理系最高峰の資格である弁理士資格は、平均合格率が10%に満たない難関資格です。

しかし、正しい勉強法を身につければ短期間で資格を取得できる可能性も十分あります。そこで重要となるのが、過去問集の使い方です。

「過去問ってそんなに大事なの?」「基本書で知識を完璧に習得すれば十分なのでは?」と思う方が多いのではないでしょうか。

そこで今回は、弁理士である筆者が最短ルートで弁理士試験に合格するために必要な過去問の使い方について解説します。

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弁理士試験対策に過去問での学習が必要な理由

弁理士資格を取得するには、「短答式筆記試験」「論文式筆記試験」そして「口述試験」という3つの試験すべてに合格しなければなりません。

ここからは、各試験における過去問の重要性について詳しく解説します。

※関連コラム:【試験科目別】弁理士のおすすめ勉強法

短答式筆記試験

短答式筆記試験(以下、短答試験)は、マークシート方式の択一試験です。出題範囲は特許法、実用新案法、意匠法、商標法といったメインの四法に加え、著作権法、不正競争防止法、国際条約など多岐にわたります。

短答試験は、出題範囲が広くすべてをカバーすることは難しいでしょう。どんなに勉強を重ねても、わからない・解けない難問が出てきてしまうのは当然です。

逆説的にいえば、過去問で頻出している問題の正解率を上げれば、合格できる可能性が十分にあるということです。

そのため、過去問を何度も繰り返し解くことで、出題傾向を把握でき合格に近づきます。

論文試験

論文式筆記試験(以下、論文試験)は、問に対して文章で解答する試験です。

論文試験は、特許法、実用新案法、意匠法、商標法についての知識を問う試験(必須科目)。それから、各自の専門分野における知識を問う試験(選択科目)の2種類があります。

ここでは、全受験者が受ける必須科目についてのみ述べることとします。

基礎知識があったとしても、論文試験の勉強をはじめてすぐは、答案用紙に一体何を書けばよいのか分からない方が多いのではないでしょうか。

構成や見出しの付け方といった論文の書き方は、過去問と模範解答で何度もインプット・アウトプットを繰り返せば自然とできるようになります。

口述試験

口述試験は、試験官と対面で行われる一問一答形式の試験です。限られた時間のなかで、問題・質問の意図を把握し、分かりやすく、且つ簡潔に答える必要があります。

口述試験を受験できるのは、短答試験及び論文試験をいずれも突破した強者だけであるので、弁理士試験に合格するための力は十分にあるはずです。

しかし、緊張で頭が真っ白になり練習の成果を発揮できないことも予想されます。

そのため、実際の試験官と受験生とのやり取りを収録した過去問を使うのが良いでしょう。

過去問での勉強の仕方

過去問を使ってどのように勉強を進めていけば良いのでしょうか。

過去問に取りかかる前に、基本書で試験範囲全体の内容をざっと把握しておくことをおすすめします。

基本書を使った勉強と過去問を使った勉強を並行して進めていくことで、知識が徐々に定着していくはずです。

短答試験対策

使用するものは、体系別(分野別)過去問題集と法文集です。過去問は問題ごとではなく、問題に含まれている一つひとつを見ていきます。

具体的な方法としては、最初に問題文と解説を読むことです。解説には、問題のポイントと条文番号が記載されています。

法文集の該当条文に過去問の年度、問題番号をメモします。

問題で問われているポイントをその条文の中から、重要なキーワードにマーカーを引きましょう。単語レベルまで落とし込むことが大事なポイントです。

法文集は、メモを書き込みやすい余白の大きいものを選びましょう。筆者は青本にすべて書き込んでいましたが、四法対照法文集も良いかもしれません。

著作権法や不正競争防止法、条約等については、法文集に書き込むのが難しければ、基本書の該当箇所に書き込んでも問題ありません。

論文試験対策

「論文試験対策」では、過去7~10年分の過去問を収録した過去問集です。過去問で学習を進めるうえでポイントとなるのが、問題の意味を的確に把握すること。

そのために一番おすすめなのが、過去問と模範解答を見比べることです。どのような問題文に対して、どのような模範解答が書かれているかを分析します。

具体的には、問題文に書かれている言葉が模範解答でどのように使われているのかをチェックするというものです。

次は問題文だけを見て、何を答えるべきなのかを自分で考えてみましょう。いきなり解答を書くのではなく、盛り込みたい内容を箇条書きにして「構成」を作ると書きやすくなります。

口述試験対策

過去問題集には問題文と解答が交互に記載されています。

はじめのうちは、問題文と解答を繰り返し読むことが大切です。声に出して読むと理解が深まります。

解答は一字一句そのまま覚える必要はありません。解答の内容を理解することに努め、自分の言葉で表現できるようにしておきましょう。

過去問の解き方のポイント

ここからは、過去問を使って勉強する際のポイントや注意点について解説します。

短答試験対策

短答試験対策では、短答過去問は解かないのがポイントです。

「なんで?」と思われるかもしれませんが、先ほど説明したように短答試験対策で大切なのは単語レベルまで落とし込むことです。つまり、過去問を解く必要がありません。

実際に問題を解くのは、時間の配分を確かめるための模試を受けるときで十分です。

論文試験対策

欲張らないことが大切です。

論文試験対策は、過去問以外にも参考書や答練などさまざまな方法があります。

例えば、他の受験生が答練をやっているという話を聞くと、自分もやった方が良いのではないかと思ってしまいがちです。

しかし、あれこれ手を出してしまうと勉強の方向性を見失うということにもなりかねません。

特に短期間で合格したい方は、過去7~10年分の過去問を繰り返し解くことをおすすめします。

口述試験対策

弁理士試験の勉強をはじめるなら、最初に口述試験の過去問題集を買いましょう。

弁理士試験で問われるのは、問題に素直に答える力です。素直に答える力を強化するには、口述試験の過去問題集が良いでしょう。

まとめ

今回は、弁理士試験対策における過去問の重要性や使い方について解説しました。

弁理士試験は出題範囲が広いことから、パーフェクトを目指すのではなく頻出問題をいかにミス無く得点するかが重要です。

過去問をうまく活用して頻出問題を把握しましょう。

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