独立した土地家屋調査士の年収は?開業の流れや自営で成功するポイントも解説
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土地家屋調査士を目指している方、あるいはこれから目指そうとしている方は、試験だけでなく将来的な心配も持っているのではないでしょうか。
特に、「独立開業するにはどれほどの資金が必要?」「自営で高収入は目指せる?」という疑問を持っている方は多いと思います。
今回のコラムでは、土地家屋調査士として独立した場合の年収や開業の流れ、自営で成功するためのポイントについて解説します。
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土地家屋調査士として独立開業した場合の年収
土地家屋調査士の平均年収は一般的に600万円前後といわれていて、独立開業している人の中には年収1000万円を超えるような人も少なくありません。
参考コラム:土地家屋調査士の年収はどれくらい?年齢、働き方、エリア別に紹介
土地家屋調査士会連合会からオフィシャルに年収データが公開されているわけではありませんが、独立した場合は従業員として勤務する場合と異なり、年収の幅がかなり広いという特徴があります。
独立開業した場合の年収額は個人の資質に比例する為、平均と言われる600万円よりも少ない年収になってしまう方もいますが、1,000万円を超えるような方も多く存在します。
従業員だと1,000万円を超える年収を期待するのはなかなか難しいことですが、独立すればこのような高収入を目指すことも可能になります。
土地家屋調査士は独立開業しやすい?
土地家屋調査士の魅力の一つは、独立開業をできることにあります。
大きな組織に属して受けた指示をこなしていくのではなく、自分の裁量で好きなように働くことが可能ということです。
一般的に数年以上の経験を積んでから開業するケースが多いですが、開業の条件として実務経験が設定されているわけではありません。
そのため試験合格後すぐに開業することも可能です。
※【アガルート調べ】土地家屋調査士試験合格者の職業別構成比
資格試験予備校アガルートでは受講生に対してアンケートを実施しています。令和5年度試験の合格者の職業別構成比は以下の結果となりました。
職業別構成比としては会社員が約6割と最多で、自営業は7.8%、会社役員は2.0%といった結果となっています。
※令和5年度土地家屋調査士試験合格者向けアンケート結果の土地家屋調査士者試験合格者の職業構成比から引用
土地家屋調査士として独立開業するまでの流れ
土地家屋調査士は数ある士業の中でも独立して成功しやすい職種ですが、一定の流れに沿って手続を行う必要があります。
必須となる手順は以下です。
- 試験に合格する
- 日本土地家屋調査会士連合会に登録、及び、土地家屋調査士会に入会
- 開業届を提出
まずは土地家屋調査士試験に合格しなければなりません。
そして、同試験に合格するだけではまだ「土地家屋調査士」ではありませんので、日本土地家屋調査士会連合会に登録するとともに、開業する地域の土地家屋調査士会に入会します。
なお、この時点で、事務所と最低限必要な機材は揃えている必要があります。
次に、事業主になることの届出を行いましょう。
税務署への開業届提出はすべての個人事業主に求められる手続きです。
そこまで完了すれば、いよいよ事業開始です。
必要であれば実務研修も受けておきましょう。
開業までにかかる費用
土地家屋調査士として独立開業する場合、開業資金の目安として「300~400万円程度」が必要になると考えておきましょう。
例えば以下のようなものを準備しなくてはなりません。
- CADソフト 100万円
- トータルステーション 150万円
- プリンター複合機 30万円
- 作業用具一式 30万円
- 現場用の車両 50~100万円
価格などはあくまで目安ですが、たくさんの準備物があります。
作業用具としてはミラー、ダブルスコップ、ピンボール、コンクリート杭、金属標、鋲、ドリル、ハンマーなどが挙げられます。
ただ、すでに自動車を持っていたり、別の仕事でCADを使っていたりする方は費用を抑えることもできるでしょう。
なお、日本土地家屋調査士会連合会への登録手数料としては25,000円が必要になります。
会費、入会金なども開業にあたって用意しなければなりません。
具体的な金額は地域によって異なりますが、およそ会費は月1万円強、入会金は5万円です。
独立開業して成功するためのポイント
独立開業自体はすぐにできても、事業を成功させなければ意味がありません。
そのためにも以下のポイントを押さえておくことが大事です。
①補助者のうちにできることを全てしておく
開業後は分からないことがあっても、依頼者に対して「経験がない」というのは通用しません。
あらかじめ補助者として実務に精通しておく必要があります。
色々経験できるのは補助者のうちと言えます。
また、開業後、いきなり仕事が入ってくることは少ないです。
補助者として働くことで、元の事務所から仕事を融通してもらえる関係性を保って独立できるとよいでしょう。(ただし、業者ごと仕事を奪うのはよくありません。)
補助者としての経験は、とても重要と言えます。
②相談できる先輩や同期合格者との繋がりを持つ
独立すると個人事業主になるため、今まで経験していなかった業務が発生します。
自分一人で独立をすると、職場ですぐに相談できる環境はありません。
そうしたとき、相談できる先輩がいれば、トラブルの対処法なども教えてもらえます。
相談できる先輩の存在は大変ありがたいものです。
また、同期合格者は同じタイミングで独立する人も多いです。
同期合格者とは新人研修などで顔を合わせる機会もあるので、情報交換しやすい関係性を作っておくと良いでしょう。
同期や先輩との繋がりを持つようにし、分からないことに対して相談できる環境を作っておきましょう。
③信頼を得られる仕事をして継続的な仕事に繋げる
長く事業を継続するには信頼を得ることが何よりも大事です。
そのためには、仕事をミスなくこなすことはもちろん、丁寧なコミュニケーションも欠かせません。
信頼関係を築いて売買がメインの不動産屋やハウスメーカーとつながれば、定期的な仕事を受注しやすくなります。
個人の顧客に対しても、信頼されれば紹介が生まれやすくなります。
また、なかなか仕事が取れないときには、軌道に乗るまで公共嘱託協会(行政の仕事の下請け)に加入するのも一つの方法です。
まとめ
土地家屋調査士は独立開業しやすい?
- 一般的に数年以上の経験を積んでから開業するケースが多い
- しかし試験合格後すぐに開業することも可能
土地家屋調査士として独立開業した場合の年収
- 土地家屋調査士の年収は、全体で平均600万円程度
- 独立した場合は従業員として勤務する場合と異なり、年収の幅がかなり広い
- 1,000万円を超えるような人も多く存在
土地家屋調査士として独立開業するまでの流れ
- 試験に合格する
- 日本土地家屋調査会士連合会に登録、及び、土地家屋調査士会に入会
- 開業届を提出
開業までにかかる費用
- 開業資金の目安として300~400万円程度
- 日本土地家屋調査士会連合会への登録手数料としては25,000円が必要
- 会費は月1万円強、入会金は5万円程度
独立開業して成功するためのポイント
- 補助者のうちにできることを全てしておく
- 相談できる先輩や同期合格者との繋がりを持つ
- 信頼を得られる仕事をして継続的な仕事に繋げる
土地家屋調査士は独立開業がしやすい職種です。
また、高収入を目指すことが可能で、夢のある職業であると言えます。
同業者や顧客と良い関係を築きつつ、着実に仕事を受注・遂行していけば、いずれ自分の求める理想のライフワークを実現することができるでしょう。
関連コラム:土地家屋調査士とは?資格の基本情報と仕事内容
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アンケート概要 | 土地家屋調査士試験合格者のアンケート |
---|---|
調査方法 | アガルートアカデミー内でのアンケート調査 |
調査対象 | アガルートの講座を利用して令和5年度土地家屋調査士試験に合格したユーザー |
調査対象地域 | 日本国内 |
アンケート回答者の属性
年代 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代以上 |
---|---|---|---|---|---|
割合 | 19.6% | 45.1% | 27.4% | 6.9% | 1.0% |
土地家屋調査士者試験合格者の職業構成比
受験回数 | 割合 |
---|---|
会社員 | 60.8% |
公務員 | 10.8% |
アルバイト | 6.9% |
自営業 | 7.8% |
団体職員 | 2.9% |
主夫/主婦 | 2.9% |
学生 | 2.0% |
会社役員 | 2.0% |
その他 | 3.9% |
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