土地家屋調査士の試験は相対評価の試験であるため、毎年合格点が変わります。

合格者が一定数確保されており、その枠を受験生が毎年競い合うことになります。

また、土地家屋調査士試験の択一式と記述式にはそれぞれ基準点が設けられ、満たさないとその時点で不合格となってしまいます。

ここでは、合格点の傾向や、そもそもどのように合格点が決められているのかといったことを紹介します。

しっかりと把握し、合格に近づきましょう。

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土地家屋調査士試験の合格点とは?

土地家屋調査士の試験に合格するためには、択一式基準点・記述式基準点・合格点の3つをクリアしないといけません。

それぞれの点数は毎年一緒ではなく、推移しています。

近年の基準点と合格点は?

まずは近年の基準点と合格点を見ていきましょう。

年度 択一式基準点
(平均点)
記述式基準点
(平均点)
合格点
令和5年度 35.0(31.8) 29.0(23.65) 72.0
令和4年度 37.5(33.2) 34.0(28.1) 79.5
令和3年度 32.5(30.3) 30.5(25.7) 73.5
令和2年度 32.5(29.4) 30(24.8) 71
令和元年度 32.5(29.8) 33.0(27.5) 76.5
平成30年度 35.0(32.5) 33.5(27.8) 81
平成29年度 37.5(32.7) 36.0(30.1) 81
平成28年度 30.0(26.6) 31.5(27.1) 74.5
平成27年度 32.5(29.7) 30.0(24.1) 73.5
平成26年度 35.0(31.1) 30.0(24.3) 74.5
平成25年度 30.0(26.5) 30.0(25.2) 71.5

択一式基準点・記述式基準点ともに30~35点で推移し、合格点は70~80点となっています。

択一式基準点と記述式基準点を足した点数から10点ほどの上乗せをした点数が合格点となっています。

近点の傾向

近年の傾向として基準点・合格点ともに上昇傾向にあります。

高得点者が多く分布することとなり、受験生が悩むような難しい問題をいかに解くかというより、受験生の多数が分かっている問題をミスなく正確に解くということが重要だといえます。

さらに、記述式については上昇傾向が少し強くでていますが、良問が出題されるようになり、実力が反映されやすい傾向にあると考えられます。

少し前までは、現実離れした計算・作図が出題されていましたが、近年では実際にあってもおかしくないようなリアルな出題が増えています。

そのため、以前よりも計算の難度は下がり、計算数も少なくなったと言えますが、その代わり、誰がどんな登記をして、何が必要なのか、また障壁となるのは何なのか、といった部分をいち早く読み取る力、つまり読解力が求められています。

合格後も様々な問題に出くわすかと思います。

そういった場面でも試験勉強で養った問題を解決する力が求められるでしょう。

関連記事:土地家屋調査士試験の難易度は?偏差値で例えると?勉強を始める前に知っておくべきことも紹介

令和6年度の土地家屋調査士試験の基準点は?

2024年10月20日(日)に土地家屋調査士試験の筆記試験が行われました。

基準点が決まるのは択一式は約1か月後、記述式と全体は約3か月後となりますが、アガルート独自の基準点と合格点の予想を掲載いたします。

  • 択一式基準点予想:37.5点
  • 記述式基準点予想:34点
  • 合格点予想:79.5点

令和6年度の土地家屋調査士試験は、択一式は過去問のみで正解できる問題ばかりで、その分記述式が時間のかかる難しい問題だったという印象です。

合格点に届くためには、択一式を短時間で終わらせ満点に近い点数を取ること、そして記述式は大きな論点を外さず、細かい論点のミスを極力減らすことが求められました。

合格点・基準点の決められ方

毎年、基準点や合格点は変化しているけど、どのように決まっているのでしょうか?

まずは以下の合格者に関するデータを見ていきましょう。

合格点の決められ方

合格点が毎年○点と設定されていて、それをクリアすれば全員合格という絶対評価ではなく、あらかじめ合格者数の枠を確保しておいて、合格点を調整する相対評価です。

受験者数や合格率は変化はありますが、合格者は400人程度と一定で、最終的にその人数になるように合格点は設定されています。

これは、資格を取っても仕事がないという状況をなくし、資格としての価値を守るために行われています。

基準点の決められ方

合格点をクリアすればOKというわけではなく、択一式基準点と記述式基準点に満たないとそれだけで不合格になってしまいます。

ではその基準点は、どうやって決まっているのか?

択一式基準点

択一式基準点は、受験者数を半分に絞り込むような、だいたい2000人程度で点数が設定されています。

これは、続く記述式の採点が手作業で行われるため、採点できる人数に上限があるためです。

ですので、択一式の基準点を突破しないと記述式の解答を採点してもらえません。

記述式基準点

そして記述式の基準点は、択一式の基準点を突破したものの3分の1くらい、だいたい700人程度で点数が設定されています。

合格者の400人を差し引いた300人は択一式基準点・記述式基準点を共に満たしながら不合格となっています。

なお、基準点を満たしたからといって次の年、何か優遇されるわけではありません。


関連コラム:【土地家屋調査士】択一式基準点・記述式基準点・合格点から分析する総合点アップの方法

関連コラム:土地家屋調査士の試験内容と試験日・申し込み スケジュール

まとめ

本コラムでは、土地家屋調査士試験の合格点・基準点の推移とその決まり方について解説いたしました。

まとめると以下の通りです。

  • 択一式基準点・記述式基準点ともに30~35点、合格点は70~80点を推移
  • 近年は基準点・合格点ともに上昇傾向
  • 合格点の決め方は合格者400名になるよう合格点を調整する相対評価

試験日から約1か月後には筆記試験結果発表、3か月後には記述式の結果と全体の結果発表が行われます。

以下の動画では、筆記試験結果発表までの流れや基準点がどう決まるかを解説していますので、ぜひ参考にしてください。

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この記事の監修者 中山 祐介 講師

中山 祐介 講師

独学で土地家屋調査士試験全国総合1位合格の同試験を知り尽くした講師。

「すべての受験生は独学である」の考えのもと、講義外での学習の効率を上げ、サポートするための指導をモットーに、高度な知識だけでなく、自身の代名詞でもある複素数による測量計算([中山式]複素数計算)など、最新テクニックもカバーする講義が特徴。日々、学問と指導の研鑽を積む。

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