ケアマネは、サポートが必要な利用者の暮らしを支える重要な仕事です。

また、高齢化に伴いケアマネの需要が高まる中、就職や転職に役立つ資格としても知られています。

本コラムでは、介護支援専門員（以下、ケアマネ）のやりがいや、ケアマネの資格を取得するメリットについて解説しています。

「ケアマネになって良かった」という意見も紹介しているため、ぜひ参考になさってください。

ケアマネの仕事内容・役割

ここでは、ケアマネの仕事内容や役割について解説します。

ケアマネとは

ケアマネとは、介護支援専門員（ケアマネージャー）という公的資格の通称です。

ケアマネは介護保険法によって定められた専門職であり、各都道府県によって認定されます。

ケアマネの資格試験には受験資格が設けられており、特定の資格や、一定以上の実務経験が必要です。

そのため、実務経験がない方がケアマネになることはできません。

ケアマネになるためには、介護や保険制度に関する専門的な知識やスキルが求められるため、介護関連の最上位資格であるとも言われています。

ケアマネの役割

ケアマネの役割は、介護や支援が必要な利用者からの相談に応じ、必要な支援のマネジメントを行うことです。

ケアマネは、利用者の生活の質を向上させるために、個々のニーズに応じたケアプランを作成し、事業所や市町村との橋渡しを行います。

つまり、ケアマネは、人と人を繋ぐ役割を果たしていると言えるでしょう。

ケアマネの仕事内容

ケアマネの主な仕事内容は、大きく分けて以下の3つ。

• 相談業務
• ケアプランの作成
• 給付管理

相談業務

ケアマネは、利用者や家族からの相談に応じ、課題や要望のヒアリングを行います。

これにより、今後のサポートに必要な情報を収集するとともに、相談者との関係を構築します。

相談者が抱える不安や悩みに寄り添い、孤立を防ぐことも、ケアマネの重要な仕事のひとつです。

ケアプランの作成

ケアマネは、利用者や家族からのヒアリングの結果にもとづき、ケアプランの作成を行います。

ケアプランを作成するためには、介護保険制度に関する専門知識が必要です。

また、適切な目標設定や、継続的なモニタリングなどが必要であるため、誰でも作成できるというわけではありません。

ケアプランの作成は、ケアマネにとって特に重要な業務であると言えるでしょう。

給付管理

ケアマネは、介護保険の給付に関する管理業務にも携わります。

利用者が公的サービスを利用すると、利用料金に対して介護保険が適応されます。

利用者負担分以外の料金は公費から支払われるため、毎月請求を行わなければなりません。

請求に必要な書類の作成や提出を行うことも、ケアマネの仕事に含まれます。

このように、ケアマネの仕事内容は多岐にわたります。

ケアマネの仕事内容について詳しく知りたい方は、以下のコラムを参考になさってください。

ケアマネのやりがいとは

ケアマネのやりがいは、利用者の生活の質の向上に貢献できることです。

ケアマネは、責任が重く大変な仕事であるというイメージを持たれがちですが、非常にやりがいがある仕事でもあります。

自分の仕事の成果を直接感じられるため、やりがいのある仕事に就きたいと考えている方は、ケアマネに向いているでしょう。

利用者が快適に生活するためには、ケアマネによる適切なサポートが不可欠です。

自分が作成したケアプランによって、利用者の要介護度が下がったり、健康状態が改善したりした際に、大きなやりがいを感じられるでしょう。

また、ケアマネは、ケアプランを作成するだけでなく、利用者の状態を定期的にモニタリングし、必要に応じてプランの見直しを行います。

利用者にとって最適なプランを提供するためには、介護や医療の制度に関する新しい知識を取り入れ、自分を高めるための努力が必要です。

自分の知識が利用者を助けることに繋がるため、モチベーションを持って仕事に取り組めるでしょう。

ケアマネ資格取得のメリット

ケアマネの資格を取得する主なメリットとして、以下のようなことが挙げられるでしょう。

• 就職や転職に役立つ
• 収入アップが期待できる
• プライベートと両立しやすい
• 人生経験を活かせる

それぞれについて、詳しく解説します。

就職や転職に役立つ

ケアマネは、数ある介護関連資格の中でも上位の資格であるため、就職や転職に役立つ可能性が高いです。

ケアマネの試験を受けるためには、5年以上かつ900日以上の実務経験が必要です。

また、ケアマネの試験では、介護保険制度・保険医療サービス・福祉サービスに関する幅広い知識が問われます。

ケアマネの資格によって、豊富な実務経験と専門的な知識をアピールできるでしょう。

収入アップが期待できる

介護関連業界で働いている方がケアマネの資格を取得すれば、収入アップが期待できます。

ケアマネは専門性が高い資格であるため、資格手当が支給されたり、基本給が上がったりする可能性があります。

厚生労働省の調査によると、令和4年12月における介護職員全体の平均給与額は318,230円であるのに対し、ケアマネの平均給与額は376,240円です。

また、保有資格がない介護職員の平均給与額は270,530円であり、ケアマネと比較して、月額約10万円・年収換算では120万円以上の差があります。

ケアマネの資格を取得すれば、無資格の介護職員よりも有利な待遇で働けるでしょう。

プライベートと両立しやすい

ケアマネは、プライベートと両立しやすい仕事であると言われています。

ケアマネの仕事は、ケアプランの作成をはじめとするデスクワークが中心であり、日勤がほとんどです。

また、夜勤や突発的な対応を求められる場面が少ないため、安定したシフトで勤務しやすいと考えられます。

ケアマネになれば、自分の時間を確保しながら無理なく働けるでしょう。

人生経験を活かせる

自分の人生経験を活かして働けることも、ケアマネになるメリットのひとつです。

ケアマネは利用者と直接かかわる機会が多く、相手の気持ちを理解する力が求められます。

また、マネジメントを行う立場であるため、判断力が必要です。

業務において、これまでの経験やスキルが役立つ場面も多く、人生経験が豊富な中高年の方には特におすすめの資格であると言えるでしょう。

ケアマネになって良かったと感じる場面とは

ケアマネは、どんな場面で「ケアマネになって良かった」と感じているのでしょうか。

福島県高齢福祉課が作成したリーフレット「ケアマネジャーの魅力とは？」に掲載されているケアマネのインタビューでは、以下のような声が見られました。

「〇〇ができるようになった。～で皆に会えるのが嬉しい」と喜んでもらえた時は、私自身も嬉しいです。

 訪問するのを待っていてくれたり、「ありがとう」と声を掛けられると嬉しいです。

ケアマネジャーの魅力とは？

困っていた問題が解決出来て、利用者様や家族の方に良かったと思ってもらえた時や、信頼関係が築けた時には、ケアマネジャーをやっていて良かったと思います。

ケアマネジャーの魅力とは？

自宅で看取りを行った際には、家族の方から「家で最期まで介護が出来たので悔いはありません。」とお話があり、利用者様も家族の方も満足しながら過ごすことが出来たのではと感じました。 

ケアマネジャーの魅力とは？

インタビューの結果からは、利用者や家族との信頼関係を構築できたり、利用者の問題を解決できたりした際に「ケアマネになって良かった」と感じている方が多いことが読み取れます。

ケアマネは、利用者と直接やりとりを行い、日々の悩みや困りごとなどのヒアリングを行います。

利用者と真摯に向き合う中で信頼関係が生まれ、感謝の言葉をかけられることもあるでしょう。

自分の仕事によって利用者や家族の役に立てることは、ケアマネならではの魅力です。

利用者と直接かかわり、自分らしく生活するためのサポートを行うことに喜びを感じられる方は、ケアマネになって良かったと感じるでしょう。

ケアマネのやりがいや資格取得のメリットとは？まとめ

本コラムでは、ケアマネのやりがいや、ケアマネの資格を取得するメリットについて解説しました。

ケアマネの役割は、サポートが必要な利用者と、事業所や市町村との橋渡しを行うことです。

利用者と直接顔を合わせるため、信頼関係を構築しやすく、大きなやりがいを感じられるでしょう。

また、ケアマネは、就職や転職に役立つ資格としても知られています。

数ある介護関連資格の中でも取得難易度が高いため、資格手当が支給される場合も多く、収入アップやキャリアアップを目指せます。

ケアマネの資格によって、介護や医療に関する専門的な知識をアピールできれば、有利な条件で働ける可能性が高いでしょう。

さらに、ケアマネの仕事はデスクワークの割合が高く、年齢を重ねても働きやすいと言われています。

プライベートと仕事を両立させたい方や、経験を活かして働きたい方には、特におすすめの資格であると言えるでしょう。

ケアマネは、多くの人に貢献できるやりがいのある仕事です。

仕事にやりがいを感じたい方は、ケアマネを目指してみてはいかがでしょうか。