【土地の境界トラブルの解決法】突然の指摘にも慌てず対処
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「おたくの塀が、うちの土地にはみ出している。どうしてくれるんだ。」
こんな風にいわれたら、びっくりしますよね。
わけがわからず、不安でいっぱいになるでしょう。
境界のトラブルは、決して少なくありません。
また、誰にでも起こる可能性があります。
対処の方法を知っておけば、あわてなくて済みます。
今回は、対処の方法について説明します。
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突然境界トラブルに巻き込まれたら
ある日突然、「あなたの方がこちらの土地に越境している」などと言われたら、困ってしまいますよね。
何せ、いままで自分の土地はここまでだ、と疑いもなく使ってきたのですから。
思ってもなかったことを言われると戸惑ってしまいます。
このような場合、相手方が感情的になってしまっていることが多いです。
戸惑ったり、あるいは反発してこちらも感情的になりがちですが、冷静に対処しましょう。
冷静に対処すれば、トラブルを大きくすることなくスムーズに解決へ進めます。
対処法をみていきましょう。
突然境界トラブルの対処法
まずは相手の言い分を冷静に聞いて、こちらの言い分はその時は言わずに、
「わかりました。こちらも調べてみますね。」とワンクッション置きましょう。
そして「境界標や図面など、何か境界がわかるものがあれば、こちらもスムーズに調べられるのですが…。」と伝えてみてください。
こちら側も、境界付近を実際に確認してみてください。
境界の目印はあるか、境界ラインはまっすぐなのか曲がっているのか、境界ラインを越えて飛び出ているものはないか、など。
あなたがお持ちの資料はありませんか?
土地の測量図や境界に関する覚書など、何か参考になるものがあるかもしれません。
とはいえ、実際に見てもよくわからないし、どんな資料を集めて、どんな話をすればいいのか、わからないことだらけですよね。
こんな時は、土地家屋調査士などの専門家に相談し、見てもらい、相手との間に入ってもらう方法が確実です。
ここまでの対処法には、ポイントがいくつかあります。
ポイント①:まずは相手の主張をよく聞く
その場で根拠なしにお互いの主張を言い合うと、もはや感情論でしかなくなり、その後の解決が難しくなります。
相手は今まで我慢してきて、やっと言えたのかもしれません。
まずはどういった主張をしているのか落ち着いてよく聞きましょう。
ポイント②:客観的な資料や判断材料を集める
思ったこと、聞いたことを、しかも自分に有利な解釈をすることにより、お互いの境界の認識がどんどんずれていってしまいます。
事実は動きません。客観的な判断材料を収集するようにしましょう。
ポイント③:第三者が話す
当事者同士の話し合いは感情的になったり、専門的知識があまりなかったりなど、話が平行線で解決の糸口が見えなくなりがちです。
また、一方的に相手の主張を受け入れても、逆にこちら側の土地が相手に侵害されかねません。
専門家が間に入ったほうが、解決する可能性はグッと高くなります。
境界トラブルの解決法
境界トラブルには、さまざまな解決方法があります。
穏便なものから強硬なものまで、順にみていきましょう。
1 越境物があればすぐに除去する
あなた側の庭木の枝葉が伸びて越境したなどの場合は、境界争いをする前に除去してしまった方が無難です。
自分で切れなくて造園業の方にお願いして費用がかかったとしても、自分の庭がすっきりしたと思えば、境界トラブルの費用とはいえないでしょう。
2 当事者同士で話し合う
お互いに話せば解決する場合もあります。お互いに納得する内容であれば、変に時間をかけるよりもよいでしょう。
ただし、後々また争いが起きないように、所有権界(隣接地の所有者間で合意された境界)をはっきりしておきましょう。
3 公的機関の無料相談
法務局や役所での、無料相談窓口を利用する方法があります。
あくまでアドバイスまで、相談時間が決まっているなどの制約がありますが、予備知識を得るために相談するのも有効です。
4 土地家屋調査士に相談する
『土地家屋調査士は、土地の筆界(境界)を明らかにする業務の専門家』(土地家屋調査士法第一条)とあるように、境界の専門家です。
境界のプロとして、さまざまな相談に乗ってもらえます。
また、資料収集、調査、測量、境界標の設置や復元、境界確認書や図面の作成なども依頼できるので、境界トラブルの解決や将来のトラブル防止につながるでしょう。
5 筆界特定制度を利用する
法務局に申請すると、筆界特定登記官が現地の筆界(土地の境を表す不動産用語)の位置を特定してくれます。
境界標は設置してくれませんが、筆界の位置がはっきりするので、境界トラブルの解決につながりやすいです。
測量費用は負担しなければなりません。また、期間は6ヶ月~1年ぐらいが目安です。
6 境界紛争解決センターの利用・ADR機関への申立
ADR認定土地家屋調査士と弁護士が相談にのってくれ、助言をくれます。
各都道府県の土地家屋調査士会に設置してあり、地域によっては「境界問題相談センター」などと名称が異なります。
希望すれば、裁判外の民間型ADR機関による調停が行えます。
相談や助言である程度解決することもあり、また、お隣と裁判をしないで済むメリットがあります。
ただし、相手方が調停や和解に応じないこともあります。
7 筆界確定訴訟を提起する(提起される)
いよいよ最終手段は、筆界確定訴訟により裁判所に境界を決めてもらう方法です。
これに加えて所有権や時効取得の争いがあれば、所有権確認訴訟も必要です。
約2年の期間と、多額の裁判費用が必要です。
ここまでくれば、お隣との関係修復は不可能に近いでしょう。
まずはプロに相談してみませんか?
境界に関していちばん知識と経験が豊富なのが、土地家屋調査士です。
ケースに応じて、的確なアドバイスをもらえます。
そして境界トラブルの解決に必要なことの依頼に応じてもらえます。
土地家屋調査士は公平な立場で境界を調査するので、相手にも理解されやすいです。
何もしなければ、いつまでも不安は取り除けません。
プロである土地家屋調査士に相談して、ぜひ不安を取り除いてください。
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