MBAで必要なGPAは?計算方法や国内海外の目安、足りない時の対策方法を徹底解説
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アメリカでMBAを取得するためには、GPAは最も重要なポイントのひとつです。
このコラムでは、GPAの計算方法や、GPAによる足切り、またGPAが低い場合の対策などについて詳しく解説していきます。
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MBA入試に必要なGPAとは大学時代の成績評価
そもそもGPAとは何でしょうか?GPA とは、Grade Point Averageの略で「成績平均点」を意味します。
アメリカで学業成績を測る標準的な方法で、大学4年間の成績をポイントで表現したものです。最低値が0、最高値が4という尺度になっています。
国内外を問わずビジネススクールの受験書類には必ず大学時代の成績表が求められます。アメリカのMBAにおいては基本提出が必須の項目となっているのがGPAです。
GPAの計算方法は簡単!全単位を4.0満点に換算する
GPAの計算方法は簡単です。
日本の大学の一般的な成績表からGPAへの計算例をご説明します。A=4、B=3、C=2、D=1、不合格=0として計算します。
例えば、Aが3単位、Bが5単位、Cが4単位、Dが6単位の合計単位は18単位だったとしましょう。この場合GPAの計算は下記の通りとなります。
(3×4+5×3+4×2+6×1)/18=2.3 (小数点第2位以下四捨五入)
ご自分のGPAを計算できましたか?
GPAはMBAを修了できるか測るために活用される
GPAは、大学時代にあなたがどれだけ優秀な学生であるかを示す唯一の指標、計算方法です。
Admission Officeが、あなたがどのような学生なのか、野心的な学生なのか、スケジュール管理能力があり、授業に集中できる勤勉な学生なのかを知るために、GPAを活用します。
MBAプログラムでは、成績優秀で勤勉な学生を求めているので、高いGPAを持つ人物を求めているのです。
海外MBAでは3.0未満を足切りにされることも
GPAがMBA出願の際に気になる理由の1つが「GPAによる足切り」です。実のところ MBAの入学に必要なGPAの最低点はありません。
一般的に、「良い」GPAは3.0から3.5の間と言われています。しかし、出願するビジネススクールによって、良いGPAとは何かは異なります。
ハーバード、スタンフォード、ウォートンなどのトップのビジネススクールでは、GPA3.5以上のスコアは当たり前となっています。
それでは、アメリカMBA入学のGPA合格ラインを見ていきましょう。
ランキング | 大学名 | Average MBA GPA |
1 | Stanford Graduate School of Business | 3.8 |
=2 | Harvard Business School | 3.7 |
=2 | Penn (Wharton) | 3.9 |
4 | HEC Paris | 基準記載なし |
5 | MIT (Sloan) | 3.6 |
6 | London Business School | 基準記載なし |
=7 | IE Business School | 基準記載なし |
=7 | INSEAD | 基準記載なし |
9 | Columbia Business School | 3.6 |
10 | IESE Business School | 基準記載なし |
11 | UC Berkeley (Haas) | 3.65 |
12 | Chicago (Booth) | 3.56 |
=13 | Esade Business School | 基準記載なし |
=13 | Oxford (Said) | 基準記載なし |
15 | UCLA (Anderson) | 3.2-3.8 |
16 | Northwestern (Kellogg) | 3.6 |
17 | Cambridge (Judge) | 基準記載なし |
18 | Yale School of Management | 3.62 |
19 | NYU (Stern) | 3.53 |
20 | Michigan (Ross) | 3.5 |
引用:QS Global MBA Ranking 2022, Average GPA fpr top MBA programs
GPAが低い/足りない場合の3つの対策方法
GPAが低い場合(一般的にGPA2.99以下は、大学院進学には低いと見なされる)はMBAを諦めなければいけないのでしょうか?結論から言うと、低GPAの場合でも、合格できるMBAプログラムを見つける選択肢は十分にあります。
多くのMBAプログラムは、志願者を総合的に評価します。つまり、GPAに自信がなくても、職務経験やGMATのスコアなど、他の優れた資質が光るチャンスがあるかが見られているのです。
低GPAの対策は大まかに3つあります。
- 志望校を変える
- 面接対策で挽回する
- 職歴を積む
これらについて詳しく解説していきます。
対策1. GPAを考慮しないMBAに出願する
GPAを考慮しないアメリカのビジネススクールをまとめました。
- Canisius College
- Northcentral University
- Syracuse University
- Lynn University
- Saint Mary’s University in Minnesota
- Winthrop University
- Notre Dame de Namur University
- Saint Leo University
- Lasell College
MBA合格を目指す方にとって、高いGPAは大きな戦力です。しかし、家庭の事情や金銭的な問題などの理由で、高いGPAを維持することが困難になる場合があります。
GPAが低いことは致命的なことではありません。上のリストのように、多くの大学は、高いGPAだけがMBAプログラムの良い候補者の特徴ではないことを認識しています。
また、GMATのスコア、職務経験、推薦状など、GPAの点数だけでなく、他の基準も重視されています。
ビジネススクールのアプリケーションで低いGPAを相殺する方法を探している場合は、以下でご説明していきます。
対策2. なぜ低GPAなのか?納得いく説明を準備する
エッセイの質問や面接で自分の成績について説明する機会があれば、この機会を最大限に活用しましょう。
学生時代に、病気や家族の問題など、特別な困難を経験したのかもしれません。あるいは、集中力が欠けていたかもしれませんが、その後成長し、時間管理のスキルを身につけたかもしれません。
Admission Officeに話をする際は、なぜ低GPAだったのかを正直に話し、MBAで自分の能力を最大限に発揮することを説明するように準備をしましょう。
対策3. もしも出願まで年数があるなら職歴を積む
一部のビジネススクールでは、出願プロセスにおいて、GPAやテストのスコアだけでなく、職務経験、推薦状、エッセイ、その他の出願書類について見ています。
注目されるような職歴等があれば、低GPAを補完し、または完全にプラスの要素として他の候補者よりも上回る可能性があるということです。
ハーバードビジネススクールに合格した例で、GMATもGPAも基準に達しておらず、出身校もトップ校でなかったにもかかわらず、家業の成長戦略についてエッセイや面接で熱く展開された方が合格したケースもありました。
MBAのGPAに関するよくある質問
MBAのGPAに関するよくある質問についてお答えしていきます。
Q. GPAはどうすれば調べられるの?
問い合わせ先は、出身大学の学生課、総務課、事務室などになります。学校によって取り扱っている部署は異なるため、大学のホームページで確認してください。
最近では学校のポータルサイトを利用してオンラインでの必要書類の発行依頼ができる学校も多くあります。発行手数料なども詳しく記載されています。
大学によりますが、コンビニもしくは郵送で受け取ることも可能です。
ちなみに、卒業生の入構は意外とNGな大学も多いので、窓口では受け取れないこともあるので注意してください。
Admission Officeに提出する場合、英文の成績証明書が必要になります。
依頼してから実際に発行されるまでに時間がかかる場合もありますので、出願のタイミングに間に合うよう早めに準備しましょう。
Q. GPAの最低基準はある?
明確なGPAの最低基準はありません。
しかし、2.5以下(総じてC評価が多い場合)はMBAではやや厳しくみられる傾向があります。
しかしながら、低GPAでも上位校に合格するケースは存在します。
なぜその成績だったのかをポジティブに説明できるように準備し、エッセイや面接の内容、また上司や指導教授などから良い推薦状をもらうことで低GPAを挽回することが必要となるでしょう。
また、GMATで高得点を狙うことはいうまでもありません。
Q. GPA3.0未満では海外MBAは厳しい?
一般的にGPA2.99以下は、大学院進学には低いと見なされており、GPAが3.0以下ではアメリカの上位校を狙うのは厳しいのが現実です。
SyracuseやLynnといった、GPAを考慮しないMBAも前出のセクション(「対策1. GPAを考慮しないMBAに出願する」)でまとめていますので、そちらを検討してみてください。
MBAの中にはGPAを厳しく要求するプログラムもありますが、多くの学校は職業経験やGMATスコアなど、出願書類の他の部分も重視しています。つまり、低GPAでも受け入れてくれる海外MBAはたくさん存在します。
国内MBAでは目安GPA3.0あればそこまで気にしなくてよい?
海外MBAと比較して、国内MBAではGPAの基準はどうなっているのか気になる方もいるでしょう。
文部科学省によると2017年時点の国内GPA導入率は92.2%。しかし、大学ごとに成績評価の仕方が異なるので、絶対的な基準にはなっていないのが現状です。
GPAを有効に活用したり、実行するための体制が整備されていない等の理由から、国内においては、アメリカと比べてGPAの注目度は相対的に低くなります。
国内MBAでは、目安GPA3.0あればそこまで気にしなくてよいでしょう。
また、国内MBAでは「筆記・面接・研究計画書」の比重が大きいため、研究計画書や筆記試験対策をする方が有益といえます。
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慶応義塾大学経済学部卒業。外資IT企業に就職後、ボストン大学経営大学院修了(MBA取得)。
帰国後、ITベンチャーや米系ハイテク企業でマーケティング・ビジネス開発に従事。
その後、アメリカ大使館等各国大使館の商務官に転じ、海外企業向けのビジネスコンサルティングに携わる。