海外MBA留学を検討される場合、まずはアメリカのスクールを候補に考える方は多いでしょう。

しかし、アメリカのMBAプログラムは数が多く、トップ校でもハーバードやスタンフォードは聞いたことがあるが、他の学校については実態がよくわからないと疑問に思ったことはありませんか?

コロンビア大学の経営大学院は、アメリカでもハーバードなどと並ぶ一流校であり、2023年のFinancial TimesのMBAランキングではハーバードを抑えNo1の地位を獲得しています。

コロンビアは、日本人も多いニューヨークにキャンパスがあります。

世界のトップ企業の多くがニューヨークにオフィスを構えているので、就活も比較的やりやすいでしょう。

実際、日本人卒業生も金融やコンサルティングといった、ハイレベル就職に成功している人が多くいます。

このコラムでは、コロンビアのMBAの難易度や学費、卒業後の年収レベル等について詳しく解説していきます。

このコラムでコロンビア・ビジネススクールのMBAについてわかること

  • どのくらい難易度が高いのか
  • 特徴や学費
  • 卒業後のキャリア・年収レベル
  • 入試内容

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コロンビア大学MBA|特徴とよくある質問

コロンビアの特徴とよくある質問についてまとめました。

  • ファイナンスに強い学校である。
  • 近年では、起業・テック領域にも力を入れている。
  • コロンビアはニューヨーク第2位の地主であり、不動産関連の授業も豊富。
  • コロンビアは個人作業が多い?

コロンビア卒業生として世界的に有名な投資家のウォーレン・バフェットに象徴されるように、コロンビアのファイナンスのプログラムは多くの資産運用会社からも一目置かれています。

コロンビア大学のMBAは個人作業が多いイメージをお持ちの方も多いようですが、実際はチーム作業が多いです。

多様性のあるクラスプロフィールからも、グローバルに活躍できるリーダーを育成するというカルチャーが感じられます。

コロンビア大学MBAで学ぶことでどのくらいキャリアアップに貢献してくれるのか

コロンビア公式サイトによれば、Class of 2021の進路サマリーは下記の通りです。

  • 94%が卒業して3か月以内に採用されている。
  • 平均給与は$150,000(2023/5のレートで約2100万円)
  • 74%がキャンパスでのリクルート活動で就職している

コロンビアのキャリアマネジメントセンター(CMC)は、成功するキャリアのための支援を提供してくれます。

履歴書の書き方のアドバイスからインターンや採用の情報提供、アドバイザーとの1対1の相談も対応可能です。CMCのサービスを活用して、就職活動を効率的に進めることができます。

コロンビアの卒業生が就職する領域は、投資銀行やコンサルティングといったハイスペックな企業が多い傾向があります。

平均給与を見ても、日本円で2000万円を超えているので、日本人の平均年収400万台と比較すると、30代で得る給与としては破格と言えますし、キャリアアップに大きく貢献してくれる学位と言えるでしょう。

コロンビア大学MBA(コロンビア)のクラスプロフィール

コロンビアの最新クラスプロフィールについてまとめました。

海外学生比率は51%とアメリカのビジネススクールの中では高めです。

女性比率もほぼ半数と高めで、多様性重視のスクールと言えます。

多様性については、欧州MBAの方に特長がありましたが、近年ではアメリカのMBAも多様性を重視しており、この差は縮小の傾向にあります。

合格者の年齢を珍しく公表しているスクールで、21歳〜44歳とかなり幅がありますが、中心値は28歳と平均的です。

年度2024
受験者数6177
入学者数782
合格率13%
女性比率44%
留学生比率51%
平均GPA3.6
平均年齢28
平均勤続年数5
GMAT平均スコア(又は中間値)729
GRE平均スコア(又は中間値)154〜167(V)156〜170(Q)
TOEFL iBT/IELTS スコア最低要件必要なし

コロンビア大学MBAのランキング

主な評価機関のコロンビアのランキングです。どの評価機関においてもトップランクの評価を得ていることがわかります。特に、Financial Times (FT)のランキングでハーバードや欧州トップ校のINSEADを抑えて1位に輝いたことは注目すべきでしょう。

評価機関(Global)順位
FT1
QS8
Forbes7
EDUNIVERSAL9

 コロンビア大学MBAの入試内容

コロンビアMBAの受験資格と出願書類についてまとめました。

受験資格

応募者は、以下の条件を満たしている必要があります。

  • 4年制大学の学位またはそれに相当する学位
  • フルタイムの就労経験 

出願書類

コロンビア・ビジネススクール MBA出願に必要な書類・プロセスについてまとめました。

  • トランスクリプト(学業成績、GPA)
  • エッセイ(3個提出)と卒業後のゴールについての質問
  • 推薦状 (1個提出)
  • アプリケーションフォーム(受験申込書ーオンライン申請)
  • GMAT or GRE テスト結果
  • 履歴書
  • 面接

ここでは、日本の入試ではなじみが薄いトランスクリプト(GPA)、エッセイと推薦状について解説していきます。

テストスコアの難易度については後のセクションで詳しく説明しますので、そちらを参照してください。

●トランスクリプト

大学での成績(GPA)を提出します。海外MBAでは日本と異なり偏差値方式はありません。

GPAの計算方式はこちらで解説していますのでご参照ください。

●エッセイ

志望動機・自己アピールを記載するもので出願において主要な評価対象となっています。なぜMBAを志望するのか?に加え、なぜコロンビアの MBAか? 自分のキャリアにどう紐付けるか? 等々、学校側は出願者が期待するレベルに見合うか、出願者がクラスで貢献できるかを判断します。しっかり自分の経歴の棚卸をここで行ってみてください。

何かをやりとげたストーリーを持っているか、またボランティアといった課題活動を行っていると書きやすいので、余裕のある方はそうした活動を行うのもプラスになるでしょう。

 ●推薦状

上司など会社関係からの推薦状が望ましいです。英語で作成する必要があります。

 MBAの応募書類や受験資格についてはこちらのコラムでも解説していますのでご参照ください。

 コロンビア大学MBA(コロンビア)の学費

コロンビアの公式サイトによれば、学費と教材や家賃などにかかる費用は、1年目が$122,460(2023/5のレートで約1720万円)としていますので、2年間のフルタイムMBAでは、卒業までかかる費用の概算は日本円で約3440万円と推計できます。これはニューヨークだから特別コストが高いということではなく、ハーバードのような他の私立のトップ校と比べても同等の額です。

コロンビアやハーバードのようなアメリカの私立トップ校は総じてコストが高いので、社費留学の方におすすめの選択と言えるかもしれません。私費留学の場合、奨学金制度もありますが、通常の受験に必要な時間に加えて、奨学金取得のための労力も必要となってくるので、準備は多くかかると考えてください。

とはいえ、卒業後の平均給与が2000万以上ですから、単純計算ですが2年で回収できる見込みになります。自己投資としてはハイリターンと考えられるのではないでしょうか。

 コロンビア大学MBA(コロンビア)の難易度は? 

 コロンビア・ビジネススクールの入試の難易度について解説します。

●GPA (学業成績)

コロンビア MBAの合格ラインの平均GPAは3.6です。日本の大学生の GPAの平均は、2.4〜2.8程度と言われていますので、コロンビアではかなりの優秀な成績が求められています。これに届かない場合でも、GMATなどのテストスコアやエッセイの内容でカバーできるケースもあるので、学業成績があまり良くない場合は他でカバーしていきましょう。

●GMAT/GRE

GMATかGREのスコア提出が必要です。いずれの試験にも優劣はありません。合格者のGMATスコアの合格者平均が729、GREスコアは、Verbal Reasoningが154〜167点、Quantitative Reasoningが156〜170点の範囲です。多くの大学院プログラムでは、VerbalとQuantのスコアが少なくとも160点台、または上位5〜20%であることが望ましいとされています。難易度はかなり高いと言えます。

●TOEFL/IELTS 

コロンビアでは、TOEFLかIELTSのような英語スコア提出は不必要です。英語テストの負担が減るのでGMATやエッセイに注力できるので特筆すべきポイントです。

ただ、GMATスコアや面接で英語レベルを確認されるので、英語のコミュニケーションにほとんど不自由がないレベルの英語力が求められるでしょう。

日本でコロンビア大学MBAについてもっと詳しく知りたいなら?

コロンビアを受験するにあたり、自分にコロンビアが合っているか研究することや、合格者の受験体験から学ぶことは合格の鍵です。日本でコロンビアについて情報収集できるサイトをまとめました。

在校生サイト

https://www.jbacolumbia.com/

コロンビアのMBAプログラムに在籍している日本人が中心となり作成されているサイトです。

就活体験記や受験情報記事があり、コロンビアを検討されている方には、大いに参考になるでしょう。

全て日本語でコロンビアについて情報収集できるので、まずはこのサイトを参照することをおすすめします。

コロンビアMBA公式サイト

MBA Program | Columbia Business School Academics

コロンビアの最新の受験情報についてはこちらの公式サイトで必ず確認するようにしてください。

まとめ

コロンビアのMBAは、一般的に日本では、ハーバードや、スタンフォードに比べると知名度が低いかもしれません。

しかしその難易度は最高レベルであり、ランキングを見ても世界トップランクのビジネススクールであることは間違いありません。

コロンビアではTOEFLなど英語テストのスコアを求めていません。

これは、受験生の負担が減る大きなポイントです。しかし、海外MBA進学にあたって全ての基礎になるのは英語です。

まずは英語の学習やGMATなどのスコアメークに注力されることをおすすめします。独学で自信の無い方は予備校に通うのも効率的な方法です。

そして、在校生の情報サイトなどでリサーチを行い、在学生や卒業生の経験から良いところを積極的に吸収しましょう。

自分の経験やスキルの棚卸を行い、将来の目標を考え、なぜコロンビアのMBAなのか十分検討してください。そうした作業を行うことでエッセイや面接の内容に説得力が増し、他の候補者と差別化が図れることでしょう。

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この記事の執筆者

斉藤りか

慶応義塾大学経済学部卒業。外資IT企業に就職後、ボストン大学経営大学院修了(MBA取得)。

帰国後、ITベンチャーや米系ハイテク企業でマーケティング・ビジネス開発に従事。

その後、アメリカ大使館等各国大使館の商務官に転じ、海外企業向けのビジネスコンサルティングに携わる。