弁理士と行政書士の業務・難易度の違いとダブルライセンスのメリット
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「仕事の幅を広げたい」「専門性を高めたい」「キャリアアップに役立てたい」など、ダブルライセンスの取得を考えるきっかけは人によってさまざまです。
どちらも国家資格である弁理士と行政書士は、業務の親和性が高く相性の良いダブルライセンスとしても人気があります。
今回のコラムでは、弁理士と行政書士の仕事内容や難易度の違いに触れながらダブルライセンスのメリットを解説します。
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弁理士と行政書士のダブルライセンスを目指すメリット
弁理士と行政書士のダブルライセンスのメリットについて解説します。
独立の際に有利
弁理士と行政書士の両方の資格があれば、独立して事業を拡大させるうえで有利になることもあります。
新規クライアントを開拓する際、弁理士と行政書士のダブルライセンスを持っていることが大きな強みになるためです。
クライアントからの依頼が増え、継続的に案件を案件できる可能性も高くなります。
将来、独立を考えている方はダブルライセンスを取得しておくと良いかもしれません。
キャリアアップ・年収アップにつながる
ダブルライセンスは、キャリアアップにもつながります。
携われる業務の領域が広がり、頑張り次第によってはキャリアアップの機会にも恵まれるでしょう。
実績が評価され管理職に昇格できれば、年収アップも期待できます。
企業規模にもよりますが、月に数万円近い資格手当がつくケースもあるようです。
※関連コラム:弁理士とのダブルライセンスで市場価値アップ!おすすめ資格を紹介!
弁理士が行政書士を目指すメリットは?
実は弁理士の資格を取ると、試験を受けなくても行政書士の資格を取得することができます。
なので、特に行政書士を目指さなくても指定された都道府県の行政書士連合会に登録をするだけで資格を取得することができます。
そういった意味で、弁理士は行政書士の上位の資格と言えるでしょう。
行政書士が弁理士を目指すメリットは試験の免除
逆に行政書士が弁理士を目指すメリットは免除制度にあります。
行政書士の資格を有していると弁理士の試験の論文試験(選択科目)を免除することができます。
弁理士の論文試験の選択科目免除が受けられるのは「技術士」「一級建築士」「電気主任技術者」「薬剤師」など受験資格に実務経験や指定された教育課程を終了していないと取れない資格「司法書士」や「司法試験に合格した者」など行政書士よりも難易度の高い資格が多いです。
受験資格のない「情報処理安全確保支援士」「電気通信主任技術者」「基本情報技術者試験」に並んで行政書士は弁理士の論文試験(選択科目)の免除を受けやすい資格だと言えるでしょう。
また、行政書士が弁理士になることで、会社の手続書類の作成だけではなく、知財に関する業務や特許戦略のコンサルティングに携われるようになるなど仕事の幅を広げることができます。
※関連コラム:弁理士の選択科目とは?科目免除やおすすめについても解説!
弁理士と行政書士の違い
弁理士と行政書士、どちらも国家資格です。
しかし、それぞれどういった分野の専門家なのかイメージしづらい方も多いのではないでしょうか。
ここからは、弁理士と行政書士それぞれの役割や仕事内容を紹介します。
弁理士とは
弁理士は、特許出願や意匠出願、実用新案出願といった知的財産権の取得に関わる代理業務を行います。
技術やアイデアを特許として守るために、特許庁に申請する業務を代行することが、弁理士の役割です。
弁理士としての仕事のやりがいについては、下記の記事で詳しく紹介しています。
行政書士とは
行政書士は、公的書類の作成や相談に対してアドバイスを行います。
役所に提出す書類作成のほか、申請代行や申請の必要性について相談を受けるなど、仕事内容はさまざまです。
※関連コラム:行政書士になるには?資格取得の3つの方法と最短の道を解説
弁理士と行政書士の年収
特許事務所や一般企業で働く弁理士の年収は、平均700万円前後です。行政書士の平均年収は600万円といわれています。
弁理士と行政書士ともに独立して個人事務所を経営している場合、1,000万円以上の年収を狙える可能性もあります。
弁理士 | 行政書士 | |
仕事内容 | 特許申請代行など | 許可申請代行など |
平均年収 | 約700万円 | 約600万円 |
※関連コラム:弁理士の年収・給料はどれくらい?現実を現役弁理士が解説!
弁理士と行政書士、難易度が高いのは?
資格取得の難易度が高いのは、弁理士だといわれています。
行政書士試験の平均合格率が10~14%であるのに対し、弁理士の合格率は8~10%ほどです。
弁理士試験は、100人受験したら合格できるのはわずか10人前後という計算になります。
弁理士と行政書士の資格概要を比較すると下記の通りです。
弁理士試験 | 行政書士試験 | |
受験資格 | なし | なし |
試験回数 | 3回 | 1回 |
試験形式 | 短答式・論文式・口述式 | 5肢択一式・多肢選択式・記述式 |
試験科目 | 知的財産法・理工知識 | 民法・憲法等・一般教養 |
合格率 | 約8~10% | 約10~14% |
平均学習時間 | 約3,000時間 | 約600時間 |
弁理士試験の難易度
弁理士になるには、「短答式試験」「論述式試験」「口述式試験」全てに合格しなければなりません。
直近7年間における、弁理士試験の合格率は以下の通りです。
年度 | 合格率 |
平成30年 | 7.2% |
令和元年 | 8.1% |
令和2年 | 9.7% |
令和3年 | 6.1% |
令和4年 | 6.1% |
令和5年 | 6.1% |
令和6年 | 6.0% |
ちなみに、弁理士資格をもっている方は無試験で行政書士に登録できます。
※関連コラム:弁理士の難易度や合格率を解説!8士業の難易度ランキングも掲載!
行政書士試験の難易度
行政書士試験では、法的知識に加え一般教養として政治経済や文章読解問題なども出題されます。
行政書士試験は一回の試験で合否が決まるのが特徴です。出題形式は、下記の3種類あります。
- 5肢択一式・・・5つの選択肢から1つを選ぶ
- 多肢選択式・・・選択肢からあてはまるものを複数選ぶ
- 記述式・・・文章で解答する
直近5年間における行政書士試験の合格率は、以下の通りです。
合格率は例年10~15%で推移しており、100人受験して合格できるのは6〜10人ほどということになります。
年度 | 合格率 |
平成29年 | 12.7% |
令和元年 | 11.5% |
令和2年 | 10.7% |
令和3年 | 11.18% |
令和4年 | 12.13% |
令和5年 | 13.98% |
※関連コラム:行政書士の難易度とは?知っておくべき試験情報・合格率・勉強時間を他資格と比較
弁理士と行政書士どっちを先にとったほうが良い?
弁理士と行政書士を比較してダブルライセンスのメリットについて解説をしてきました。
まずはどっちの資格をとったら良いのかなやんでいる方は次のように考えてみてはいかがでしょうか?
まず国家資格を取ってみたいなら行政書士
時間に余裕があって、国家資格に興味があるならまずは行政書士の勉強をしてみると良いと考えられるでしょう。
行政書士も簡単な試験ではありませんが、必要とされる勉強時間が弁理士の1/5なのでチャレンジしてみるにはおすすめの資格だと言えます。
行政書士の資格を取得できれば行政書士としてスキルアップが出来るでしょうし、弁理士の論文試験(選択科目)の免除が受けられるため勉強は無駄にはなりません。
勉強時間を長期間確保できるなら弁理士
弁理士の資格を取得できれば行政書士の資格も取得することができます。
ただし弁理士は国家資格の中でも難易度の高い資格で、必要とされる勉強時間は3000時間、2回以上試験を受けて合格する人が8割になります。
また、特許事務所勤務なども含めて約8割の合格者が働きながら弁理士試験に合格しています。
なので、ある程度の勉強時間が確保できて1~2年単位でコツコツと資格に向けて勉強を出来るなら弁理士をおすすめします。
なお、その際には、時間や場所を選ばないオンライン予備校を活用するのも一つの手です。
アガルートでは、多くの勉強時間が必要とされる弁理士試験に関して、最短合格を目指す最小限に絞ったカリキュラムを提供しています。
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