スタンフォードビジネススクール(MBA)の特徴や難易度について詳しく解説
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スタンフォード・ビジネス・スクール(Stanford MBA)は、スタンフォード大学の経営大学院です。
一般的にアメリカのMBAでは、東部のハーバード(HBS)、西部のスタンフォードが知名度では双璧といえるでしょう。
スタンフォードMBAは、評価機関からも高い評価を得ており、QS World University Rankingsでは世界第1位、Forbesでは世界第2位に選ばれています。
卒業生には元商務長官のペニー・プリツカーなど、国内海外問わず各方面で活躍する著名な経営者、企業家や政治家を輩出しています。
このコラムでスタンフォード大学のMBAについてわかること
- どのくらい難易度が高いのか
- 特徴や学費
- 卒業後のキャリア・年収レベル
- 入試内容
それではスタンフォードMBAの特徴について見ていきましょう。
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スタンフォードMBAの特徴
スタンフォードMBAの特徴として「Change lives. Change organizations. Change the world.(人生を変えよう。組織を変えよう。世界を変えよう。)」という教育方針を持っている点があげられます。
この教育方針に基づき、スタンフォードMBAのカリキュラムでは、問題提起能力・リーダーシップ能力を養う教育に重点が置かれ、実践的な能力を培うためインターンシップ参加の機会も提供しています。
スタンフォードMBAのもう1つの特徴は、生徒間のコミュニケーションが深く、互いに協力しあえる雰囲気があることです。その理由は生徒数の少なさと、就職活動の際に成績を公表しない規則があるからです。
成績という数字に偏重せず、生徒同士が協調できる環境を整備したことが、スタンフォードMBAが優秀な卒業生を多く輩出した要因となっているのでしょう。
また、スタンフォードのキャンパスがあるカリフォルニアのパロアルトは景観も美しく、シリコンバレーの中心地に位置しています。ハイテク、ITに強いといわれているのもスタンフォードの特徴に加えてもいいでしょう。
MBAではありませんが、TESLAやSpaceXのイーロン・マスクやApple創業者のスティーブ・ジョブスもスタンフォードで学んでいます。
スタンフォードMBAで学ぶことでどのくらいキャリアアップに貢献してくれるのか
スタンフォードではキャリアサポートも提供しており、1体1でアドバイスも受けられることから、就活をひとりで悩むことなく、相談しながら進められます。
スタンフォードのEmployment Report(2021)によると、96%もの卒業生が卒業後3ヶ月以内にオファーを受けています。
給料の平均値は、$160,000前後(2022/12レートで約2,180万円)と高水準な結果が報告されています。
主な進路としては、金融やハイテク、コンサルといった高給な業界が半数以上を占めています。
また、ベンチャーやスタートアップという進路を選んだ卒業生のうち、37%が女性と興味深い数字が出ています。
スタンフォードでは起業を目指す学生にも支援を行っており、高い給与以外の将来のキャリアゴールの達成についてもサポートを受けられる体制に特徴があるといえるでしょう。
スタンフォードMBAのクラスプロフィール
スタンフォードMBAの最新クラスプロフィールをまとめました。
年度 | 2024 |
受験者数 | 6,152 |
入学者数 | 424 |
合格率 | 6.9% |
女性比率 | 44% |
留学生比率 | 37% |
平均GPA | 3.76 |
平均年齢 | 非公開 |
平均勤続年数 | 4.9 |
GMAT平均スコア(又は中間値) | 737 |
GRE平均スコア(又は中間値) | 164(Verbal)163(Quantitative) |
TOEFL iBT®/IELTS スコア最低要件 | 113(TOEFL®)7 (IELTS)* |
出典:IELTSスコア
スタンフォードMBAのランキング
主な評価機関のスタンフォードMBAのランキングです。
どの評価機関においてもトップランクの評価を得ていることがわかります。
評価機関(Global or US) | 順位 |
FT | – |
QS | 1 |
Forbes | 2 |
EDUNIVERSAL | 4 |
Bloomberg | 1 |
スタンフォードMBAの入試内容
まず公式サイトで、自分のアカウントを作ることから始めます。ここから入試の進行の状況等を確認することができます。
次に受験資格と出願書類について確認します。
受験資格
応募者は、以下の条件を満たしている必要があります。
- 4年制大学の学位
出願書類
スタンフォードMBA入試で提出が必要な書類・項目をまとめました。
- オンライン申請: 公式ウェブサイトでオンライン申請フォームで記入
- 受験料
- エッセイ(2通)なぜスタンフォードMBAで学びたいのか等
- 2通の推薦状
- GREないしGMATテストスコア
- 英語テストスコア:IELTS、TOEFL®
- 大学成績
応募書類を提出し、審査を受けた後、面接を行う場合があります。
MBAの応募書類や受験資格についてはこちらのコラムでも解説していますのでご参照ください。
関連コラム:MBA留学とは?費用や受験資格、適齢について解説|アガルートアカデミー
スタンフォードMBAの学費
スタンフォードの公式サイトによれば、2024-2025年度のMBA参加費用の内訳は下記のようになっています。
1年のトータルコストが独身の場合130,746ドル(2024/3月のレートで約1980万円)となっており、スタンフォードは2年生ですので、卒業までに1980×2=3960万円かかる目安になります。
スタンフォードでは、留学生にもフェローシップと呼ばれる返済不要の奨学金の援助を提供しています。
2023年のクラスの平均スタンフォードフェローシップは、年間約44,000ドル、または合計88,000ドルでした。
スタンフォードMBAの難易度は?
前述のクラスプロフィールにある通り、スタンフォードの合格率は約7%です。
ハーバード(HBS)の合格率が10%を超えていること、またアメリカの有名大学の合格率が20%前後であることを考えると、少数精鋭であり、極めて狭き門といえるでしょう。
それでは、各テストの合格ラインについて見ていきましょう。
- 英語スコア
上掲のプロフィール表にある通り、TOEFL iBT®/IELTS スコア、113/7以上が推定合格ラインであり、かなり難易度は高いといえます。
TOEIC®で950点あっても簡単に取得できる点数とはいえないでしょう。英語のコミュニケーションに不自由がない、ほぼネィティブレベルの英語力が求められているといえます。
- GPA
スタンフォードMBAの平均GPAは3.7と極めて高くなっています。このようにハーバード(HBS)といったトップ校ではこのレベルのGPAが求められます。
海外MBAでは日本と異なり偏差値方式はありません。GPAの計算方式はこちらで解説していますのでご参照ください。
- GMAT
スタンフォード合格者のGMATの平均は737です。GMATのスコアレンジは200点から800点で、平均点は530点前後ですので、スタンフォードは難関Aクラスです。
一般的にトップビジネススクールに入学するには最低650点は必要とされており、スタンフォードやハーバード等トップクラスのMBAをめざす人は最低690点はないと厳しいと言われています。
- GRE
スタンフォード合格者のGRE平均スコアは163前後です。
スコアレンジは130~170点であり、スタンフォードのような米国トップMBAや、世界ランキング10位以内の大学院に進学したい場合は166点を目指す必要があると言われています。
MBAといえば、GMATですがGREを受け付けている学校もあります。スタンフォードはGREを受け付けていますが、実際の受験年度にも確認されるほうが安全でしょう。
GMATとGREではテスト形式が異なるため、難易度は、受験者のバックグラウンドや得意科目によってスコアに影響する可能性があります。
一般的に、読解や暗記が得意ならGRE、数学やロジカルシンキングが強い方はGMAT向きと言われています。
GMATスコアに伸び悩んでいる方には、GRE受験も検討の余地があるかもしれません。
日本でスタンフォードMBAについてもっと詳しく知りたいなら?
スタンフォードMBAを受験するにあたり、自分に合っているか研究することは合格のカギともなりえます。
日本でスタンフォードMBAについて情報収集できるサイトをまとめました。
スタンフォード大学MBA公式サイト
Stanford Graduate School of Business
英語にはなりますが、卒業生や在校生のスタンフォードMBAの体験についての生の声、またキャンパスの画像が参照できます。
入試要領等について最新の情報を得られるリソースとなりますので必ずチェックするようにしてください。
スタンフォード大学MBA公式Facebook
Stanford Graduate School of Business | Facebook
余裕があれば、学校の雰囲気やカルチャーを知るために参照するには良いサイトです。
エッセイやインタビュー対策のヒントに活用できるのではないでしょうか。
日本人合格体験記
Stanford MSx 合格体験記 – Interface (kkinterface.co.jp)
スタンフォードGSB MSx (最低8年の職歴を持つミッドキャリア向けの1年制MBAプログラム)に参加された方の合格体験記ですが、個人のプロフィールや受験対策などが簡潔に書かれています。
まとめ
アメリカのMBAというと、クラスでの活発な討論や成績重視の競争の厳しさをイメージされる方もいるかもしれません。
スタンフォードMBAにおいては、学生同士のコミュニケーションの良さやお互いに尊重し協力しあう雰囲気について高い評判があります。
入学の難易度は最難関レベルですが、学習環境としてもクラスの雰囲気や支援の手厚さを考えると最高レベルではないでしょうか。
スタンフォードの指針として「Change Lives」という言葉があげられています。難関校ですが「人生を変える経験」に挑戦してみてはいかがでしょうか。
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慶応義塾大学経済学部卒業。外資IT企業に就職後、ボストン大学経営大学院修了(MBA取得)。
帰国後、ITベンチャーや米系ハイテク企業でマーケティング・ビジネス開発に従事。
その後、アメリカ大使館等各国大使館の商務官に転じ、海外企業向けのビジネスコンサルティングに携わる。