「境界確定測量は、いくらかかるの?」

何らかの理由で境界確定測量が必要になった方にとって、いちばん気になるのは費用ですよね。

目安となる相場がわかれば、計画や準備もしやすくなりますよね。

さまざまな例を知る土地家屋調査士が、みなさんの参考になればとまとめてみました。

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境界確定測量の費用相場

境界確定測量の費用は、大きく2パターンに分けられます。

ひとつは、民民立会いとよばれる官地との立会いが不要なパターン。
もうひとつは、官民立会いとよばれる官地との立会が必要なパターン。

費用相場は、
民民立会いの場合 約30万円~50万円
官民立会いの場合 約60万円~80万円

となっています。

とはいえ、「民民」と「官民」が何を指すのかよくわかりませんよね。

まずは、そういった違いがあることだけ覚えておいてください。

なぜ相場や目安にばらつきがあるのか、つぎの章でくわしく見ていきましょう。

土地の境界線を調べる費用がばらつく理由

境界確定測量費用の相場や目安にばらつきがある理由をまとめると、

  • シンプルにスムーズに進むと費用は低め
  • 複雑で手続きに時間がかかると費用は高め

となります。

なぜ境界確定測量費用の相場にばらつきがでるのか、その理由を詳しくご紹介します。

1. 民民立会い・官民立会いによって費用が異なる

まずは境界確定測量で費用に差がでやすい、民民立会いと官民立会いとの違いについてです。

立会いとは、となりの土地の所有者と境界の位置を確認しあうことです。

境界立会いともいいます。

民民立会い

民民立会いでは、役所との境界立会いがなく、民間同士での立会いです。

となりの方との予定が合い、同意がもらえればスムーズに進みます。

官民立会い

官民立会いでは、役所との境界立会いがあります。

役所との境界立会いがある官民立会いは、役所に提出する図面や書類が多く、何度も打ち合わせが必要だったりするので、より手間がかかります。

また、役所のペースで進むので、確認してもらえるまでの時間も多くかかります。

よって、官民立会いはより多くの費用がかかるのです。

2. 隣地所有者によって費用が異なる

隣の土地の持ち主によっても、費用に幅がでます。
それぞれのケースを見ていきましょう。

役所

役所といっても、その中身はさまざまです。

たとえば道路と水路と公園がとなりにあったら、管理する役所が国、都道府県、市区町村とそれぞれにわかれている場合もあります。
それぞれに合わせた書類や手続きが必要です。

多数の隣地所有者

接する土地の数が多ければ、それだけ持ち主の人数も多くなります。

人数が多ければ、費用が上がりがちです。

土地の持ち主が遠方に住んでいる等やりとりに時間がかかる

となりの土地の持ち主が近くに住んでいればよいのですが、遠くに住んでいてなかなか連絡がとれない場合もあります。

持ち主が亡くなっていれば、その土地の事情をよく知らない相続人とやりとりをする必要があり、ときには相続人がどこにいるのかわからないことも。

専門家があの手この手で何とかしますが、手間ひまがかかり費用に差がでます。

3. 土地の特徴によって費用が異なる

その土地の特徴によって、費用にばらつきがあります。

面積、形状

土地の広さ、形、見通しのちがいにより測量の労力に差がでるので、費用がかわります。

立地、地域性

都市部よりも郊外のほうが費用がかからない傾向にあります。

もっとも、都市部の土地は価値が高いので、価値に見合った費用です。

地域によって立会いのやり方が違う場合もあります。

やり方が違えば、費用もかわります。

ここでは費用が異なる主な3つの理由を解説しましたが、これらのほかにも費用のばらつきの理由はたくさんあります。

ただ費用にばらつきはありますが、いろいろ違いがあっても依頼者の手間はあまり変わりません。

土地家屋調査士などの専門家が知識や経験をもとにさまざまな手続きをするのでご安心ください。

境界確定測量にかかる費用の内訳と期間

境界確定測量は、おもに土地家屋調査士が行います。流れとしては以下の通りです。

  1. 境界確定測量の依頼
  2. 資料、必要書類の提出
  3. 事前調査(資料調査・現地調査)
  4. 現況測量
  5. 境界立会い、境界標設置
  6. 図面・書類作成
  7. 登記申請

境界確定測量の内訳を流れとともに、作業・期間・費用とみていきましょう。

1. 境界確定測量の依頼

依頼者が土地家屋調査士に境界確定測量の依頼を行います。

  • 期間目安:1~2日程度

2. 資料、必要書類の提出

依頼者が土地家屋調査士に資料や必要書類を提出します。

  • 期間目安:約1週間
  • 費用目安:役所の証明書手数料

3. 事前調査(資料調査・現地調査)

土地家屋調査士が資料調査や現地調査を行います。

  • 期間目安:1週間~2週間
  • 費用目安:6万円~12万円

4. 現況測量

土地家屋調査士が現況測量を行います。

  • 期間目安:1週間~2週間
  • 費用目安:7万円~15万円

5. 境界立会い、境界標設置

土地家屋調査士・依頼者・隣地所有者が立会いのもと、境界標設置を行います。

  • 期間目安:平均1ヶ月
  • 費用目安:境界点確認は1点あたり3万円前後、境界杭設置は1点あたり3万円前後

6. 図面・書類作成

土地家屋調査士が境界の図面や書類の作成を行います。

  • 期間:約1ヶ月
  • 費用:3万円~10万円

7. 登記申請

書類の準備ができ次第、土地家屋調査士が法務局に登記申請を行います。

  • 期間:2週間~1ヶ月
  • 費用:4万円~8万円

境界確定測量が終わったら確定測量図をつくれるので、隣地所有者から境界確認書に署名捺印をもらって、登記が終わったら完了です。

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この記事の監修者 中里ユタカ講師

中里 ユタカ講師

宅建士試験・行政書士試験・測量士補、土地家屋調査士試験にすべてストレートで合格。

まったくの初学者から、中山講師の講義を受けて8ヶ月で土地家屋調査士試験に合格。(択一13位、総合29位)

自らの受験経験で培った短期合格のためのテクニックを提供している。

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