弁理士試験の論文式筆記試験では、選択科目が免除になる制度があります。

短期合格を目指すのであれば、免除制度は利用しておきたいところです。

しかし、選択科目の免除を受けるには指定された資格を取得しておかなければなりません。

今回は、数ある資格のなかでも取得しやすい応用情報技術者について解説します。

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選択科目が免除になる、応用情報技術者とは?

応用情報技術者とは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施している国家試験のひとつ。

技術的な内容だけでなく、マネジメントや経営戦略に関する問題も多いのが特徴です。

そのため、応用情報技術者の資格取得社はITスキルを生かした幅広い活躍が期待できます。

選択科目免除の条件

  • 論文式筆記試験選択科目合格者
  • 修士・博士・専門職学位に基づく選択科目免除資格認定を受けた方
  • 特許庁が指定する他の公的資格を有する方

3つ目に含まれる公的資格のひとつに「情報処理技術者試験合格証書の交付を受けている者で、別表2に 記載する試験区分に合格した者」というものがあります。

この情報処理技術者試験のうちの1種が、応用情報技術者試験です。

なお、「応用」という名称から想像した方も多いと思われますが、情報処理技術者試験には「応用」以外も多数存在します。

例えば、ITパスポートや基本情報技術者試験、ITストラテジストなどが挙げられます。

なお、全ての「情報処理技術者試験」合格者が弁理士試験の免除を受けられるわけではなく、対象となる試験が限定されています。

具体的には以下の27種類となっています。

  • ITストラテジスト試験
  • システムアーキテクト試験
  • プロジェクトマネージャ試験
  • ネットワークスペシャリスト試験
  • データベーススペシャリスト試験
  • エンベデッドシステムスペシャリスト試験
  • ITサービスマネージャ試験
  • システム監査技術者試験
  • 応用情報技術者試験
  • 情報セキュリティスペシャリスト試験
  • システムアナリスト試験
  • アプリケーションエンジニア試験
  • ソフトウェア開発技術者試験
  • テクニカルエンジニア(ネットワーク)試験
  • テクニカルエンジニア(データベース)試験
  • テクニカルエンジニア(システム管理)試験
  • テクニカルエンジニア(エンベデッドシステム)試験
  • テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験
  • 情報セキュリティアドミニストレータ試験
  • 上級システムアドミニストレータ試験
  • システム運用管理エンジニア試験
  • プロダクションエンジニア試験
  • マイコン応用システムエンジニア試験
  • 第一種情報処理技術者試験
  • 情報処理システム監査技術者試験
  • 特種情報処理技術者試験
  • オンライン情報処理技術者試験

※以下の試験区分は対象外です。
「ITパスポート試験」
「情報セキュリティマネジメント試験」
「基本情報技術者試験」
「初級システムアドミニストレータ試験」
「第二種情報処理技術者試験」
「第一種情報処理技術者認定試験」
「第二種情報処理技術者認定試験」

引用元:【別表2】 弁理士試験の選択科目が免除される情報処理技術者試験合格者の試験区分

選択科目の免除で応用情報技術者試験を選ぶメリット

1.比較的取得しやすい

応用情報技術者試験は、毎年春・秋の2回行われており、平均合格率は30%ほどです。

応用情報技術者試験は、選択科目の免除対象となるほかの情報処理技術資格よりも難易度が低いといわれています。

2.将来の就職活動や転職活動にも役立つ

情報技術に関する資格は、企業だけでなく官公庁においてもニーズが高まっています。応用情報技術者試験も例外ではありません。

そのため、応用情報技術者資格を持っておくことで、就職・転職活動を有利に進められる可能性があります。

応用情報技術者試験の勉強をはじめるタイミング

選択科目の免除を受けるには、弁理士試験の受験申し込み日までに応用情報技術者試験に合格している必要があります。

応用情報技術者資格を取得するには、初学者の場合は最低でも500時間以上の勉強時間を確保した方が良いでしょう。毎日2時間勉強したとしても、半年はかかる計算です。

そのため、応用情報技術者試験の勉強は、弁理士試験が実施される前々年の秋頃からスタートするのが良いかもしれません。

春の応用情報技術者試験に合格できれば、弁理士試験の対策に集中できます。仮に不合格だったとしても、秋に実施される試験に挑戦することも可能です。

弁理士試験と応用情報技術者試験の勉強を同時に行うのは、精神的にも肉体的にも負担は大きくなります。

しかし、携われる業務の幅が広がることで管理職への昇進や年収アップといったキャリア形成にも役立つのではないでしょうか。

まとめ

応用情報技術者は、すでにIT基礎知識や技術を身につけている方にとっては取得しやすい資格であるといえます。

弁理士試験の論文式筆記試験(選択科目)の免除にあたり、どの資格にするか迷っているのであれば応用情報技術者の取得を検討してみてはいかがでしょうか。

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この記事の執筆者

Naoko


京都大学大学院農学研究科修了。


研究者を目指し大学に残ったものの、結婚出産を経てより子育てのしやすい環境を求めて知財業界へ。


特許事務所で特許事務(国内・海外)を3年程経験した後、第3子の出産を機にパラリーガルに転身。弁理士試験に挑戦し、一発合格。


現在、特許事務所で弁理士として活躍。

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