受講されていたカリキュラム

下記リンクは最新版となります。合格者の方の受講年度と異なります。

土地家屋調査士試験を目指した理由・契機

大学卒業後、専門商社に新卒入社。土地家屋調査士という職業を知ったのは社会人2年目の冬でした。司法書士を目指す知り合いと話していたときに、調査士の役割や業務内容について教えてもらったことがきっかけです。

それまで不動産の知識や法律の考え方とはまったく無縁の人生でしたが、もともと中高で山岳部に所属していて地図は読み慣れていましたし、大学でもGISという技術で都市部の土地の使われ方に関する研究をしていたこともあり、「調査士の仕事って自分が今までやってきたことの集大成みたいじゃん!」と急に興味が湧きました。

結果的にアガルートのお陰様でなんとか一発合格することができ、現在は地元の土地家屋調査士事務所で早速実務経験を積ませていただいています。当然試験に受かっただけで実務ができるようになるわけではないので毎日様々な壁にぶつかっていますが、あの難関試験を乗り越えたという経験が自信になりますし、試験の知識を使わない日は1日もありません。この試験勉強で学んだ内容は今後もあらゆる場面で役に立ってくれると思います。

アガルートアカデミーの講座を受講しようと思ったきっかけ

知り合いから調査士の話を聞いたその日のうちには、インターネットで予備校を探し始めました。試しにアガルートの無料体験を申し込んでオンライン講座を受講したところ、ハキハキと喋る中山先生の印象が良く、教材も読みやすかったのでアガルートに決めました。あまり他校と比較しすぎても時間を無駄にしてしまうし、それより1日も早く学習を始めた方がいいという考えもありました。過去に30万円という大金を支払った経験が無かったので流石に躊躇はありましたが、熱が冷めないうちに勢いに任せて申し込んだ記憶があります(直近で冬のボーナスが入っていたことも幸運でした…!)。

受講開始したのが1月中旬、令和5年度試験が10月中旬と考えると学習に費やせる時間は9か月しかありませんでしたが、合格得点をゲットするためにも一発合格を目標に本気で取り組もうと決めました。

合格体験記・学習上の工夫

【大まかな学習スケジュール】

〇1月中旬~2月上旬:民法

〇2月中旬~3月下旬:不動産登記法

〇4月上旬~4月中旬:測量士補試験対策

〇4月下旬~5月中旬:測量士補試験と並行して土地家屋調査士法

〇5月下旬~6月下旬:択一式過去問

〇7月上旬:複素数計算、作図練習

〇7月中旬~9月下旬:過去問中心の学習を継続(平日は最低1年分、休日は3~5年分)

〇10月上旬~試験本番:過去問演習に加えて実践答練、不安な分野の講義動画を見返す

【勉強時間】

平日は朝1時間+仕事終わりに2時間程度、休日は5~6時間程度

【具体的な学習方法】

〇インプット段階

・PCで動画講義。要点をテキストに適宜記入。多少の不明点は気にせず、まずは講義を最後まで視聴することを目標にしました。

・初めは普通の速度で動画再生していましたが、気付けば1.5倍速、2倍速とどんどん速くなっていました(2.5倍速以上だと流石に耳が追いつかない)。

〇アウトプット段階

・分厚いテキストを毎回開くのが億劫になり、気付けばペーパーレスの学習スタイルに。デジタルブックの機能をフル活用しました。

・特に便利だったのはデジタルブックの「検索」機能。キーワードを入力すればテキストの該当ページを一発で開けるし、択一式問題集では特定分野の問題を抽出して集中特訓できるので苦手部分の克服に大いに役立ちました。

・また「付箋」「書き込み」の機能もフル活用し、何度も間違える問題には赤の付箋、もう完璧に答えられるようになった問題には黒の付箋、というように過去問をカテゴライズしたり、テキストの重要箇所をマーカーで目立たせたりといった使い方をしました。

・上記のようなアガルート教材を用いた学習方法に加えて、Googleスプレッドシートで日々の学習記録を作成したり、無料のスマホアプリで一問一答形式の問題を自作して通勤中の暇つぶしにしたりと、記述式の作図や計算以外についてはほとんどPCとスマホで勉強しました。

〇その他の工夫

・定期カウンセリングを受けていなかったため、月1回のYoutube生配信「合格道場」を出来るだけリアルタイムで視聴して自分の学習の進捗度合いを確認していました。

・中山先生のYoutubeチャンネルを寝る時のBGM代わりにして、テキストとは少し違った視点から調査士試験についての理解を深めました。

【試験結果…択一式45/50点(18/20問)、記述式36/50点】

記述式の作図が絶望的に壊滅してしまったので足切りも覚悟しましたが、それ以外の部分に多く点数が振り分けられていたのか存外に成績が伸びました。また、一度間違えてしまった解答をいくつか試験終了直前に二重線で訂正しましたが、そこも採点者に拾ってもらえたんだと思います。

作図問題が破滅しても、二重線のオンパレードで見苦しい解答用紙になっても、落としてはいけない部分を日々の学習で確実に対策していたことが今回の結果につながりました。

【測量士補】総合講義のご感想・ご利用方法

測量の知識がゼロの状態からスタートしたため、まず「測量とは何か」という部分から導入してくれるアガルートのテキストはとても親しみやすかったです。測量に関する知識は多岐にわたるので1回ではとても理解できませんでしたが、講義動画やテキストを繰り返し見返すことで徐々に知識を定着させていきました。

テキストは試験対策に特化したスリムな内容で、合格を目指すにはうってつけだと思います。基礎的な数学の知識が求められる試験ではありますが、出題される計算問題は毎年数字だけ入れ替えてパターン化されているので、テキストでしっかり学習して過去問を確実に解けるようになっていれば本番でもまったく問題ありませんでした。

測量士補試験が5月中旬に開催されることを踏まえて、土地家屋調査士試験のインプットが一旦落ち着いた4月頭に学習を開始しましたが、2週間足らずで一周できたため4月半ばからは「測量士補試験の知識を維持しつつ調査士試験対策を進める」という作戦に切り替えました。今から思えば測量士補の学習をスタートするのはもう少し遅くても何とかなったかな、とも感じますが、そこは学習の進捗状況に合わせて適宜調節すれば問題ないと思います。

【測量士補】3時間で押さえる計算問題のご感想・ご利用方法

前述のとおり測量士補試験では毎年同じような計算問題が中身の数字だけ入れ替えられて出題されるため、反復練習を積んで解法を頭に入れさえすれば着実に得点を稼げる分野だと思います。テキストで学習した解法を過去問で試し、過去問で間違えた問題をテキストに戻って復習する、という反復学習をひたすら繰り返すことが合格のために必要です。

その意味では計算問題対策を網羅した「3時間で押さえる計算問題」は、測量士補試験に出題される計算問題のあらゆるパターンを網羅して非常に便利なので、試験当日の移動中や試験会場などで最後の追い込みに役立ちました。

【測量士補】3時間で押さえる文章問題のご感想・ご利用方法

測量士補の文章問題は計算問題と比べると求められる知識の幅も広く、難しいものと簡単なもののムラが激しいのが特徴です。そのため基本的な学習方針としては「総合講義を全体的に読み込んで過去問で不得意な分野を洗い出す」という方法を取り、知識のカバー漏れがないように気を配りました。

その中でも学習がある程度完了してからは、日々の通勤電車や飛行機での移動中、試験当日の本番直前など、限られた時間を有効活用するために「3時間で押さえる文章問題」「3時間で押さえる計算問題」のテキストを携行して知識が抜け落ちないように心がけました。

【測量士補】実力診断模試のご感想・ご利用方法

申し訳ありませんが、測量士補実力診断模試は使用しませんでした。総合講義を一通り終えた後はひたすら過去問を解いて試験問題に慣れ、テキストに戻って苦手な箇所の補強を繰り返すスタイルで学習していました。

計算問題はそれぞれのカテゴリーについて複数年度分まとめて取り組み、計算パターンが頭に定着するまで繰り返し対策しました。

文章問題については範囲がそれなりに広いため、過去問に取り組む中で近年出題数が減少傾向にあると判断した問題は思い切って放り投げ、計算問題も含めたトータルでの得点が18/30点を越えればいいと割り切りました。その意味では、試験直前の自分の状態を試すためにも実力診断模試に手を出した方が良かったかな、とは思います。

【土地家屋調査士】総合講義のご感想・ご利用方法

講義動画、紙のテキスト、デジタルブックという3種類のアプローチを学習状況に応じて使い分けながら試験対策に取り組みました。学習初期はとにかく調査士試験の全体像を把握することが必要だと思い、講義動画を2倍速で見進めて多少の分からない点は後回しにしました。動画を視聴しながら紙のテキストをいちいち見てしまうとスピードが低下してしまうと思ったため、インプット中はあくまで講義動画を主体とし、各章を見終えたところで紙のテキストを読み返して学習内容を頭に定着させました。

インプットが一巡して過去問中心の学習に移行してからは、過去問を解いていて苦手に感じた部分や問題の解説文だけでは説明が足りないと思ったことについて、テキストで復習しました。初めは紙のテキストを毎回開いて確認していましたが、それでは見たい箇所にたどり着くまでに結構時間をロスしてしまう上にテキストもボロボロになってしまうため、デジタルブックの検索機能を活用して学習の効率化につなげました。特に過去問の解説は総合講義テキストの文章をそのまま抜き出す形で記載されているため、解説の一文をテキスト内で検索することで目当てのページに最短時間で到達できるようになり、毎日より多くの過去問を回せるようになったと思います。

択一式過去問解説講座のご感想・ご利用方法

インプットを1周した段階で択一式の過去問に突入したものの、初めは何を問われているのかすらさっぱり分からず、これまでの学習から別世界に迷い込んでしまったような感覚でした。それでも徐々に問題慣れしてくると択一式が楽しく感じられるようになりました。

それ以降は試験勉強の軸を択一式過去問に据え、択一で分からなかった部分を総合講義のテキストや動画で復習するスタイルを取りました。毎日最低でも1年分(20問)は解いて正答率を上げることを目指し、直前期になると20問×5肢の計100肢すべてについて正誤を判断できるようになることを意識しました。

択一式過去問解説口座のテキストは、各問の解説ページに「建物合併登記の制限」「電子申請」など問題のカテゴリーが記載されているため、苦手な論点をデジタルブックで検索することで集中的に特訓するような使い方ができました。

記述式過去問解説講座のご感想・ご利用方法

記述式問題は、択一式過去問の正答率が70%くらいまで上がってきた頃から取り組み始めました。

初めて問題文を見た時はまったく意味不明で尻込みしてしまったのですが…、「初めに解説を見てから問題文に戻ることで何を問われているかが分かるようになる」という取り組み方を中里先生がどこかのインタビューで紹介されていたので実践しました。そのやり方が自分には合っていたようで、数年分の過去問を「解説→問題」の順で取り組むうちに記述式問題の性質が分かるようになりました。

記述式問題ではどうしても作図や計算の対策が重点的になりがちですが、穴埋めも周囲との差をつける重要な部分だと思います。どんな論点が穴埋めで出題されるかを予想するのは難しいので、とりあえず過去問と実践答練の問題はすべてカバーしつつ、「ここも問われるかもしれない」と自分なりに論点を想定して本番に臨みました。

新・定規の使い方講座のご感想・ご利用方法

作図問題を解くには三角定規の使い方をマスターすることが必須なので、記述式に突入するタイミングで最初に「新・定規の使い方講座」を学習しました。

土地の作図においては各点を座標に従って正確にプロットすることが求められるため、基礎目盛をどう引けば無駄なくプロットができるか、三角定規をどう動かせば素早く目当ての座標に導けるか、という感覚を掴むよう意識しました。

建物の問題については、建物図面と各階平面図それぞれを描く必要があるためかなりの時間が作図に取られてしまいます。過去問を何度か繰り返すうちに調査士試験は時間との戦いでもあると分かったため、なるべく作図に要する時間を減らすため効率的な定規運びを意識しました。

[中山式]複素数計算のご感想・ご利用方法

関数電卓は一応元々持っていましたが、学習を始めるまでは「よく分からないボタンが沢山ついてる」程度の認識しかありませんでした。「[中山式]複素数計算」で特殊キーや複素数モードのセットアップなどの使い方を学び、テキストの内容に沿って様々な機能を実践しているうちに自然とテクニックが身についていました。

テキスト終盤の「練習問題」はその集大成のような構成になっており、これを解けるようなった段階になると過去問の記述式問題でも困惑することはなくなりました。

記述式問題は脳を常にフル回転させなければいけないため、出来るだけ頭のリソースを計算に取られないよう、極力無意識に関数電卓を扱えるようになることを目指しました。

実践答練のご感想・ご利用方法

一度だけ7月に他校の答練を会場で受けた際、論点があまりに細かすぎてかえって混乱してしまった経験があり、中山先生も「答練病」の怖さについてYoutubeなどで言及されていたことからあくまで過去問中心の学習を継続しました。

試験直前期に突入したタイミングでようやく、腕試しとしてアガルートの実践答練に取り組みました。他校の答練と違って本試験と同じくらいの難易度で、適度に新鮮な切り口から出題されるため知識の増強にも繋がりました。自分の場合10月まで実践答練を温存しましたが、もう少し早くから始めた方が良かったかもしれません。

法改正対策過去問解説講座のご感想・ご利用方法

「法改正対策過去問解説講座」では、法改正がどのような形で出題に反映されるかについて実践的に解説されていました。過去問で出題された文章の解釈が今回の法改正によってどう変わるかを押さえていないと、「古く間違った知識」のまま過去問演習を繰り返すことになってしまうため、こちらの講座で変更点をしっかりカバーして自信を持って本番に臨めるように準備しました。

令和5年度の試験においては「共有」を中心に重要法改正がいくつかありました。民法、不動産登記法どちらも「共有」は頻出の論点となっているので大変助かりました。

講座のご感想、講師へのメッセージ等

シンプルで分かりやすいテキストや動画講義に魅力を感じてアガルートを選び、無事になんとか一発合格することができました。

またYoutubeの生配信やFacebookの質問ページなどで他の受験生の様子を伺うこともでき、お互いにライバルでありながら同じ試験合格を目指す仲間として勇気をもらいました。

他にも中山先生の個人チャンネルやブログ、高野先生の一問一答動画、中里先生のX(Twitter)やnote等での鋭い情報発信と、アガルートのあらゆる要素が試験合格のための道しるべだったように思います。文字通り、試験合格への「最短ルート」でした。講師の皆さん、本当にありがとうございました。