ビジネススクール留学といえば、アメリカのトップ校をイメージする方が多く、日本人MBA留学経験者においてもアメリカのMBA卒業生が多いのは事実です。

しかし、欧州にもトップクラスのMBAは存在します。イギリスの有名大学の双璧は、ケンブリッジとオックスフォードです。

併せて「オックスブリッジ(Oxbridge)」と呼ばれており、共に800年以上の歴史を持ち、多くの文化人やエリートを輩出しています。

両校の違いは、​一般的にオックスフォード大学は人文・社会科学系に強く、ケンブリッジ大学は自然科学系に強いといわれています。

このコラムでは、イギリスMBAの代表格であるオックスフォードMBA(サイード・ビジネススクール Saïd Business School, University of Oxford)について解説していきます

このコラムでオックスフォード大学のMBAについてわかること

  • どのくらい難易度が高いのか
  • 特徴や学費
  • 卒業後のキャリア・年収レベル
  • 入試内容

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オックスフォードMBA(サイードビジネススクール)の特徴

ロンドンやヒースロー空港からも約1時間の、美しい中世のような街に位置しているオックスフォードMBAの特徴の一つは、MBA学生が学習できる環境がビジネススクール内に留まらないことです。

オックスフォードには多くの世界トップクラスの研究機関があり、MBAでは他学部と連携した授業も提供されています。

他学部主催のイベントにも参加することが可能です。

一例として、オックスフォード大学は「Silicon Valley Comes to Oxford」プログラムも主催しています。

このプログラムでは、シリコンバレーのハイテク企業の経営者をキャンパスに招き、授業や夕食会、ディベートが開催されます。

さらに、オックスフォードのMBAプログラムは、体験学習に重点を置いていることも特徴です。

学生は、必修と選択科目を履修した後、学期の後半では、起業家プロジェクトとして、起業のためのビジネスプランを作成し、ベンチャーキャピタルにプレゼンを行います。

最終学期には、非営利団体、新興企業、企業向けに戦略的コンサルティング・プロジェクトが実施され、実戦レベルの学習を体験できます。

オックスフォードとケンブリッジはどちらが良いか?

イギリスMBAのトップ校を目指す方にとって悩むのは、ケンブリッジとオックスフォードどちらが良いかということですが、結論から言うと、2校の入学難易度には殆ど差がありません

場所についても、オックスフォードとケンブリッジは、多くの類似点があります。

比較するとオックスフォードはより活気があり、オックスフォード城、イギリスで最も古い植物園、世界的に有名なボドリアン図書館や歴史的なパブなど名所も多いです。

対してケンブリッジは、たくさんの緑地と美しい歴史的建造物がある大学中心の街です。

したがって、活気を求めるならオックスフォードMBA、平和な環境が良いならケンブリッジが合うでしょう。

キャリアについては次のセクションで詳述しますが、卒業生の進路に関するケンブリッジとの比較においては、金融、コンサルティング、テクノロジー分野に進みたい方は、オックスフォードMBAがより良い選択です。

インターネット/Eコマース分野を目指す場合は、ケンブリッジMBAを選択すると良いでしょう。

消費財、エネルギー、製造業、社会的インパクトのある分野では、オックスフォードが良く、エレクトロニクス、公共セクター/NGO、ヘルスケアはケンブリッジが強いので、希望の進路に合う学校選択の参考にしてください。

オックスフォード MBAで学ぶことでどのくらいキャリアアップに貢献してくれるのか

2020/21年度MBAクラスの就職実績は、パンデミック後の厳しい時期にもかかわらず、卒業後3ヶ月以内にクラスの求職者の86%が就職しました。

全体の平均給与は£78,895(2023/1のレートで約1300万円)でした。

分野としては、28%がコンサルティング企業、33%が金融と高給が提供される分野に多くの卒業生が進んでいます。

それ以外の領域では、グローバル企業やテクノロジー、ヘルスケアなどの産業が 占めました。

給料アップを目指して給与の高い業界でのキャリアアップを目指す方はもちろん、国際企業や成長著しいテックやヘルスケア分野を目指す方にも、オックスフォードMBAで学ぶことは目的に合ったキャリア形成に貢献できると言えます。

オックスフォードのクラスプロフィール

オックスフォードMBAの受験者数は公開されていません。入学者数は約300人ですが合格率も非公開です。

Forbesの調査によると受験者は約1600名、合格率は20%という統計もあるので参考にしてください。

アメリカのトップ校のハーバードMBAの入学者数が約1000人といった数字に比べると、この合格者数は少なめであり少数精鋭と言えるでしょう。

学生の国籍分布は64ヶ国に及んでおり、海外学生比率も93%と国際的な学習環境となっています。

アジアからの留学生も30%以上を数え、年度により増減はありますが、日本人も例年5人前後は入学しています。

年度2022-23
受験者数
入学者数313
合格率
女性比率48%
留学生比率93%
平均GPA3.5
平均年齢
平均勤続年数5
GMAT平均スコア(又は中間値)690
GRE平均スコア(又は中間値)160
TOEFL iBT®/IELTS スコア最低要件110/7.5

オックスフォードのランキング

主な評価機関のオックスフォードMBAのランキングです。多くの評価機関においても高い評価を得ていることがわかります。

評価機関(Global)順位
FT26
QS(欧米MBAランキング)7
Bloomberg(欧米MBAランキング)10

オックスフォードMBAの入試内容

応募者は、以下の条件を満たしている必要があります。

  • 4年制大学の学位またはそれに相当する学位
  • 最低2年間の就業経験

以下の応募書類を提出し審査を受けた後、面接を行う場合があります

  • トランスクリプト(学業成績、GPA)
  • GMAT/GRE テスト結果
  • TOEFL®/IELTS テスト結果
  • エッセイ、職務内容、キャリアプランについて等
  • 推薦状2通
  • オンラインアセスメント

ここでは、日本の入試ではなじみが薄いトランスクリプト(GPA)、エッセイと推薦状について解説していきます。

ライバル校のケンブリッジと入試内容が違う点ですが、オンラインアセスメントについてもご説明します。

テストスコアの難易度については後のセクションで詳しく説明しますので、そちらを参照してください。

トランスクリプト

大学での成績(GPA)を提出します。海外MBAでは日本と異なり偏差値方式はありません。

GPAの計算方式はこちらで解説していますのでご参照ください。

エッセイ

志望動機・自己アピールを記載するもので出願において主要な評価対象となっています。

なぜMBAを志望するのか?に加え、なぜオックスフォードMBAか? 自分のキャリアにどう紐付けるか? 等々、学校側は出願者が期待するレベルに見合うか、出願者がクラスで貢献できるかを判断します。

オックスフォードMBA出願におけるエッセイの主な質問内容を紹介します。

  • 応募書類に記載されていないことで、入学審査委員会に知ってもらいたいことを教えてください。
  • なぜオックスフォードMBAが自分にとって特に有益だと考えるのか、また、自分のキャリアや自己啓発の目的にどのように合致するのかを説明してください。

 推薦状

上司など会社関係からの推薦状が望ましい。大学の指導教授など学校関係も可です。

オンラインアセスメント

オンラインアセスメントでは4つの質問に答えていきます

内容は下記の通りです。

  • モチベーションについて質問2問 – すべての候補者が同じ質問に答えます。
  • 能力について質問1問 – ランダムに出題されます。
  • 筆記 – ランダムに出題され、どのように考え、行動できるかを問われます。

以上で提出された願書はオックスフォードMBAアドミッションオフィスにより審査され、面接に進むかどうかが決定されます。

MBAの応募書類や受験資格についてはこちらのコラムでも解説していますのでご参照ください。

関連コラム:MBA留学とは?費用や受験資格、適齢について解説|アガルートアカデミー

オックスフォードMBAの学費

イギリスの大学の良いところは、アメリカと違って期間が短く1年で卒業できることです。

学費も生活費もその分安く済むので私費留学の方にとっては魅力ですね。

オックスフォードの学費は£78510(2024/3のレートで約1500万円)です

食費や家賃を含む生活費の概算は、オックスフォード大学の試算によれば、独身の方の場合約250万~350万円程度ですので、卒業までの総費用は約1,850万円と見積もれます

欧州トップ校の中では、平均的な学費です。

オックスフォードMBAの難易度は? 

オックスフォードMBAの入試の難易度について解説します。

GPA (学業成績)

オックスフォードMBAの合格ラインの平均GPAは3.5です。日本の大学生の GPAの平均は、2.4〜2.8程度と言われていますので、オックスフォードでは優秀な成績が求められています。

これに届かない場合でも、テストスコアやエッセイの内容でカバーできるケースもあるので、学業成績があまり良くない場合は他でカバーしていきましょう。

GMAT/GRE

GMATかGREのスコア提出が必要です。

GMATの入学者の平均点は690-700点程度です。これはアメリカのトップ校レベルと同等の数字です。

GREについてはVerbal/ Quant共に160が合格者の平均です。

最低スコアは提示されていないので足切りはありませんが、このスコアより大幅に低いと合格は厳しくなるでしょう。

IELTS / TOEFL®

TOEFL iBT®/IELTS スコア、110/7.5以上が推定合格ラインであり、難易度は高いです。TOEIC®で950点あっても簡単に取得できる点数とはいえないでしょう。

英語のコミュニケーションに不自由がない、ほぼネィティブレベルの英語力が求められているといえます。

英語要件は、ケンブリッジMBAやハーバードやスタンフォードといったアメリカのトップ校と同レベルの最高難度です。

日本でオックスフォードMBAについてもっと詳しく知りたいなら?

オックスフォードMBAを受験するにあたり、自分に合っているか事前に研究することは合格のカギとなります。日本でオックスフォードMBAについて情報収集できるサイトをまとめました。

オックスフォードMBA公式サイト

Leadership in extraordinary times | Saïd Business School (ox.ac.uk)

Oxford MBA | Saïd Business School

英語にはなりますが、在校生のオックスフォードMBAの体験についての生の声、またキャンパスの画像が参照できます

入試要領等について最新の情報を得られる基本のリソースとなりますので必ずチェックするようにしてください。

オックスフォードMBA 日本人サイト

https://www.oxfordmbajp.com/

オックスフォードMBAの合格体験記や個人のプロフィールや受験対策などを参照できます

合格者のバックグラウンドやテストスコアが明記されており、受験する上でスコアメークの目標値の参考になります

オックスフォード受験に興味のある方は一読をおすすめします。

まとめ

オックスフォードMBAは、ハーバードやスタンフォードといったアメリカのトップ校と比較すると、知名度は高くないことは否めません。

しかしながら、中世から続く伝統ある名門校において、多様性のあるクラスで学ぶことは、キャリアを積む上でも、米国や日本のMBAでは得難い経験を得ることができるでしょう

テストスコア要件を見ると難関校のイメージですが、オックスフォードが出願者に求める資質は、点数や経歴のみではなく、人柄や価値観などを多面的に評価されます。

エッセイラィティング等を通じて、自分の価値観と将来の目標にしっかり向き合い、オックスフォードMBA合格を掴みとってください。

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この記事の執筆者

斉藤りか

慶応義塾大学経済学部卒業。外資IT企業に就職後、ボストン大学経営大学院修了(MBA取得)。

帰国後、ITベンチャーや米系ハイテク企業でマーケティング・ビジネス開発に従事。

その後、アメリカ大使館等各国大使館の商務官に転じ、海外企業向けのビジネスコンサルティングに携わる。