。
提出自体は簡単な手続きなので、すぐに終わります。余裕があれば調査士会の方に挨拶などしておくと良いでしょう。
④調査士会からの連絡を待つ
申請手続きが終わったら、あとは調査士会から登録完了の連絡が来るのを待つだけです。
なお、一般的には申請から10日後ほどに登録が完了して連絡が来ます。
諸手続きから登録完了までには数日を要するので、実際に働き始めるまでに時間がかかることに留意しておきましょう。
土地家屋調査士としての就職・独立開業について
土地家屋調査士事務所
土地家屋調査士として仕事を始める上で、実務経験がない方も多くいるかと思います。
そのような場合は、土地家屋調査事務所に就職をして、調査士としての実務経験を積むケースが多いです。
規模が大きい調査士事務所では、測量や登記など業務が分担されていることもあります。教育制度や研修制度が充実している会社も多数あります。
測量会社
調査士の就職先としては、測量会社も代表的です。
土地家屋調査士は、企業に属することができません。そのため、測量会社では調査士事務所を併設することで調査士を採用しています。
測量会社では調査士としてのスキルが必要とされる場面も多く、ニーズが常に存在しています。測量会社にとって調査士の有資格者は貴重な存在といえるでしょう。
測量会社での業務は、公共団体や自治体などの公的案件が多くなっています。なので、より大きな案件に関わりたいという方には特におすすめです。
測量会社にはすでに測量士がいるので、調査士の主な仕事は独占業務である不動産の登記業務となります。
独立開業
自ら独立開業したいので、土地家屋調査士を目指した方も多いのではないでしょうか。
しかし、未経験でいきなり独立開業するのはあまりにもリスクが大きく、基本的にはおすすめできないと言われています。
開業をする方で最も多いパターンは、調査士事務所からの独立開業です。
調査士事務所に所属して1〜2年ほど実務経験を積んでから独立開業するのが一般的となっています。
ただし、独立開業の際には測量機材を購入する必要があるほか、仕事についても自分で勝ち取っていかなくてはなりません。
調査士事務所での実務経験は、仕事につながる人脈作りという意味でも非常に有益なのです。
ダブルライセンスの取得を目指すのも!
上述の通り、土地家屋調査士として登録を終えただけで直ちに調査士として働くわけではなく、就職や独立開業などが必要となります。
また、より仕事ができるようになるためには、日々研鑽を重ねなくてはなりません。
その中で実務に慣れて、かつ磨きをかけるのは大前提としつつも、より希少な人材となるべくダブルライセンスの取得を目指すのもアリでしょう。
例えば、権利に関する登記の専門家の資格”司法書士”はおすすめの一つとされています。
土地家屋調査士は表示に関する登記の専門家の資格であるため、調査士と司法書士のダブルライセンスを取得することで表示・権利どちらもの登記の専門家として業務を行うことができるようになります。
なお、その他にどういったダブルライセンスが適しているかについては以下のコラムで詳しく解説しています。
ぜひ参考にしてみてください!
※関連コラム:土地家屋調査士とのダブルライセンスにおすすめの6資格を紹介
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