「土地家屋調査士試験の勉強法がわかれば…。」

土地家屋調査士の資格に興味を持った方、あるいは土地家屋調査士試験に向けて勉強を始めた方にとって、土地家屋調査士試験の勉強法はとても気になるところでしょう。

勉強法がわからないと、無駄な時間を多く費やしてしまいがちですし、そもそも勉強を始める勇気が湧かないかもしれません。

せっかく勉強するのですから、効果的に勉強したいですよね?

この勉強法を参考に、効率よく勉強を進めてください。

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土地家屋調査士試験の不動産登記法について

まずは、土地家屋調査士試験の中で、不動産登記法がどのくらいの割合を占めるのか、分析してみましょう。

100点満点中、

・択一 1問あたり2.5点×20問=50点
 民法3問(7.5点)/不動産登記法16問(40点)/土地家屋調査士法1問(2.5点)

・書式 土地25点+建物25点=50点
 登記申請に必要な法令(主に不動産登記法)+計算+作図

土地家屋調査士試験で問われるほとんどが不動産登記法ですね。

当然、土地家屋調査士試験における学習の中心になるので、細かい部分までしっかりとした対策が必要になります。

一方、民法の出題は多肢択一式で3問、7.5点です。

効率の良い学習法を考えると民法の勉強時間には、全体の学習量の7.5%を充てれば良いと思いがちですが、ここが大きな落とし穴です。

最初は民法の学習から始める

序盤に民法の学習に力を入れることが、不動産登記法の点数を伸ばす秘訣です。

不動産登記法は、民法という基本を前提につくられています。

民法を理解しておかないと、具体的に手続きするための不動産登記法は理解できません。

例えば不動産登記法第1条には、「不動産の登記制度を定めることにより、不動産取引の安全と円滑をはかる」と不動産登記法の目的が示してありますが、なぜ不動産を登記しなければならないのでしょう。

その理由の一つが、民法第177条に「不動産に関する物権の得喪は、登記をしなければ第三者に対抗することができない。」とあります。

つまり、Aさんから土地を買ったBさんは、登記をしておかないと、Aさん以外の人に対して「この土地は私のものだ」という主張を通せないのです。

関連コラム:土地家屋調査士試験の民法勉強法!しっかり対策して3問全問正解

不動産の登記に関する重要なキーワード

「代理」「不動産」「共有」「所有権」「地上権」「抵当権」「債権者代位権」「売買」「相続」…。

挙げればキリがないほど、その多くは民法に規定されています。

まずは民法を理解した上で、不動産登記法に進みましょう。

ただし注意してください。

民法という土台をもとに不動産登記法を徐々に深堀りさせていくのですが、「民法がわからなくて、不動産登記法に進めない。」とは思わないで、民法がわからないままでも、不動産登記法に進んでください。

法律初学者なら、不動産登記法まで一巡してようやく民法が見えてきますから、気にせずどんどん進んでください。

不動産登記法の勉強法

多肢択一式で得点を重ねるには、不動産登記法を得点源にしなくてはなりません。

過去問で効率よく学習していく

不動産登記法のベストな勉強方法はもちろん、過去問にしっかりと取り組む事です。

ただし、過去問へのアプローチの方法によって大きく差が出るので、効率よく学習を進めましょう。

過去問に取り組むためにはまず講義やテキストでのインプットが必要です。

わからなくても一巡させて、過去問を解き始めます。

最初は当然、解けない問題ばかりですが、アウトプットとインプットの同時進行を意識してみましょう。

考えて解説を読んでからテキストに戻ると、明らかに最初のインプットに比べて理解が広まっているのがわかるでしょう。

とはいえまだまだ理解できない事が多いのは当然です。

何度も何度も重ね塗りをしてようやく厚みが増すものです。

工夫しながら積み重ねてみましょう。

「実感」があると内容が頭に入りやすくなる

具体的なイメージを持つために、例えば実際に法務局に行ってみるのも効果的です。

まずご自分がお住いの地域の「管轄」法務局を調べ、現住所の「地図」「登記事項証明書」を取得すると、テキストを眺めるのに比べて実感が増します。

タッチパネル式があれば使ってみたり、インターネットで証明書を申請したりするのもオススメです。

論点までしっかり理解し、違う問われ方をしても答えられるようになる

土地家屋調査士試験における多肢択一式は、過去問を学習してようやく足切り突破でしょう。

合格ラインを争う受験生は、過去問の知識だけで解ける問題は全部正解できます。

択一式で高得点を取り他の受験生よりもリードするには、過去問の論点までしっかり理解して、違う問われ方をしても答えられるまで深める必要があるでしょう。

過去問の択一を解く時、「20問中のうち何問できた」では自分の実力を測れません。

「1問5肢×20問=100肢のうち、何問自信をもって答えられたか」が大事です。

答え方は5種類、「◎」「○」「△」「×」「××」マークを使って当てはめてみましょう。

自信を持って答えられなかった問題はチェックしておいて、再度理解する必要があります。

100肢全部を、理由を含めて自信を持って説明できるのが最終目標です。

気を付けなければならないのが、答えを覚えてしまって安心してしまう事です。

これでは実力が付いたわけではありません。
「○○という理由で△△となる。」と説明できるまで理解を深めましょう。

説明できるまで択一の過去問の理解を深めていれば、おのずと書式を解くための力も付いているはずです。

そして、過去問で何を問われているのかを意識しながらテキストに戻れば、相乗効果でテキストの理解も深まります。

その時、出題項目の前後も読んでおきましょう。

ここに、今まであまり出題されなかったけれども新しく本試験で出るかもしれない事まで載っています。

積極的にプラスアルファも狙いましょう。

近年の合格者の多くは、多肢択一式、特に不動産登記法で得点を重ね、他の受験生をリードして合格しています。

やればやるほど伸びるのが不動産登記法です。ぜひこの学習法を参考にして、合格を勝ち取ってください。

関連コラム:土地家屋調査士試験「択一式」の勉強法と学習計画の立て方

まとめ

土地家屋調査士試験の不動産登記法について

  • 最初は民法の学習から始める
  • 不動産の登記に関する重要なキーワード

不動産登記法の勉強法

  • 過去問で効率よく学習していく
  • 「実感」があると内容が頭に入りやすくなる
  • 論点までしっかり理解し、違う問われ方をしても答えられるようになる

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この記事の著者 萩原 裕大 講師

萩原 裕大 講師

中山講師の「複素数で解く!関数電卓による測量計算」を活用し、土地家屋調査士の試験にわずか4ヶ月間の超短期学習で合格。

アガルートアカデミー講師と土地家屋調査士実務を並行しておこなう。

自らの受験経験、実務経験をもとに定期カウンセリングを担当し、的確な学習アドバイスで受講生を合格へと導いている。

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