弁理士試験の免除制度とは?条件や注意点について解説
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「私に弁理士試験の受験資格はあるのろうか?」
「私はこの資格を有しているが、科目免除制度はあるのだろうか?」
といった疑問を持っていませんか?当コラムでは弁理士試験の受験資格や免除制度について解説していきます。
目次
弁理士試験で有利になる免除制度とは
弁理士試験の免除制度とは、一定条件を満たしている場合に試験科目の一部が免除される制度です。
免除制度を活用すれば、特定の試験科目に絞った試験対策を行えます。免除制度は、弁理士試験合格の近道となるため必ず利用しましょう。
免除制度が適用される試験科目・対象者
免除制度は「短答式試験」「論文式試験(必須科目)」「論文式試験(選択科目)」といった、3つの試験で適用されます。
各試験科目における免除制度の対象者を詳しく見ていきましょう。
1.短答式試験
免除の対象となるのは、下記の3パターンです。
(1)短答式試験合格者
合格発表日から2年間、全ての短答式試験科目受験が免除されます。
(2)工業所有権に関する項目の単位を修得した上で大学院を修了し、工業所有権審議会の認定を受けた方
工業所有権審議会から短答式筆記試験一部科目免除資格の認定を受けた方は、大学院の課程を修了した日から2年間を経過する日までに行われる短答式筆記試験の「工業所有権に関する法令」及び「工業所有権に関する条約」に関する試験科目が免除されます(著作権法及び不正競争防止法の試験科目のみ受験していただきます)。
(3)特許庁において審判又は審査の事務に5年以上従事した者
工業所有権に関する法令・条約の試験科目が免除となります。受験科目は、著作権法及び不正競争防止法のみ。
2.論文式試験(必須科目)
下記の2つに該当する方は、試験科目が免除となります。
(1)論文式試験必須科目合格者
合格発表日から2年間、論文式試験(必須科目)が免除されます。
(2)特許庁において審判又は審査の事務に5年以上従事した者
論文式試験(必須科目)が免除となります。
3.論文式試験(選択科目)
論文式試験(選択科目)が免除になるのは、下記5つに当てはまる方です。
(1)論文式試験選択科目合格者
合格発表日から永続的に、論文式試験(選択科目)が免除されます。
(2)修士又は博士の学位を有する者
学位授与に係る論文の審査に合格した場合、選択科目が免除になります*。
*1 専攻は問いません*2 論文審査が必要で、審査は通年受け付けています
*3 認定を受ければ永続的に選択科目免除が受けられます
※参考:修士・博士等の学位に基づく論文式筆記試験(選択科目)の免除について
(3)専門職の学位を有する者
専門職大学院が修了要件として定める一定の単位を修得し、かつ当該専門職大学院が修了要件として定める論文(前記単位には含まない)の審査に合格した場合に適用されます。
(4)公的資格(技術士、一級建築士、第一種電気主任技術者、第二種電気主任技術者、薬剤師、情報処理技術者、電気通信主任技術者、司法試験合格者、行政書士、司法書士)を有する者
(5)特許庁において審判又は審査の事務に5年以上従事した者
免除制度は廃止されていない?
結論から言うと、免除制度自体は廃止されていません。
平成20年までは前年度の筆記試験合格者が、短答式試験と論文試験を免除されていました。
ただ、その免除制度は現在は廃止され、短答式試験合格者がその後2年間短答式試験を免除されるという内容に変わりました。
つまり、より多くの方が免除制度を受けられるようになったということになります。
そのため、以前の免除制度は廃止されたものの、免除制度は今も続いています。
※参考:弁理士試験制度のご案内
弁理士試験の免除制度の甘い罠!?デメリットはある?
免除制度は、非常にメリットが大きく、ぜひ活用したい制度ですが、「デメリットはないの?」と不安に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
デメリットといえば、時間をおくことで、せっかく身に着けた内容を忘れてしまいがちになることです。
例えば、短答式の免除が適用されるとしても、論文式では短答式で試されるような「条文力」が必須になってきます。
そのため、短答式が免除になったとしても、しっかりと条文の知識や理解力をキープし、さらに強化するのを忘れないことが重要になります。
その点に注意して取り組めば、免除制度は強い味方になるでしょう。
免除制度のある資格・学歴とのダブルライセンスはキャリアアップにも!
上記で述べた通り、弁理士試験の免除対象となる者には、一定の公的資格(技術士や薬剤師、弁護士や行政書士、司法書士など)を有する者が含まれます。
また、同様に、大学院の修士や博士などの「学歴」を持っていることでも免除を受けられる場合があります。
このように他の資格を保有することによるメリットとしては免除制度の適用を受けられることが挙げられますが、他にもメリットはあります。
それは、ダブルライセンスの保有によりより一層のキャリアアップや多様なキャリア形成につなげることができるという点。
例えば免除制度対象資格「薬剤師」に関して、薬剤師と弁理士のダブルライセンスを保有している人は、ワクチンなどの特許取得の際に活躍の場があります。
なお、弁理士とのダブルライセンスでキャリアアップを図ることができる資格に関しては、以下のコラムで詳しくまとめていますのでぜひ参考にしてみてください。
※関連コラム:弁理士とのダブルライセンスで市場価値アップ!おすすめ資格を紹介!
免除制度を活用して弁理士試験合格を目指そう
受ける試験科目によって、願書提出時に必要な書類が異なります。
免除制度の詳しい申請方法については、「弁理士試験の免除関係に関するQ&A」で確認してみてください。
難関だといわれる弁理士試験ですが、免除制度を有効に活用することで合格できる可能性が高くなります。
とはいえ、弁理士の試験は出題範囲が広く、短答式試験ではさまざまな知識のインプットが必要です。
論文式試験で求められる論述力や論理的思考力といったスキルは、自力で習得するのには限界があります。
難易度の高い弁理士試験に合格するためには、出題傾向を掴んだ効率的な学習が必要不可欠です。
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