測量士補試験に必要な数学は?出題範囲と求められるレベル
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測量士補試験では,数学を使った計算問題が出題されますが,この計算問題に不安を抱えている方が多くいらっしゃいます。
そこで,具体的な測量士補試験で必要な数学の範囲やレベルを示し,悩みを解消します。
※なお、数学に苦手意識がある方などには初歩から分かる!やさしい測量士補の数学講座もオススメですので合わせてご確認ください。
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測量士補試験で数学、計算問題が出題される理由
さて,ではどうして測量士補試験で計算問題が出題されるのでしょうか?
それは,測量の性質が大きくかかわっています。
測量に使う機械をみてみてください。(余談ですが,測量用語では,電源を使う機器を「機械」と言い,電源を使わない機器を「器械」と言いいます。)
たまに測量している現場で見ることがあるのではないでしょうか。
この機械は,「トータルステーション」と言います。
色々な機能がありますが,本質はとてもシンプルで,「角度」と「距離」を正確に測ることができます。
では,この機械があれば,測量はできるのでしょうか?ちょっと下の図で考えてみましょう。
地球上のA点とB点の距離を測るとします。
このA点にトータルステーションを置いて観測しますが,前に言ったように図ることができるのは「角度」と「距離」です。
図に入れると,下のようになります。
ご覧の通り,直接A点からB点の距離を測ることはできないのです。
そこで出てくるのが,数学です。ここでは「三角関数」が使われます。
A点からB点=距離×sin(角度)
このように,精密な機械を使う測量ですが,そこに数学を加えることで,正しい観測が実現しています。
測量士補試験で必要な数学の出題範囲とレベル
では,三角関数以外に測量士補試験で求められる数学にはどのようなものがあるでしょうか。
測量士補試験における重要度と併せて,特徴的なものをリストアップしてみました。
小数
測量で使う数値は地球規模の大きなものから,㎛(マイクロメートル)という1mの0.000001倍の小さいものまであります。
色々な計算上の工夫をすることで,小数点以下の桁数が多い計算を速く正確にできるようにしていきます。
分数
測量では,比の概念が重要な場面があります。
例えば,地上にある50mの橋を,高度2,500mを飛行する測量用航空機から撮影した場合,搭載するデジタル航空カメラには何画素の大きさで写るか?などの問題が出題されます。
カメラの焦点距離と航空機の高度の比で問題を解いていきますが,比を計算するために,分数を用います。
累乗
いわゆる「2乗」のように,ある数をある回数だけ掛け合わせた数です。
測量士補試験では,0.000001のような小さい数を10^-6と表すのに使います。
平方根
√(ルート)です。2乗すると,√の中の数になる数です。
測量士補試験は,電卓を使用することができません。
そのため,√1から√100までの整数の平方根が試験問題の巻末に付いており,それを参照して問題を解くことになります。
100を超える平方根や,整数ではない平方根について,計算をすることで解を求めていきます。
正弦定理と余弦定理
どちらも三角形に関係する定理ですが,非常に便利です。
公式のように数値を当てはめることで,解を求めることができます。三角形の図形的な特徴から使用する機会が多く,測量士補試験ではさまざまな分野の計算問題で使うことになります。
統計と確率
実は,どんなに正確に測量をしても,本当の値(これを「真値」と言います。)を求めることはできません。
観測の工夫や統計と確率を使って,本当の値に限りなく近い値(これを「最確値」と言います。)を求めることになるのです。
例えば,前に説明に使ったA点とB点の距離のような単純なものであっても,下の図のように実は地球は球面だったり,温度や湿度などの気象条件,観測する人の個人差などがあるため,どうしても誤差が出ます。
そのため,色々な観測の工夫によって誤差を打ち消したり,分散や標準偏差を使って本当の値に限りなく近い値を追求していきます。
測量士補試験の数学は誰でも楽しく学ぶことができる!
いかがでしたでしょうか。
昔に数学の授業でやった内容もあるかもしれませんが,長く学業から離れたら忘れてしまうのが普通です。
数学といっても,イメージするような無味乾燥なものではなく,測量士補試験で使う数学は,意味を持った興味深い計算が出題されます。
興味があれば計算問題を解くのが楽しくなります。
よりイメージをわきやすくする講義もございますので,是非,苦手意識をもつことなく,測量士補の計算問題にチャレンジしてみてください。
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