土地家屋調査士試験における「複素数」使用のメリットについて解説します。

記事の後半では土地家屋調査士試験における複素数計算が学べる講座についても紹介しています。

ぜひ参考にしてみてください。

関連コラム:土地家屋調査士試験「記述式」の勉強法と理想的な学習時間の配分

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複素数のメリットは「早く」「正確」な計算ができること

複素数とは,2つの数を虚数iを使うことで,1つの数として扱うことができるものです。

土地家屋調査士試験では,座標を使った計算を行いますが,座標はX座標とY座標の2つの数で表されます。

関数電卓には「メモリ」という機能があり,このメモリに数を保存(「ストア」と言います。)して計算をしていきますが,通常の方法だと,X座標とY座標の2つの数をストアするために,2つのメモリを占有します。
また,計算もX座標とY座標の2つの数で別々に行わなければなりません。

ですが,複素数を使うと,X座標とY座標の2つの数を,「X座標+Y座標i」という1つの数として扱うことができます。

これにより,上限のあるメモリへのストアも2倍できるようになり,また,計算も多くの場合1つで済むことになります。

この効果は,「打鍵数」の大きな違いになります。
打鍵数とは,関数電卓を打つ手数ですが,この打鍵数が少なくなることで,「早く」なりますし,それだけ操作が少なくなるので確率的にミスが減り,「正確」になります。

土地家屋調査士試験の記述式問題では,少ない時間の中,正確に答えを算出しなければならないため,早く・正確な「複素数計算」は,まさに土地家屋調査士試験に最適な方法です。

実際に,平成30年度本試験の問21土地において,複素数計算と通常計算を比較した動画がありますので,是非,ご視聴いただき,体感していただければと思います。

「複素数だと通常計算と答えがズレるのでは?」という認識は誤り

よく,「複素数だと通常計算と答えがズレるのでは?」というご指摘がございますが,複素数というのは「計算方法」ではなく,「表示方法」です。

つまり,打鍵数は少ないですが,内部でおこなっている計算自体は通常計算と異なりません。
ですので,この認識は誤りです。

多くの場合,「試験問題に添付されている三角関数真数表」と,「電卓内蔵の三角関数真数」の桁の違いによるものですが,この問題は通常計算でも同様です。

また,近年は「試験問題に添付されている三角関数真数表」と,「電卓内蔵の三角関数真数」の桁の違いによる計算結果の差はなくなるよう問題が作られており,さらに,平成30年度本試験以降,「試験問題に添付されている三角関数真数表」が廃止されました。

よって,複素数計算と通常計算に計算結果の差はなく,より早くて正確な複素数計算が有利となります。

土地家屋調査士試験における複素数計算を学ぶことができる講座

「記述式過去問解説講座」では,すべての過去問について複素数計算で計算した過程をテキストに載せてあります。

さらに,「[中山式]複素数計算」では,複素数計算へのセットアップから始め,ステップバイステップで,土地家屋調査士試験に出題が予想される下に列挙したすべての測量計算を複素数で計算できるように構成されています。

<座標計算>
・方向角
・点間距離
・点の移動
・内外分点
・交点計算
・方向角が90度の交点計算(ショートカット)

<基準点測量>
・放射計算
・均等法によるトラバ-ス調整
・コンパス法によるトラバ-ス調整
・逆計算

<面積計算>
・多角形の土地の求積(ショートカット)

最後には,すべての測量計算を1問に詰め込んだ「練習問題」が付いていますので,この問題を解くだけで,無駄なく学習した関数電卓の操作の定着・維持をすることができるようになっています。

複素数計算と一緒に学んでほしいおすすめ講座

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この記事の著者 中山 祐介 講師

中山 祐介 講師

独学で土地家屋調査士試験全国総合1位合格の同試験を知り尽くした講師。

「すべての受験生は独学である」の考えのもと、講義外での学習の効率を上げ、サポートするための指導をモットーに、高度な知識だけでなく、自身の代名詞でもある複素数による測量計算([中山式]複素数計算)など、最新テクニックもカバーする講義が特徴。日々、学問と指導の研鑽を積む。

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