第二種電気工事士技能試験(実技)の概要・日程・合格率・勉強法を解説
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電気工事士の資格取得を目指している方、特に実技試験に不安を感じている方は少なくないのではないでしょうか。
実技試験は、実際に工具を使って配線作業を行うため、手先の器用さや作業スピードが求められます。
そのため、「本番でミスをしてしまったらどうしよう」「時間内に正確に仕上げられるか心配」といった不安を抱えている方も多いはずです。
このコラムでは、そんな悩みを抱える受験者の方々に向けて、第二種電気工事士技能試験(実技)の概要から日程、合格率、そして効率的な勉強法まで、詳しく解説します。
試験の流れや合格のポイントをしっかり押さえておくことで、実技試験への不安を解消し、合格への道をしっかりと歩んでいただけるでしょう。
このコラムを読むことで、試験の詳細なスケジュールや合格率の目安、そして効果的な勉強法を理解することができます。
さらに、勉強方法に関する具体的なアドバイスや、試験に臨む際の心構えも説明するので、このコラムを読んで、合格への自信を深め、試験当日に向けた準備をしっかり整えていきましょう。
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第二種電気工事士試験技能試験(実技)の概要
まずは第二種電気工事士試験技能試験(実技)の概要を詳しく解説していきましょう。
第二種電気工事士試験技能試験(実技)の出題形式
第二種電気工事士試験の技能試験(実技)は、受験者に与えられる候補問題の中から1題が出題され、その問題に基づいて実技を行う形式です。
試験では、あらかじめ公表されている候補問題の中から1つが選ばれ、それを実際に配線し、組み立てる作業を行います。
受験者は、事前にこれらの候補問題をしっかりと練習し、どの問題が出題されても対応できるように準備を整える必要があります。
技能試験は、作業の正確さとスピードが求められるため、工具の使い方や作業手順をしっかりと身につけておくことが重要です。
また、試験に使用する工具は受験者自身が準備する必要があり、指定された工具を持参しないと試験に参加できません。
工具選びも、試験の結果に大きな影響を与えるため、事前に準備を整えておきましょう。
第二種電気工事士試験技能試験(実技)の試験範囲
技能試験の試験範囲は、一般用電気工作物の電気工事に係る基本的な作業です。
具体的には、電線の接続、配線工事、電気機器や配線器具の設置、工具や材料の使用方法、コードやケーブルの取り付け、接地工事、電流や電圧の測定、電気工作物の検査や修理などが含まれます。
これらの作業を正確に行えるかどうかが試験で評価されます。
試験では、候補問題13問の中から1問が出題され、その問題に基づいて与えられた配線図通りに作業を行います。
第二種電気工事士試験技能試験(実技)の試験時間
技能試験の試験時間は40分です。この40分間で、与えられた問題に基づいて作業を完了させなければなりません。
時間内に正確に作業を終わらせるためには、効率的な作業手順と時間配分が重要です。
第二種電気工事士試験技能試験(実技)の合格基準
技能試験の合格基準は、作業に欠陥がないことが最も重要なポイントです。
欠陥が1つでもあると不合格となるため、すべての作業を正確に行う必要があります。
ここでは、欠陥とみなされる具体的な条件について説明します。
1. 配線や接続の正確性
- 誤接続や誤結線: 配線図と異なる接続がされている場合、または指定された接続方法が守られていない場合は欠陥と判断されます。正しい配線が行われているかを確認しながら作業を進めることが重要です。
- 電線の色別や極性の遵守: 指定された電線の色別や、器具の極性が正しく守られていない場合も欠陥とされます。色別や極性は安全性に直結するため、特に注意が必要です。
2. 電線や器具の取り扱い
- 電線の損傷: 電線の被覆が破れていたり、心線が露出している状態は欠陥です。心線の露出は、リングスリーブの圧着部分やコネクタの接続部分でも注意が必要です。また、電線の切断時に心線が傷ついた場合も欠陥とみなされます。
- 器具への結線: 器具に電線を結線する際に、ねじで正確に締め付けられていない場合や、絶縁被覆が必要以上にむけている場合、さらには心線が端子に正しく挿入されていない場合も欠陥とされます。特に、心線が露出した状態であったり、電線が緩んでいる状態は危険であり、欠陥の原因となります。
3. 使用工具の適切さ
- リングスリーブの圧着: リングスリーブを使用する際、圧着工具の使い方が適切でないと欠陥となります。圧着が不完全であったり、心線の端末処理が不適切な場合、配線が確実に固定されていないと判断されます。圧着マークが明確に刻印されているかも重要なチェックポイントです。
4. 寸法や配置の正確性
- 配線や器具の配置・寸法の遵守: 指定された寸法が守られていない場合、例えば、器具の取り付け位置が指定された場所から大きくずれている場合は欠陥とされます。また、寸法が配線図に示されたものの50%以下である場合も不合格の対象となります。
5. 工事の完成度
- 未完成の状態: 作業が未完成である場合、つまり時間内にすべての作業が完了していない場合は、合格基準を満たしていないと判断されます。40分という限られた時間内で、すべての工程を完了させることが求められます。
6. その他の欠陥条件
- 支給品以外の使用: 試験で支給された材料以外のものを使用した場合、または必要以上の工事や不必要な工事を行った場合も欠陥とみなされます。また、器具の破損や、器具の取り付けに不適切な手順を用いた場合も欠陥の対象です。
これらの欠陥条件をしっかりと理解し、練習段階で注意深く確認することが、技能試験に合格するための鍵となります。
すべての作業が正確かつ安全に行われることが、第二種電気工事士技能試験の合格基準を満たすための必須条件です。
第二種電気工事士試験技能試験(実技)の受験料
第二種電気工事士試験の受験料は上期・下期ともに9,300円です。受験者は学科試験に合格するか免除されている場合に技能試験に進むことができます。
技能試験のみを受験する場合でも、上期・下期の試験受験申込期間内に受験料を支払う必要があるので注意してください。
第二種電気工事士試験技能試験(実技)の会場
技能試験の会場は、各都道府県に設置されている試験会場で行われます。
受験票に記載された指定の会場で試験を受けることになりますので、試験当日は時間に余裕を持って会場に向かいましょう。
会場内では、試験に必要な材料が支給されますが、使用する工具はすべて持参する必要があります。
技能試験は工具を持参する必要がある
技能試験では、電動工具を除くすべての手動工具が使用可能です。ただし、以下の指定工具は、試験において最低限必要とされるため、必ず持参してください。
【指定工具】
- ペンチ
- ドライバー(プラス・マイナス)
- 電工ナイフ
- スケール
- ウォーターポンププライヤー
- リングスリーブ用圧着工具(JIS C 9711:1982・1990・1997 適合品)
工具に関する注意事項
- リングスリーブの圧着
- リングスリーブの圧着は、JIS C 9711に適合する圧着マークが明確に刻印されることが求められます。
- リングスリーブ用圧着工具は、JIS規格「屋内配線用電線接続工具・手動片手式工具・リングスリーブ用」(JIS C 9711:1982・1990・1997適合品)に適合するもの(握り部分の色が黄色)を使用すれば、この圧着マークが刻印されます。
- 〇・小・中・大の刻印が明確に出る工具を用意してください。
- 工具の選択
- 上記以外のリングスリーブ用圧着工具を使用し、リングスリーブに圧着マークが刻印されない場合は、欠陥とみなされます。
- 1982年以前のJIS規格の圧着工具も含まれますので、使用する工具の規格には十分注意してください。
- 試験中の工具の貸借
- 試験中に他の受験者と工具の貸し借りはできませんので、自分で全ての工具を持参してください。
- 工具の数量制限
- 持参する工具の数量に制限はありませんが、試験会場の作業台が狭いため、工具の配置には他の受験者への配慮が必要です。
- カッターナイフの使用
- カッターナイフは怪我のリスクがあるため、使用を控えましょう。
- 使用禁止の工具
- 回路計(テスター)等の計測機器、電動工具(電動ドライバー等)、改造した工具(工具の持ち手を延伸するなど)、自作した工具は使用できません。
- 一時的な工具・材料
- 電線を一時的に束ねるクリップなどは使用可能ですが、試験終了までに必ず取り外してください。
- 配付されたもの以外の「保護板」は使用できません。
- 追加の装備
- 手袋や工具を収納するための腰ベルトも使用可能です。
- 材料の使用
- 技能試験では、支給された材料以外の使用は禁止されています。
2024年第二種電気工事士試験技能試験の日程・合格発表日
まずは2024年の上期に実施される第二種電気工事士試験技能試験の日程・合格発表日を説明します。
試験種別 | 技能試験 |
日程 | 2024年7月20日(土)または7月21日(日) ※技能試験日は、試験地で設定日が違います。 |
合格発表日 | 2024年8月16日(金)~9月16日(月) |
発表方法 | 試験センターホームページで発表 |
上期の技能試験は、2024年7月20日(土)または7月21日(日)に実施されます。
試験結果は、8月16日(金)から9月16日(月)までの期間に、試験センターのホームページで発表されます。
受験者はこの期間中にインターネットを通じて合否を確認することができます。
なお、上期の技能試験の前に実施される学科試験日は以下の通りです。
- CBT方式:試験実施期間 2024年4月22日(月)~ 5月9日(木)
- 筆記方式:試験日 2024年5月26日(日)
次に2024年の下期に実施される第二種電気工事士試験技能試験の日程・合格発表日を説明します。
試験種別 | 技能試験 |
日程 | 2024年12月14日(土)または12月15日(日) ※技能試験日は、試験地で設定日が違います。 |
合格発表日 | 2024年12月16日(月)~翌年1月中旬 |
発表方法 | 試験センターホームページで発表 |
下期の技能試験は2024年12月14日(土)または12月15日(日)に実施されます。
合格発表は2024年12月16日(月)から翌年1月中旬にかけて行われ、こちらも試験センターのホームページで確認できます。
なお、下期の技能試験の前に実施される学科試験日は以下の通りです。
- CBT方式:試験実施期間 2024年9月20日 (金)~10月7日(月)
- 筆記方式:試験日 2024年10月27日(日)
第二種電気工事士試験技能試験の候補問題
第二種電気工事士試験の技能試験において、候補問題は試験の準備を進める上で非常に重要な要素です。
技能試験の候補問題は、試験を実施している一般財団法人電気技術者試験センターのホームページにて、毎年公表されます。
この候補問題は、試験に出題される可能性のある問題のリストであり、受験者はこのリストに掲載された問題の中から実際に試験で出題される問題に備えることが求められます。
また、試験センターのホームページでは、過去の技能試験の公表問題とその解答も掲載されています。
これらの過去問は、受験者が試験の傾向を掴み、練習を積む上で非常に有益な資料です。
特に、技能試験においては実技の精度とスピードが問われるため、過去問を繰り返し練習することで、試験に対する自信と技術を磨くことができるでしょう。
第二種電気工事士試験技能試験の合格率
年度 | 期 | 技能試験 | |
合格率 | 受験者数 | ||
2024年度 | 下期 | ー | ー |
上期 | 70.95% | 50,668 | |
2023年度 | 下期 | 68.79% | 45,790 |
上期 | 73.16% | 49,547 | |
2022年度 | 下期 | 70.56% | 44,101 |
上期 | 74.26% | 53,558 | |
2021年度 | 下期 | 71.08% | 51,833 |
上期 | 74.24% | 64,443 | |
2020年度 | 下期 | 72.91% | 66,113 |
上期 | 67.80% | 6,884 |
第二種電気工事士試験の技能試験における合格率は、受験者が試験に臨む際の難易度を測る一つの指標となります。
2024年度の上期試験において、技能試験の合格率は70.95%となっています。
これは受験者50,668名のうち、約71%の方が合格したことを示しており、技能試験においても比較的高い合格率を保っていることが分かります。
例年の合格率はおおむね70%から74%の範囲に収まっており、特に上期の試験では合格率が高めになる傾向が見られます。
技能試験はしっかりと対策を行えば、多くの受験者が合格することができる試験であると言えるでしょう。
第二種電気工事士試験技能試験の勉強法
第二種電気工事士試験の技能試験は、実際に工具を使い、配線や接続作業を行う実技試験です。
この試験をクリアするためには、十分な準備と効果的な勉強法が必要です。以下では、技能試験に合格するための具体的な勉強法を紹介します。
工具・実技キットを準備する
まず、技能試験に使用する指定工具と練習用の実技キットを揃えることが最初のステップです。
指定された工具以外にも、作業効率を上げるために便利な工具を揃えることをお勧めします。
例えば、リングスリーブ用圧着工具やVVFストリッパーは、試験の進行をスムーズにするために役立つツールです。
また、実技キットは、試験で使用する材料がセットになっているものを購入すると、練習が効率的に行えます。
複線図の書き方を覚える
次に重要なのが、複線図の書き方をマスターすることです。技能試験では、単線図をもとに複線図を描き、配線や接続作業を行います。
複線図は、作業を正確に行うための重要なガイドとなるため、候補問題を基に複線図を書いていく練習を重ねましょう。
また、作業スピードを上げるためにも、何度も手を動かして練習することが必要です。
候補問題を施工し、作業スピードを早めていく
技能試験では、限られた時間内に作業を完了させる必要があります。効率的な進め方と時間配分を把握することは、合格に向けた重要なポイントです。
例えば、問題文の確認や複線図の作成にかかる時間を予め見積もり、残りの時間を実作業に充てるなど、計画的な時間管理が求められます。
実技試験において、「練習なし」での合格はほぼ不可能と言われているため、必ず事前に何度も練習しておきましょう。
欠陥条件を把握する
技能試験では、作業が正確に行われているかどうかを判断するために「欠陥条件」が設けられています。
欠陥とみなされる条件を理解しておくことは、合格に不可欠です。
例えば、配線が指定の位置に正確に接続されていない、絶縁被覆が適切に処理されていないなどのケースが欠陥として扱われます。
これらの条件を熟知し、練習の段階でミスをなくすことが重要です。
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第二種電気工事士試験技能試験合格のポイント
第二種電気工事士試験の技能試験は、実際に工具を使って電気工事の作業を行う試験です。
短い試験時間内に正確な作業を求められるため、しっかりとした準備と適切な対応が重要です。ここでは、技能試験に合格するためのポイントを紹介します。
見た目は気にせず完成を目指す
技能試験では、作品の見た目よりも「正確さ」と「完成度」が最も重要です。
きれいに仕上げることにこだわりすぎると、時間が足りなくなる可能性があります。
試験では40分という限られた時間の中で作業を完了させる必要があるため、まずは確実に欠陥のない作品を完成させることを最優先にしましょう。
見た目の美しさよりも、配線の正確さや接続の確実さに集中し、時間内に作品を完成させることを目指してください。
施工条件はかならず読んでから始める
技能試験では、問題文と一緒に「施工条件」が提示されます。
この施工条件は、試験の成否を左右する非常に重要な指示が記載されているため、必ず最初にしっかりと読み、内容を理解してから作業に取り掛かりましょう。
施工条件に違反する作業をしてしまうと、完成した作品が欠陥とみなされ、試験に不合格となるリスクがあります。
時間の制約がある中でも、焦らずに施工条件を確認し、誤りなく作業を進めることが合格への鍵です。
忘れ物がないよう持ち物の事前準備はしっかりと!
技能試験当日に忘れ物をすると、試験自体を受けられなくなる可能性があります。
特に、工具類や受験票などは必須の持ち物であり、忘れてしまうと作業が進められません。
工具は、指定されたもの以外でも使用可能ですが、試験に必要なものはすべて事前に揃えておくことが重要です。
また、試験当日は持参する工具や道具が多くなるため、前日までにチェックリストを作成し、持ち物を一つ一つ確認して準備を整えておくと安心です。
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