IEビジネススクールの特徴や難易度について詳しく解説
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ビジネススクール留学といえば、ハーバードやスタンフォードといったアメリカのトップ校をイメージする方が多いかもしれませんが、欧州にもトップクラスのMBAは存在します。
欧州の有名MBAとして思い浮かぶのは、イギリスのオックスフォードやケンブリッジ、或いはフランスのINSEADでしょうか。
実は、スペインもMBAでは欧州の代表格なのです。スペインで有名なビジネススクールと言えば、マドリードのIE、バルセロナのESADE、IESEがあげられます。
今回ご紹介するIEビジネススクールは、スペインの首都 マドリードにある私立の教育機関で、そのMBAプログラムは常に世界ランキングのトップに位置しています。
テクノロジー、イノベーション、起業家精神、国際性に価値をおいており、近年ではテクノロジーへの投資を盛んに行なっています。
このコラムでは、欧州MBAの代表校の一つであるスペインのIEビジネススクール(IE Business School)について解説していきます。
このコラムでIEビジネススクールのMBAについてわかること
- どのくらい難易度が高いのか
- 特徴や学費
- 卒業後のキャリア・年収レベル
- 入試内容
国内MBA試験の合格を
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IEビジネススクールの特徴
IEの特徴として挙げられるのは、まず1年制のプログラムであること、また大きな特徴としては、期間を11/15/19ヵ月から選択可能なことです。
キャリア目標、経験等に沿った自分の進路に最も適した期間を選択できます。
例えば19ヵ月のプログラムの場合、2年をかけずにデュアルデグリー(MBAに加えてマスター学位をもう1つ取得すること)を目標とすることもできます。
アメリカのMBAプログラムが通常2年であることと比較すると、日本からの留学生には時間的、経済的負担が軽減されるプログラムと言えるでしょう。
授業は全て英語です。スペイン語でのMBAプログラムも別にコースがあります。
90%以上がスペイン国外からの学生であり、特定の国の学生がマジョリティとなって優位性を得るということはありません。
これもアメリカMBAとの大きな違いです。ただし、Bloombergの調査によると、メキシコやコロンビアなどスペイン語圏の学生が比較的多いのも事実として覚えておいてください。
IEビジネススクールはどんなところか
スペイン貴族で起業家のディエゴ・デル・アルカサルが、国際的な起業家育成を目的として設立した学校です。
1960年代からの目覚ましい経済復興を機に、国際的なビジネスで通用する人材育成が設立の背景となっています。
IEは、マドリード中心部に程近いサラマンカ地区にメインキャンパスがあります。都心にある為キャンパスは広くはありません。近くには在スペイン日本大使館もあるので安心感がありますね。
IEビジネススクールで学ぶことでどのくらいキャリアアップに貢献してくれるのか
IEでのキャリア形成については、学校に属するTalent&Career部門から、就活戦略、一般的なキャリア教育、分野別アドバイス、リクルーターとの関係構築、企業訪問など、自分のプロフィールに合った様々な支援を受けられます。
また、企業のキャンパス訪問、100社以上が参加するキャリアフェアや、模擬面接などに参加でき、インターンシップの機会も豊富です。
さらに、日本人のキャリアカウンセラーからアドバイスや個別面談を受けられます。
IESE卒業生の主な進路は、テクノロジー28%、コンサルティング22%、金融19%となっています。
他のトップスクールが、金融やコンサルが上位にあるのに対しテクノロジーに進む人が多いのが特徴的です。
就職先は、amazonやGoogle、デロイト、マッキンゼーといった一流企業が名を連ねています。
卒業後の平均年収については、Forbesの調査によると、$76,789(2024年3月のレートで約1160万円)です。
いわゆる英語での高給を示す「6 digit salary($100,000~$999,999のサラリー)」には届きませんが、日本円で1000万円を超えています。
前職のサラリーにもよりますが、一般的にはキャリアアップに貢献できる額ではないでしょうか。
IEビジネススクールのクラスプロフィール
IEビジネススクール MBAの受験者数はForbesの調査によると、入学者数は667人で合格率は41%です。
他のトップ校の合格率はだいたい20%前後であることを考えると合格を狙いやすい傾向があると言えます。
入学者数については、アメリカのトップ校のハーバードMBAの入学者数が約1000人といった数字に比べると、合格者数は少なめですが、同じスペインのIESEが約半分の300名程度のクラス規模なのでその中間程度の学生数となっています。
学生の国籍分布は44ヶ国以上に及んでおり、海外学生比率も90%以上と国際的な学習環境と言えるでしょう。
特徴としては平均年齢が30才とやや高め、女性比率が30%前半とやや低めといったところが見受けられます。
年度 | 2024 |
受験者数 | 3373 |
入学者数 | 667 |
合格率 | 41% |
女性比率 | 33% |
留学生比率 | 92% |
平均GPA | 3.2 |
平均年齢 | 30 |
平均勤続年数 | 7 |
GMAT平均スコア(又は中間値) | 686 |
GRE平均スコア(又は中間値) | NA |
TOEFL iBT®/IELTS スコア最低要件 | 100/7 |
IEビジネススクールのランキング
主な評価機関のIEビジネススクール MBAのランキングです。複数の評価機関においても高い評価を得ていることがわかります。
評価機関(Global) | 順位 |
QS | 8 |
Bloomberg | 6 |
IEビジネススクールMBAの入試内容
IEビジネススクール MBA出願に必要な書類・プロセスについてまとめました。
IEのユニークな点は、ローリング制を採用していることです。〆切日などはなく、通年で受付・審査しているので、入学期に関わらず、いつでも出願できます。
また、独自の入学試験(IEGATと呼ばれています)があり、GMAT/GRE提出なしでも選考に進めることに特徴があります。
- トランスクリプト(学業成績、GPA)
- TOEFL®/IELTS テスト結果
- エッセイ
- 推薦状
- アプリケーションフォーム(受験申込書ーオンライン申請)
- オンラインアセスメント (3問の質問 Kira Talenというテスト)
- 入学試験 (IE Global Admission Test) または GMAT or GRE テスト結果
- 面接
ここでは、日本の入試ではなじみが薄いトランスクリプト(GPA)、エッセイと推薦状について解説していきます。
テストスコアの難易度については後のセクションで詳しく説明しますので、そちらを参照してください。
参考: https://iemba.jp/admission/
参考: https://www.ie.edu/business-school/programs/mba/international-mba/admissions-fees/#content
トランスクリプト
大学での成績(GPA)を提出します。海外MBAでは日本と異なり偏差値方式はありません。
GPAの計算方式はこちらで解説していますのでご参照ください。
エッセイ
志望動機・自己アピールを記載するもので出願において主要な評価対象となっています。
なぜMBAを志望するのか?に加え、なぜIE MBAか? 自分のキャリアにどう紐付けるか? 等々、学校側は出願者が期待するレベルに見合うか、出願者がクラスで貢献できるかを判断します。
Kira対策にもなりますので、しっかり自分の経歴の棚卸をここで行ってみてください。
推薦状
上司など会社関係からの推薦状が望ましい。大学の指導教授など学校関係も可です。
英語で作成する必要があります。
MBAの応募書類や受験資格についてはこちらのコラムでも解説していますのでご参照ください。
関連コラム:MBA留学とは?費用や受験資格、適齢について解説|アガルートアカデミー
IEビジネススクールの学費
IEビジネススクールの学費は、€82300(2024年3月のレートで約1340万円)、これに生活費約300万円(後述の日本人卒業生のサイトから引用)がかかりますので、卒業までに約1640万円が必要となります。
2年制でもだいたい2000万円程度のコストが目処ですので、コストが安い学校とは言えませんが、1年制のためトータルコストは2年制の学校よりも総額として低額になるのは事実です。
IEビジネススクールの難易度は?
IEビジネススクールの入試の難易度について解説します。
GPA (学業成績)
IE MBAの合格ラインの平均GPAは3.2です。日本の大学生の GPAの平均は、2.4〜2.8程度と言われていますので、IESEでは優秀な成績が求められています。
これに届かない場合でも、GMATなどのテストスコアやエッセイの内容でカバーできるケースもあるので、学業成績があまり良くない場合は他でカバーしていきましょう。
GPAが2に届かない日本人受験者でも合格したケースがありますので、足切りは無いようです。
GMAT/GRE
GMATかGREのスコア提出が必要です。いずれの試験にも優劣はありません。
合格者のGMATスコアの合格者平均が686ですので、オックスフォードといった欧州のトップ校レベルと同等の数字です。
GREについては合格ラインは不明ですが、同じスペインのトップ校のIESEの合格ラインがVerbal/ Quant双方で143-170ですので参考にしてみてください。
IELTS / TOEFL®
TOEFL iBT®/IELTS スコア、100/7以上が推定合格ラインであり、難易度は高いです。英語のコミュニケーションに不自由がないレベルの英語力が求められているといえます。
英語要件は、ケンブリッジMBAやハーバードやスタンフォードといったアメリカのトップ校と大体同レベルの難度です。
日本でIEビジネススクールについてもっと詳しく知りたいなら?
IEビジネススクールの MBAを受験するにあたり、自分に合っているか事前に研究することは合格のカギとなります。
日本でIEビジネススクール MBAについて情報収集できるサイトをまとめました。
IEビジネススクール 日本
IEのMBA Programに在籍・卒業した日本人が中心となり編集/管理を行っているサイトです。
IEへの進学を検討されている方は、学校の許可・支援を得て公開されているサイトですし、日本語で情報収集できるので、まずこのサイトを参照すると良いでしょう。
東京にもオフィスがあり、オンラインで相談も可能です。しかし、最新の受験情報については、IEの公式サイトで確認するようにしてください。
IEビジネススク―ル公式サイト
Start Your Application Form – IE Business School
IEの最新の受験要件についてはこちらの公式サイトで確認しましょう。
非公式日本人向けIEビジネススクールブログ
https://iembajapan.jimdo.com/sitemap/
在校生や卒業生のブログや、合格体験記も読むことができます。スペインでの生活についても記事があるので、実際の留学生活をイメージしやすいサイトです。
まとめ
スペインのMBAプログラムは、ハーバードやスタンフォードといったアメリカのトップ校と比較すると、残念ながら日本での知名度が高くありません。
また欧州の中でもイギリスなどと違い非英語圏ですので、ハードルが高いと感じる人もいるかもしれません。
しかしながら、世界的に評価が高く、ランキングでも毎年上位に入っているIEビジネススクールの国際的で多様性のあるクラスで学ぶことは、キャリアを積む上でも、他では得難い経験を得ることができるでしょう。
合格率が高いことも検討に値するポイントと言えます。
さらにテクノロジーに注力していることも特徴がある部分です。テック分野に関心が高い方は志望校として考えてみても良いのではないでしょうか。
IE合格には、GMATやGREといったテストスコアの結果はもちろん重要ですが、決定的なものではありません。
受験者の性格、モチベーション、達成したい目標、リーダーシップ能力、コミュニケーション能力も考慮されます。
エッセイラィティングやKIRA対策等を通じて、自分の価値観と将来の目標にしっかり向き合い、IEビジネススクールの MBAに挑戦してはいかがでしょうか。
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慶応義塾大学経済学部卒業。外資IT企業に就職後、ボストン大学経営大学院修了(MBA取得)。
帰国後、ITベンチャーや米系ハイテク企業でマーケティング・ビジネス開発に従事。
その後、アメリカ大使館等各国大使館の商務官に転じ、海外企業向けのビジネスコンサルティングに携わる。