賃貸不動産経営管理士と管理業務主任者は、どちらも不動産に関する国家資格です。

「賃貸不動産経営管理士と管理業務主任者はダブル受験できる?」

「ダブルライセンスを目指すなら、どちらを先に受けるのが有利?」

本記事では、上記のようなお悩みをもつ方に向けて、賃貸不動産経営管理士と管理業務主任者の違いについて詳しく解説します。

ダブル受験の情報や、受ける順番についても触れているので、参考にしてみましょう。


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賃貸不動産経営管理士と管理業務主任者の違い!

本章では、賃貸不動産経営管理士と管理業務主任者の違いを

  • 資格試験としての違い
  • 仕事としての違い

の2つの視点から解説します。

加えて、それぞれの違いについて、項目ごとに解説を記載します。

資格試験としての違い

賃貸不動産経営管理士と管理業務主任者は、どちらも不動産系の国家資格です。

これらの資格を取得するためには、資格試験を受験し、合格することが必要です。

ここでは、資格試験としての両者の違いについて見ていきます。

難易度・合格率の違い

令和5年までの5年間における賃貸不動産経営管理士試験の合格率は36.8%~27.7%です。

対して、令和5年までの5年間における管理業務主任者試験の合格率は23.9%~18.9%となっています。

このことから、管理業務主任者試験は賃貸不動産経営管理士試験よりも難易度が高いといえるでしょう。

勉強時間の違い

賃貸不動産経営管理士と管理業務主任者の資格取得にかかる勉強時間を比較した場合、管理業務主任者の方が多くの勉強時間を要すると言われています。

賃貸不動産経営管理士試験は、主に貸借契約に関する知識が問われる試験です。

賃貸不動産経営管理士の勉強時間の目安は約100時間となっています。

対して、管理業務主任者は管理業務に関する知識や、関連する法律の知識が求められます。

勉強が必要な範囲が広いため、管理業務主任者の勉強時間の目安は約300時間です。

仕事内容・業務としての違い

賃貸不動産経営管理士と管理業務主任者は、両者とも不動産に関連する資格です。

しかし、業務の対象が異なるため、仕事の内容や独占業務などに違いがあります

ここでは、主に仕事としての違いを取り上げ、解説します。

主とする仕事内容の違い

賃貸不動産経営管理士の仕事内容は主に、賃貸物件を所有する家主から管理業務を受託し、不動産経営のサポートを行うことです。また、入居者の審査・退去時における対応・空室管理などの実務を行います。

対して、管理業務主任者の仕事内容は主に分譲マンションの管理組合業務を受託し、マンション管理の実務全般を行います。また、マンション管理業務の委託における重要事項の説明なども、管理業務主任者の仕事です。

このように、賃貸不動産経営管理士は賃貸マンションに関する業務を担当し、管理業務主任者は分譲マンションに関する業務を行うという違いがあります。

両者は担当する業務の対象が異なると認識しておきましょう。

独占業務の違い

独占業務とは、その業務に関する「業務独占資格」を保持する人だけが行える業務のことです。

管理業務主任者は業務独占資格であり、マンション管理における以下の業務は管理業務主任者しか行うことができません

  • 管理受託契約に際する重要事項の説明
  • 管理受託契約に関する重要事項説明書への記名
  • 管理受託契約書への署名
  • 管理事務に関する報告業務

対して、現時点では賃貸不動産経営管理士の独占業務はありません

ただし、将来的に独占業務が設けられる可能性があるため、今後の動向に注目しましょう。

管理業務主任者と賃貸不動産経営管理士とのダブル受験はどう?どっちを先に受ける?

ここでは、管理業務主任者と賃貸不動産経営管理士の受験に関して

  • ダブル受験はどうなのか?
  • どちらも受ける場合、どちらを先に受けるべきか?

といった疑問への回答をします。

ダブル受験はおすすめ?

資格の価値は、実際の業務への活用によって発揮されます。

ただ資格試験の合格を目指すのではなく、その資格を自分の仕事にどう活用していくかを考えることが重要です。

複数の資格取得を検討する際は、それぞれの資格を自分の業務に活かせるかどうかを考慮しましょう。

そのうえで、両方の資格が自分の業務に役立つと感じた場合は、ダブル受験への挑戦も一つの手です。

賃貸不動産経営管理士と管理業務主任者のダブル受験を目指す際は、それぞれの出題科目を把握しておきましょう

賃貸不動産経営管理士

  • イ 管理受託契約に関する事項
  • ロ 管理業務として行う賃貸住宅の維持保全に関する事項
  • ハ 家賃、敷金、共益費その他の金銭の管理に関する事項
  • ニ 賃貸住宅の賃貸借に関する事項
  • ホ 法に関する事項
  • へ イからホまでに掲げるもののほか管理業務その他の賃貸住宅の管理の実務に関する事項

出典:令和6年度 賃貸不動産経営管理士試験実施要領(国土交通大臣登録試験)

管理業務主任者

  • 1.管理事務の委託契約に関すること
  • 2.管理組合の会計の収入及び支出の調定並びに出納に関すること
  • 3.建物及び附属設備の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整に関すること
  • 4.マンションの管理の適正化の推進に関する法律に関すること
  • 5.上記1.から4.に掲げるもののほか管理事務の実施に関すること

出典:令和6年度管理業務主任者試験の実施について

賃貸不動産経営管理士と管理業務主任者は業務の対象が異なるため、共通の出題科目は多くありません。しかし、いずれも不動産関連の国家資格であるため、ダブル受験も一つの選択肢であると言えます。

ダブル受験を行う際は、それぞれの試験日程を把握し、スケジュール管理を行うことが重要です。以下に、おおよその試験日程を記載するので、頭に入れておきましょう。

どっちを先に受ける?

以下は、不動産関連資格におけるおおよその試験日程です。

試験種試験日
宅建10月の第3日曜日
賃貸不動産経営管理士11月第3日曜日
マンション管理士11月の最終日曜日
管理業務主任者12月上旬の日曜日
※こちらはあくまで例年の傾向であり、変動する可能性があることに注意してください。

最短距離でダブルライセンスを目指すなら、先に試験が行われる賃貸不動産経営管理士から受験するのが妥当です。

ただし、すでに管理業務に携わっている方は、管理業務主任者資格の取得が仕事で有利に働く場合があります。自身の業務内容を考慮した上で、優先順位を決定しましょう。

また、資格の難易度は、管理業務主任者の方が高いと言われています。

そのため、管理業務主任者の資格取得を優先させたい方は、管理業務主任者試験の勉強を行いながら、賃貸不動産経営管理士試験に関しては肩慣らしとしてとりあえず受験してみるのも良いでしょう。

なお、資格の選び方や、資格を受ける順番に悩んでいる方には、アガルートアカデミーの無料受講相談がおすすめです。

今の自分の仕事内容や将来の目標などに応じて、適切な資格取得のアドバイスを受けられます。

資格に関する不安や悩み、疑問がある方は、気軽に無料相談を受けてみましょう。

また、アガルート アカデミーでは各試験の専門スタッフを配置し、資格取得にお悩みをもつ皆様の質問にもお答えしています。

資格に関する悩みを解決し、自分に合った資格取得への第一歩を踏み出しましょう。

どうせなら不動産資格四冠を全部取得してみませんか?

今回紹介した賃貸不動産経営管理士と管理業務主任者は、いずれも不動産系の国家資格です。

そして、これら2つの資格に宅地建物取引士とマンション管理士を加えた4つの国家資格は、通称「不動産資格四冠」と呼ばれています。

本記事では、賃貸不動産経営管理士と管理業務主任者のダブル受験について解説しましたが、管理業務主任者とマンション管理士試験は共通の科目が多いことでも知られています。

不動産関連の知識を有効活用し、不動産資格四冠の制覇を目指してみてはいかがでしょうか。

なお、以下のコラムでは、不動産資格四冠のそれぞれの概要や、受験スケジュールなども紹介しています。ぜひ参考になさってください。

関連コラム:不動産資格の三冠・四冠とは?仕事内容・年収・取得の順番などを解説!

まとめ

賃貸不動産経営管理士は、国家資格になったことで今後さらに難易度が上がるだろうといわれています。

業務との親和性や目これから先のキャリアなどを踏まえたうえで、自分にとって今一番必要な資格を取得してみてはどうでしょうか。

関連コラム:賃貸不動産経営管理士の難易度はどれくらい?合格点・合格率を確認

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