将来びリスクや不確実性の分析・評価などを専門に行うアクチュアリー。

合格率が低く資格取得に8年近くかかる、難関資格のひとつです。

そんなアクチュアリーですが、「アクチュアリーは将来性がない」「やめておいた方がいい」といったネガティブな意見も少なくありません。

資格取得を目指している方にとって、アクチュアリーは将来性がある仕事かどうか気になるところではないでしょうか。

今回は、アクチュアリーは将来性がないと言われている理由について解説します。

アクチュアリーが「将来性がない」「やめとけ」といわれる理由

必要なスキル・知識のレベルが高い

アクチュアリー試験第1次試験では、数学・生保数理といった5科目を受験しなければなりません。

第2次試験でも、損保・生保・年金の各コースについての知識や問題解決能力が問われます。

高い専門知識やスキルが求められ試験も非常に難しいことから、アクチュアリーはやめておいた方が良いといった意見があるようです。

資格取得までに2年間近い期間(正会員になるまで8年)が必要

アクチュアリーとは通常、日本アクチュアリー会の「正会員」を意味します。

正会員になるには、アクチュアリー試験全科目に合格しプロフェッショナリズム研修(初期教育)の受講を修了していることが必須条件です。

アクチュアリー試験は1次試験の5科目、第2次試験の各コースに課される2科目の合計7科目。

全科目に合格してから正会員になるまでには、平均8年かかるといわれています。

仕事と試験勉強を両立しなければならず、モチベーションの維持が難しいのかもしれません。

AIに代替される可能性

AIの進化に伴い私たちの生活は豊かになりました。

統計学や確率論といったアクチュアリーの業務はAIの得意分野であり、すでにAIが代替している仕事のひとつでもあります。

今後、更にAIが発展することが予想され、アクチュアリーの仕事すべてがAIに代替されると考える人もいます。

こうした背景から、アクチュアリーは将来性がないと言われているのかもしれません。

アクチュアリーの需要は高い

金融サービスはなくならない

アクチュアリーの主な仕事は、保険や年金の掛け金、支払額を決定すること。

将来の予測をもとにデータを用いて結果を算出する、非常に高度な業務を担う職業です。

保険や年金といった金融サービスがなくなる可能性は非常に低いといえるでしょう。

公益財団法人生命保険文化センターが実施した調査によれば、1世帯の平均加入件数は3.9件です。

保険加入者の多くは、今後も契約を継続したり保険を増やしたりといったことが考えられます。

人手不足

公益社団法人日本アクチュアリー会によると、2023年3月時点におけるアクチュアリーの正会員数は2,056人となっています。

20,000人を超えるアクチュアリーが活躍しているアメリカと比べ、日本のアクチュアリー正会員数は非常に少ないのが現状です。

資格取得までの道のりが長く合格の難しさから、慢性的な人手不足となっています。

アクチュアリー資格保持者を求める企業は多く、収入面で優遇され転職活動を有利に進められる可能性もあるでしょう。

AIに代替されにくい業務がある

アクチュアリーの仕事は、統計や分析だけではありません。

年金制度や保険の新商品について説明するうえで、ロジカルシンキングとコミュニケーション能力が重要です。

説明や提案を行う相手は、必ずしも数学や計算について理解している人だけではありません。

ノンアクチュアリーでも納得できるようなコミュニケーション能力があれば、社内はもちろん社外のクライアントとも良好な関係を築けるでしょう。

アクチュアリーは十分将来性がある

アクチュアリーは、平均合格率15〜20%の難関資格です。

高いコミュニケーション能力を必要とするアクチュアリーは、AIに代替されにくく今後も将来性がある資格といえます。

難しい内容を相手にわかりやすく伝える力や説明力を磨いて、市場価値を高めていきましょう。

データ分析が得意であれば、データサイエンスの資格も取っておくと活躍の場を広げられるかもしれません。